さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

生誕100年 佐藤太清展

2013年10月31日 | アート♪



日本画壇の重鎮で花鳥風景画を確立した「生誕100年 佐藤太清展」を拝見した。


Ⅰ模索の時代

Ⅱ生命へのまなざし

Ⅲ旅シリーズそして永遠の瞬間へ

日本画小作品・素描・スケッチブック


自然への深い愛情から生まれた作品群はどれもやさしく心地よいものばかり♪♪♪

「漁村」「かすみ網」「幽韻」「竹林」「玄冬」「雨の日」「冬池」「冬日」

模索の時代の作品はどれもこれも好きなものばかりだった。

「潮騒」「風騒」「洪」「清韻」「磨崖仏-弥勒」「朝霧」

そこに漂う空気を感じる作品

そして「最果の旅」と「旅愁」と「雪つばき」





もみじばと網にかかりし鳥悲し


体調が今一つ芳しくなく、自身も「かすみ網」の鳥たちと同じようだと感じる今日この頃

目も患っているのでしばらくブログお休みさせていただきます。


これまでのご訪問心より御礼申し上げます。 

Yo-Yo Ma Solo Recital 10.29

2013年10月30日 | 音♪楽♪



ヨーヨー・マ ソロリサイタル 第2夜



P. ヒンデミット 無伴奏チェロ・ソナタ

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV.1010

P. グラス オービット

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV.1011

Z. チーピン 草原の夏

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV.1012


とても一台のチェロだけで表現しているとは思えないほど複雑で深い味わいのある6つの「無伴奏チェロ組曲」を

バッハは1720年頃に作曲したらしい?

若冲さんがやっと物心ついてきたころかも(笑)


バッハも凄いといえるがまるで身体に染みこんでいるかのように

別の曲も含めながら全曲を演奏されてしまうヨーヨー・マはもっとすごい!!!

素人なので専門的なことはわからないが、特に2夜目は連続での演奏は超絶な技術を要するものらしい。


あるときは軽やかにそして重厚に変幻自在であり、難解な部分でさえ惹きこまれてしまう響きは神技♪♪♪





アンコールは「鳥の歌」

東日本大震災のあの奇跡の一本松を魂柱にしたチェロでの演奏であった。

素晴らしい人間性による鎮魂の深い調べは優しく切なく胸に沁み込んで涙を誘った。




Yo-Yo Ma Solo Recital 10.28

2013年10月29日 | 音♪楽♪



娘と私にとって秋一番のお楽しみであるヨーヨー・マの来日公演


妙なる響きにどっぷり浸って今年もまたその場にいる至福を味わうひととき。

「私たちはこの瞬間のために生きているね!」っていつもいつも思わせてくれる♪♪♪


今年は2夜連続で至高の無伴奏!!!


A.A. サイグン パルティータ

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007

M. オコナー アパラチア・ワルツ

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV.1008

G. クラム 無伴奏チェロ・ソナタ

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV.1009


十八世のメモリアルイベントから3日連続で主人一人夕ご飯になる後ろめたさを感じながらも

演奏がはじまるとそんなことはもうすっかり忘れていた(笑)


