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さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

能面と能装束 みる・しる・くらべる

2014年09月22日 | アート♪



昨日、最終日であった三井記念美術館の「能面と能装束 みる・しる・くらべる」を拝見した。


タイトルの「みる・しる・くらべる」というように


通常まじかで観ることができない能面の詳細や裏面のいわれ、


面の種類やおなじタイプのものの比較など、あらためて勉強になる大変面白い企画であった。


参観者の少ない展示室で、ケースのガラス越しでも遠くからオーラを放つ面がいくつかあった。





金剛流の若い女面の代表である、伝孫次郎作「孫次郎(オモカゲ)」


静かな佇まいに品格が溢れていて、見る方向・角度により様々に表情をかえる。


そして最も若い女面の伝龍右衛門作「小面(花の小面)」


秀吉が愛玩した小面雪月花のひとつでまさに名の通り花が香るような華やかさがあった。


人生の年輪と格調を感じさせる伝三光坊作「舞尉」


額の血管が浮き出ている出目満照作「景清」など




能衣装は「刺繍七賢人文様厚板唐織」


動物や七賢人が立錐の余地なく刺繍されたものでその豪華さは圧巻だった。



特別展示の三越伊勢丹所蔵歌舞伎衣裳「名優たちの名舞台」では



「唐花唐草石畳文様直垂」九代目團十郎 明治30年 大森彦七


「雪持竹南天雀文様打掛」五代目歌右衛門 大正6年 政岡


「藤流水蒲公英文様打掛」五代目歌右衛門 大正9年 岩藤


「雲龍波濤文様褞袍」五代目歌右衛門 昭和11年 石川五衛門


「蝶花車文様打掛」六代目尾上梅幸 昭和 重の井


「庵木瓜文様羽織・着付」七代目幸四郎 昭和23年 工藤祐経


「雲龍宝尽文様唐人服」七代目幸四郎 大正10年 毛剃九右衛門


「龍丸格子文様羽織・着付」七代目幸四郎 昭和4年 ひげの意休


「雪持松蔦文様羽織・着付」六代目菊五郎 昭和 松王丸


「枝垂桜文様振袖」六代目菊五郎 昭和13年 白拍子花子


「藤花文様着付」六代目菊五郎 昭和12年 藤娘


「正月飾文様打掛」六代目菊五郎 昭和8年 揚巻


「三葉葵紋付羽織・着付」初代吉右衛門 大正15年加藤清正


舞台写真と衣裳が展示されていた。




昨日はミュージアムカフェも珍しく空いていたので軽いお昼を頂いた。







痩女憂いが沁みる秋彼岸

宗像大社国宝展 神の島・沖ノ島と大社の神宝

2014年09月18日 | アート♪



過日、古代史好きの友人と出光美術館で開催中の「宗像大社国宝展」を拝見した。


出土品のほとんどが国宝。


古代史に疎い私でも、それらの展示品からこの地が古代から


日本と朝鮮半島・大陸を結ぶ要衝の地であったことが実感できた。



プロローグ 宗像三女神と宗像大社


第1章 神の島 沖ノ島-宗像三女神への祈りとかたちⅠ:岩上、岩陰遺跡


第2章 神の島 沖ノ島-宗像三女神への祈りとかたちⅡ:半岩陰、半露天、露天遺跡


特別出品 伊勢神宮 神宝の世界


第3章 宗像大社文書の世界-宗像大宮司家と中世の海外交渉


第4章 三十六歌仙図扁額の美-近世の宗像大社と福岡藩



沖ノ島の国家祭祀の特徴は、祭場の形態が、岩上→岩陰→半岩陰→半露天→露天と推移していて