秋のCelloさまざま語る無伴奏

京都 洛中洛外図と障壁画の美

2013年10月28日 | アート♪



国宝指定の永徳の「洛中洛外図屏風」が最高傑作といわれるが、

今回初めて舟木本を拝見して思うことは又兵衛の「洛中洛外図屏風」の方が百倍も面白い♪♪♪

あくまでも個人的な好き嫌いであるが、構図も又兵衛のほうが好みであるし、

草木の緻密さや人物の感情表現が読みとれるところなど魅力がいっぱいで飽きさせることがない。


御所の孝信筆「賢聖障子絵」・二条城の探幽・尚信の障壁画など狩野派のそれぞれの違い♪♪♪

メトロポリタン美術館から初の里帰りの「列子図襖」も実に趣があった♪♪♪

超高精細映像4Kの龍安寺石庭の四季も素晴らしい♪♪♪


洛中洛外図で京都を俯瞰しながら、御所や二条城・寺院を旅するというなかなかの味わいのある特別展であった。


後期も是非拝見したい。





「京都」の特別展にあわせての期間限定スイーツ

抹茶のムースに鹿の子のお豆がのっているもの。さっぱりといいお味であった♪


十八世中村勘三郎一周忌メモリアルイベント

2013年10月27日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



築地本願寺で十八世中村勘三郎一周忌メモリアルイベントが開催された。

十八世ゆかりの方々のトークや映画「中村勘三郎」ダイジェスト版の公開

そして勘九郎丈・七之助丈と七緒八くんの三人での舞。


七緒八くんしっかりと舞っておられました。


勘九郎丈が「湿っぽくならないで明るく」と仰っておられたが、

十八世の在りし日の映像にはやはり涙があふれてきてしまった。



千穐楽

2013年10月26日 | いざ銀座歌舞伎座



秋惜しむ千穐楽や木挽町


昨日、再度歌舞伎座夜の部へ


仁左衛門丈は痛めておられる右肩の治療のため、来月から舞台をお休みされる。


舞台を拝見できないことはとてもさびしいが、これからの歌舞伎界のためにも


どうかゆっくりとご静養されて治していただきたい。



すし屋の幕切れ、「大当たり!」と声がかかった。

お主のために犠牲となる権太一家の悲しみとともに

しばらく舞台を拝見できないさびしさがつのり涙がでてしまった。



霜降

2013年10月23日 | 日記



虫食いの葉陰に紅きさねかづら



つい10日前は夏日もあったのにこのところ急に冷え込んできて

気がつけばもう秋も暮れ、今日は霜降。


このところ体調が今一つで、今日は国立劇場の歌舞伎のチケットを無駄にしてしまった(涙)