原始信仰から社殿祭祀までの移り変わりを概観できることと、


それに伴い奉献品も変遷を遂げていくのが見てとれる。


岩上、岩陰遺跡からは三角縁神獣鏡や勾玉・ガラス製玉類などがあり、


コンパスや定規を文様にしたという「鳥文縁方格規矩鏡」のデザインが洗練されていて素晴らしかった。


また朝鮮・新羅時代の24金製の「金製指輪」のまばゆい輝きも印象的だった。


7世紀後半になると半岩陰→半露天→露天と変化し、この頃には


日本の対外政策が朝鮮半島から大陸寄りになり、中国・東魏や唐時代にみられる奉献品が含まれるようになったらしい。


唐三彩や金属製雛形品・須恵器類


文書類はあまり良く判らなかったが、


1187~1227の年月をかけて一人で全ての仏教経典を書写した「色定法師一筆一切経」が心に残った。


そして一番拝見したかったお目当ての狩野安信の「三十六歌仙図扁額」


保存状態も素晴らしく良く、人物の描写だけでなく衣服の細かい模様まで実にきっちりと描かれていた。


現在宗像大社には三十六歌仙図を描いた絵馬が5セットあるらしいが、


永徳の印章を伴う、おそらくは光信筆とおもわれるものもあるとのこと、


こちらは写真で展示されていた。

ボヘミアングラス 耀きの静と動

2014年09月09日 | アート♪



昨日は美術館のはしごをしてサントリー美術館へ。


Ⅰ.中世後期:14-15世紀


Ⅱ.ルネサンスとマニエリズム:1550-1650年頃


Ⅲ.バロックとロココ:1650-1790年頃


Ⅳ.古典主義、帝政様式、ビーダーマイヤー様式、ロココ・リヴァイヴァル:1500-1865年頃


Ⅴ.歴史主義:1860-1890年頃


Ⅵ.アール・ヌーヴォー、アール・デコ、機能主義:1890年頃-第二次世界大戦


Ⅶ.1945年から現代まで


ボヘミアングラスといえば輝くクリスタルをイメージするが、


19世紀に多様な着色や絵付が開発されてちょっと見た目には磁器のような作品もあり、


多彩な作品たちが面白かった。






パンフの写真にもある、繊細なエングレーヴィング装飾やゴールドサンドイッチ技法のゴブレットも


素晴らしかったが、個人的には6章のアール・ヌーボーなど1890年以降の以下の作品たちが面白かった。



ヤロスラフ・ブリフタ「レスラー」


スタニスラフ・リベンスキー「鉢 ピエタ」


スタニスラフ・リベンスキー他「ヘッドⅠ」


ボフミル・エリアーシュ(父)「夜の花」


ロニ・プレスル 花器「日本」


パヴェル・マルクス「狭間にⅢ」


パヴェル・トルンカ「ハート・チャクラ」




オルセー×デザートブッフェ付きランチ

2014年09月08日 | アート♪




今日から遅い夏休みの娘と再びオルセー美術館展へ。


オルセー美術館展のチケットがついてくるホテルのデザート付きランチなるものを娘が予約をしてくれていた。


ランチの内容は


エドゥアール・マネの『笛を吹く少年』をイメージした限定カクテル

前菜、サラダ、スープをブッフェにて(シェフズテーブルより約15品をお好きなだけ)

メインディッシュ(鮮魚のグリルなど約7品のうち1品)

デザートブッフェ(ティラミスなど約13品をお好きなだけ)

コーヒーまたは紅茶



お好きなだけといっても高齢者はそれほど沢山はいただけないが、


デザートはやはり別腹で何種類も入ってしまう(笑)


『笛を吹く少年』をイメージした限定カクテル がすっきりとした味わいで美味しかった。







月曜日なので館内も空いていて、今日はシスレーをメインに楽しませてもらった。


展示リスト付きガイドブックはvol2も出ていた。







魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展

2014年08月30日 | アート♪



会期もあとわずかに迫った「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」へ、


伝説のダンサーであるニジンスキーが実際に着用したという衣裳が観たかった。






この展覧会は、芸術的価値の高い舞台衣装を沢山観賞できるだけでなく、


バレエ・リュスの主宰者であるディアギレフと


彼に見出された天才的ダンサーや作曲家・美術家たちの造り上げた



その総合芸術たる仕事ぶりを見つめながら今日に至るバレエにそのつながりを見いだすことの面白さがある。







ブノワやキリコの衣裳デザインも好きであるが、やはり圧倒的にレオン・バクストが素晴らしい。







公演プログラムなどの展示もあるが、ジャン・コクトーの「薔薇の精」のポスターが素敵だった。


当時のダンサーたちの写真も沢山あって、ニジンスキーの「薔薇の精」や「牧神の午後」など、やはり一際存在感を放っていた。



1.1909-1913:ロシア・シーズン、歴史的エキゾティズム


2.1914-1921:モダニズムの受容


3.1921-1929:新たな本拠地モンテカルロ


4.1929~:バレエ・リュス・ド・モンテカルロ



1919年には二代目市川猿之助(初代猿翁)らがピカソなどが参加した第二世代のバレエ・リュスを目の当たりにし、


ロンドンのアルハンブラ劇場では、稽古場まで赴いて日本の舞踊が観たいといわれ実際に舞ってみせたらしい。


そして帰国後、縦に踊る奥行に欠けた日本の舞踊の刷新を目指し「春秋座」を結成したようだ。




このバレエ・リュスの精神を受け継ぐモンテカルロ・バレエ団の来年春の来日公演が決まっている。


ジャン=クリストフ・マイヨー振付の新しい「LAC~白鳥の湖~」だ。


来月はマシュー・ボーンの「白鳥の湖」を拝見する予定であるが、


新しい「LAC~白鳥の湖~」というのも楽しみである。







かなり長時間楽しませてもらったので、くたびれてしまい帰る前に2Fのカフェで一休みした。



オルセー美術館展が同時に開催中なので、



笛を吹く少年の色彩をイメージした「ガトーオペラ オレンジのソルベと共に」を頂いた。





涼風献上

2014年08月19日 | アート♪



ここ数日涼しい日が続いたので、今日の残暑は身体に堪えた。



そして涼風をもとめて根津美術館へ、お目当ては海北友松の「鍾離権図」と後水尾天皇のお手紙。







絵とやきもので暑中お見舞いというテーマであるから、風や水などに関連した作品が多い。


海北友松の「鍾離権図」は八仙人の一人の鍾離権が剣にのって空中を浮遊している姿を描いたものであるが、


風に乗る姿がサーファーのようにも見えて飄逸な味わいがあった。



絵もやきものも素敵な作品が多かったが、



現存する唯一の作品と云う芸阿弥の「観瀑図」の水しぶきを上げる滝の迫力が凄い!