頑張れば行くことも出来たような気もするが、なんとなく鬱状態・・・

25日は歌舞伎座の千穐楽、もう一度仁左衛門丈の権太を拝見に行く予定であるが、またまた台風が接近中・・・








霜降のきて鬱々と過ごす午後

三菱一号館美術館名品展2013 -近代への眼差し印象派と世紀末美術-

2013年10月22日 | アート♪



ルノアールの映画を観たあと、三菱一号館美術館に。


1章 ミレーと印象派

2章 ルドンの「黒」

3章 トゥールーズ=ロートレックと仲間たち

4章 『レスタンプ・オリジナル』

5章 版画家ヴァロットンの誕生

6章 ルドン夢の色彩

7章 ルノアールとモネの後半生

8章 画商ヴォラールと画家たち 出版事業を中心に





映画を観た直後なので7章も興味深かったが、大好きなルドンを堪能できたこと、

また今回の美術展で初めて知った5章の版画家ヴァロットンの作品に一番心惹かれた♪♪♪


ボナールやドニとともにナビ派の一員として19世紀末に活躍した画家だそうで

大胆な木版画の作品がとても魅力的であった。

ナビ派はなんともいえない雰囲気があってドニの「アムール」も素敵だった。


こちらも中庭に十月桜が咲いていた。


開館20周年記念 美を伝えゆく -名品にみる20年の歩み- 前期

2013年10月21日 | アート♪



娘の先生のお能の会があり、叔母たちが娘の仕舞を観るために上京した。

日舞にしてもバレエにしても日頃のお稽古の成果を発表する会は、なかなか味わいがある。


生まれ持った才能の有無はあっても、お稽古に通い年月が重なるごとに

だれしもが着実に上達してゆく様はプロの舞台とは違った面白さを発見できるし、

またプロがなにげなく出来る動作がたゆまぬ修業を積んだからこそ出来るものであることもあらためて実感できる。






叔母たちを東京駅に送りがてら、三の丸尚蔵館で開催中の「美を伝えゆく」を拝見した。

11月3日で開館20周年を迎える三の丸尚蔵館

その記念として修理事業によってよみがえった名品を展示するとともに

修理事業の重要性を紹介した企画である。


前期・後期にわかれ展示作品は多くはないが観る価値のあるものばかり♪♪♪


八条宮家創立当初の邸宅の襖絵である「源氏物語図屏風」と「四季草花図屏風」

どちらも伝狩野永徳でおそろく永徳一門の手によるものらしいが

とくに芍薬と菊をメインに描いた「四季草花図屏風」が素晴らしかった♪♪♪

また海北友松の「浜松図屏風」の構図がオシャレ♪♪♪

藤原公任の「古今和歌集賀歌三首」や「西行書状」の修理過程も興味深く

12世紀の名品が修理の個所が判別できない位によみがえる技術に感動を覚えた♪♪♪





十月桜であろうか? 可愛い花が盛りであった♪♪♪




富士山の絵画

2013年10月19日 | アート♪



明日まで静岡県立美術館では富士山の世界遺産登録を記念して「富士山の絵画」の公開中。


1.富士山と信仰

2.富士山と三保松原

3.富士山と白糸ノ滝

4.富士百景-富士見のトポス

元信から大観・東山魁夷まで80点近くの「富士山の絵画」が一同に会している企画展というのが実に面白かった♪♪♪


狩野元信・狩野探幽・狩野栄信・狩野山雪・岸駒・谷文晁・英一蝶・木村蒹葭堂

円山応挙・曾我蕭白・岩佐又兵衛・与謝蕪村・司馬江漢・池大雅・田能村竹田・・・

まだまだ多くの絵師の作品があるが、

その中で今回特に印象的に残ったのが曽我蕭白の描く富士山♪♪♪

また狩野永岳が井伊直弼の御前で描いた席画「富士山登龍図」の迫力に感動した♪♪♪


そして過日お参りした浅間大社所蔵の「元信印富士参詣曼陀羅図」では

湧玉池で禊をして富士山に登る人々のルート案内のようでありながら富士山の神々しさを失っていない構図が素晴らしい♪♪♪


信仰の対象としても芸術の対象としてもいつの時代も富士山は人々の心を捉えて離さないオーラがある。


今日静岡の従妹から「富士山に雪が降りました♪」とメールが送られてきた。





富士山本宮浅間大社

2013年10月18日 | 小さな旅









主祭神 木花之佐久夜毘売命

相殿神 瓊々杵尊・大山祇神

三間社流造





つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉  と

平安朝の歌人平兼盛が詠じた湧玉池。

富士山の雪解け水が何層にもなった溶岩の間を通り湧出たもので特別天然記念物らしい。

冷たくて透き通る水はまさに「霊水」♪♪♪










境内のあちこちで愛らしい七五三祝いの子供たちに出会った。

レトロな味わいの千歳飴の袋が大社の風格を感じさせた♪


桜の馬場を通った時に叔父から「埒があく」の語源を教えてもらい、

この年になるまで知らなかった自分も恥じたが

埒の話を語る叔父の横顔が素敵だった♪♪♪





「駿州赤心隊」というのも初めて知った。

富士重本、浅間大社の神職で富士家第44代当主

官軍「駿州赤心隊」を組織して隊長として戦い、のちに現在の千代田区である東京府麹町区長を務めたとか。

家康公のお膝元で幕府と戦ったことに興味を覚えた。

あとの月

2013年10月17日 | 日記



雲消えし秋のなかばの空よりも月は今宵ぞ名におへりける(西行)


満月よりも少し欠けた月、雲ひとつない月夜より少々雲がかかった方が風情があるとは言うものの

今晩は雲が多くてなかなか月を愛でることができなかった。

20時近くに雲間からちらっとのぞいた月を撮ってはみたが携帯なので・・・(笑)

富士山と茶畑の思い出

2013年10月17日 | 小さな旅

先週の連休、祖父母のお墓参りをかねて静岡の叔母の家に遊びに行った。

亡母の妹で美人の叔母、だんなさまもハンサムでいつまでも仲の良い憧れのご夫婦♪

母亡きあとは私のことも娘のように気遣ってくれていて、

叔母の家で私の従姉妹たちを呼んでバーベキューをしてくれた。

私が従姉妹たちの中では一番年上で皆と15歳以上も離れているが、

60歳を超え、皆も40代後半になると介護の話や趣味の話で盛り上がり

今はもう年齢差を超えてガールズトークに花が咲いた♪





滞在中、3日間は晴天に恵まれ、毎日素晴らしい富士山を拝むことができた。


帰る日の午前中、叔父が浅間大社と茶畑に連れて行ってくれた。



ちょうど三番茶を刈る季節のようで、伸びた茶葉が風にゆれていて

昔一度だけ二番茶の刈り取りを手伝った日々が思い出された。




叔父の茶畑は商売にしていなかったので、茶狩りも叔父の一家のレクリエーションで

一族郎党集まってのピクニックのようなもの。

まだ小さかった孫たちと私も一緒にダンボールや刈った茶葉をいれる袋などに入って遊んだりとても楽しかった♪♪♪

叔父と一緒に一畝刈らせてもらったが、いざやるとなるとなかなかの重労働。

刈ったそばから茶葉の袋をトラックに積んで製茶工場に持って行くのにも

連れて行ってもらったので、この時の経験から、

「お茶ができるまで」については、すぐに蘊蓄を語りなくなる私である(笑)







白雲がわずかにかかる秋の富士

芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2013年10月16日 | いざ銀座歌舞伎座




義経千本桜


四幕目 木の実・小金吾討死

五幕目 すし屋

大詰 川連法眼館


昨夜は台風接近中で風雨も尋常ではなかったので仁左衛門丈の権太を堪能して

菊五郎丈の忠信を諦めて早めに帰宅した。


仁左衛門丈渾身の権太♪♪♪

松竹座・歌舞伎座と今までも何度か拝見しているが、

すっきりとしていながら上方の味わい深く、凄味・情愛とも最高の権太であった!!!


歌六丈の弥左衛門、竹三郎丈のお米も素晴らしく仁左衛門丈と息があっていて泣かされたが

なんといっても秀太郎丈の小せんが絶品♪♪♪


善太郎を背負って小せんと帰るくだり、若葉の内侍の身替りに引かれて行く小せんとの別れなど、


花道でのしどころは


最高の顔合わせ仁左衛門丈と秀太郎丈お二人でなければ出せない夫婦愛が滲み出ていて心に残った。


雨風に打たるる櫓あとにして



ルノアール

2013年10月15日 | 映画♪



ルノアールの晩年を描いた映画を観た。

曾孫にあたるジャック・ルノアールの原作をもとにつくられたようであるが、

とにかくルノアールの色彩や光を表現した映像が素晴らしかった♪♪♪


ルノアールが晩年リューマチに苦しんでいたことなど知らなかった。

そしてこのリュウマチなどの病によって劇的なほど様式を変化させたらしい。


激しい痛みに耐えながら絵筆を握って最晩年の「浴女」たちを描くシーンもあって、

アンドレ役のクリスタ・テレが女神のように美しかった♪♪♪