観瀑図がいくつかあったが、狩野正信のものも趣があった。



相阿弥の弟子である単庵智伝の「柳燕図」も素敵。



そして一番心惹かれたのは蘆雪の「赤壁図屏風」いかにも蘆雪らしい自由で個性的な樹木の表現が面白かった。



やきものでは仁清の「色絵武蔵野図茶碗」金継ぎによってさらに魅力を増していた。







同時開催の「高麗・朝鮮時代の仏画」は装飾豊かな衣を纏った仏さまが存在感を放っていた。



「手紙 こころを伝える」では、


明恵上人・後水尾天皇・近衛信尹・本阿弥光悦・小堀遠州・飯尾宗祇・・・ら20人の手紙が展示されていた。



後水尾天皇の手紙は弟の一条昭良に宛てたもので、



「此香炉」を小堀遠州にみせたので金森宗和にもみせてほしいと依頼したものだった。



こひ四位ぞ


こひ四位ぞとよ


こひ四位ぞ


かへすゞも


こひ四位ぞとよ




と恋しいという意味らしい切れのある素敵な書体で近衛信尹が少庵に宛てた手紙が印象に残った。







日差しはきつくても秋の気配を感じる庭園を少し歩いた。













オルセー美術館展 印象派の誕生

2014年08月11日 | アート♪



1874年、パリの第1回印象派展から140年を迎えるにあたり、


オルセー美術館から選りすぐりの名画が国立新美術館にやってきた。







マネ「笛を吹く少年」・モネ「草上の昼食」などが展覧会のパンフや駅の広告で話題であるが、



それぞれの好き嫌いは別として、どれもじっくりと観るべき作品ばかりで



印象派の誕生やレアリスム・アカデミズム等美術史上の19世紀後半の名画を堪能できる美術展だ。







1章 マネ


2章 レアリスムの諸相


3章 歴史画


4章 裸体


5章 印象派の風景 田園/水辺にて


6章 静物


7章 肖像


8章 近代生活


9章 円熟期のマネ



展示リストを片手に印象に残る作品をチェックしていったが、


良く判らない3章の歴史画以外はほとんど各章3分の2は興味を覚える作品ばかりだった。



やはり教科書などで子どもの頃から知っている作品も実物を前にすると紙面で観ていた時とは印象がちがった。



今までなんとなく暗っぽいイメージで好きではなかったミレー「晩鐘」は



夕暮れの茜雲が効いていて穏やかであるが「希望」を感じさせた。



フレデリック・バジールという作家は知らなかったが、


「バジールのアトリエ・ラ・コンダミンヌ通り」が面白く当時の画家たちの交友が偲ばれた。


「笛を吹く少年」からは軽快な音色が聞こえてくるようで


「ピアノを弾くマネ婦人」も好きだ。


モロー「イアソン」・ルノアール「ラ・ローズ」


風景画のピサロやシスレーもどれもが美しい。


モネ「かささぎ」セザンヌ「マンシーの橋」


静物画はラトゥール「花瓶のキク」セザンヌ「スープ入れのある静物」


肖像画はルノアールも好きだがやはりホイッスラーやラトゥールに惹かれた。


モネ「死の床のカミーユ」・「草上の昼食」の実物を観られて満足。


2010年、三菱一号館美術館で開催した「マネとモダン・パリ」でも感じたが


やはり私は印象派の中ではマネが一番好きだ。


その時にポスターにもなっていた「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」の


そのモデルのベルト・モリゾの「ゆりかご」もいい!


晩年のマネ「ロシュフォールの逃亡」のタッチに感動を覚えた。






今回の展示リストが画家たちの相関図なども乗っていてとても参考になる。


図録も持ちかえるのに重くない可愛らしいミニ図録があったのが嬉しい。

ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展

2014年07月30日 | アート♪



一年をかけた修復の後、世界初公開の「ラ・ジャポネーズ」を拝見に行った。


修復の理由は不安定な赤い絵の具の補強と1972年に施された

古いワニスと付着物を取り除くことが目的だったようだ。


壁面に散りばめられた団扇、花ござの上で赤い打掛をはおり扇子を持ってポーズをとるのは


モネの妻カミーユで、実際は黒褐色の髪を全体の色彩のバランスから金髪に描いている。


モネ自身この赤い打掛を描くことが一番のテーマだったようである。


だったら衣桁にかけて全体像を描けばと思うが、


日本の着物の特徴である実際に人がはおることによって生み出される曲線の美を


きっとモネは早い段階から判っていたのだろう。


近年の研究で打掛の模様は謡曲「紅葉狩」が主題では?ということらしいが、


豪華な刺繍の質感やゆったりと広がる裾のでぶきのふくらみがリアルで素晴らしい。






世界中で賛美されている印象派や最近注目の唯美主義の作家たちがこぞって魅了された日本の美


色彩・構図・デザイン性・・・


特に浮世絵から触発された作品がそのヒントになったオリジナルの作品とともに展示されているのが面白かった。


1.日本趣味


2.女性


3.シティ・ライフ


4.自然


5.風景


摺りの良い素晴らしく保存状態の良い北斎や広重等を拝見できたのも嬉しい。







アルフレッド・ステヴァンス「瞑想」


モーリス・ドニ 版画集「アムール」より


ジョン・エドガー・ブラッド「ジャイアント・ストライド」


ロバート・アール・ヘンライ「サイドウォーク・カフェ」


ティファニー工房「葡萄蔓デスクセット」


アーサー・ウェズリー・ダウ「沼地風景」


モネ「トルーヴィルの海岸」「積みわら(日没)」 などが心に残った。







ミュージアムカフェのボストン美術館展限定ティーセット


30代後半から40代にかけて仕事で数回ボストンに行ったことがある。


たしか?その際にボストン美術館で観たモネの作品もあって、お茶をしながら当時を懐しく思いだした。




2014 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

2014年07月17日 | アート♪



イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の季節がやってきた。


夏休み前の平日なので館内は静かで入選作品75点をゆったりと鑑賞できた。



(敬称略)


今年の特別展示はこのボローニャ展をきっかけに世界に羽ばたいたイラストレーター三浦太郎と刀根里衣の作品



私は力強いワークマンの三浦太郎の作品が大好きで、


昨年は講演にいらしていた三浦氏に図録にサインをして頂いた。


美術史上有名な作品をモデルとした今年の「ワークマンステンシル」も実に面白かった♪







穏やかでとても心地よい色彩で鳥や動物を主人公にした刀根里衣の作品も素晴らしい♪


もし孫がいたら、物心つく前に一番最初にふれさせたいような夢のある可愛い作品がこの方の魅力。





48回目の今年は23ケ国から3190の参加で75作品が入選となったが、


そのうち日本人の作家が15人も入っていて日本のレベルの高さが嬉しく誇らしかった。






以下はあくまでも私素人の個人的な感想であるが・・・



ファンタジーを感じた作品


ジェームズ・バーガー「ハイイロドリ」

加賀谷奏子「おおきな女の子の話」

猫野ぺすか「ペンギンと黒い卵」




取り組みが面白いと思った作品


レイラ・シエ「なかなか昇らない太陽」

ダイモン・ナオ「虫」

イラリア・ファロルシ「ぽっちゃりヨガ」

山根悦子「ぺんぺんぐさのふゆとはる」




色彩が美しいと感じた作品


フィリップ・ジョルダーノ「モモタロウ」

スコット・プルム「キツネのテオの大ぼうけん」

こまつゆみこ「動物達の住む町」




楽しい作品


マノン・ゴチエ「わたしの公園」

早坂舞香「めだまやき工場」

リウーナ・ヴィラルデイ「部族」

ナターシャ・ローゼンベルグ「レーラのぼうけん」

イ・ジソン「夢見る変身大王」




ちょっと大人向けなオシャレな作品


藤島つとむ「シンデイのあたらしいへや」

ふじたみきこ「真夜中のアスレチック」

リュカ・ル・ロワ「海底探検」

渡辺美智雄「わたしのおはなしするね」



超絶技巧!明治工芸の粋

2014年07月01日 | アート♪



近頃絵の世界ではまってしまった柴田是真。


その漆工を拝見したくて三井記念美術館へ。


近年注目を浴びている明治期の工芸であるが、その超絶技巧にあらためて驚嘆した。


展示は七宝・自在・牙彫・木彫・薩摩・漆工・金工・刺繍絵画・刀装具・印籠などからなるが、



今回の展示で名前を知っていたのは柴田是真の他は七宝の並河靖之、牙彫・木彫の高村光雲


そして着物の世界では有名な千總の西村總左衛門で、ほとんどの作家が今回初めて知った方ばかり。


中でも実物そっくりの牙彫・木彫の安藤緑山と金工の正阿弥勝義が心に残った。


そしてそのデザイン性にも強く惹かれたのが正阿弥勝義の作品











もともと幕末までは刀剣や刀装具、甲冑などを制作していた金工師たちは


明治維新によって武士階級がいなくなると、新たな顧客や需要をもとめてその高い技術を競ったようだ。


それが欧米人たちを魅了し輸出工芸品として大量に海を渡ったとある。


そして日本の工業化・軍事化によって今回展示されているような高いレベルの名品たちが


わずか30年程で姿を消してしまったそうだ。


今回の展示作品すべては、清水三年坂美術館蔵、


館長でいらっしゃる村田理如氏が30年ほどかけて蒐集されたコレクションで


現在の日本人がその存在を忘れていた明治期の工芸品の美の極みと圧巻の技巧を知らしめてくれた。


この展覧会の中では、スタンドルーペが多用されていて、


それだけ細密で精緻な作品が多い。とにかくどれもこれも凄い作品ばかり!





もちろん柴田是真も素敵だった。





バルテュス最後の写真 -密室の対話

2014年06月19日 | アート♪



ヴァロットン展の前に、三菱一号館美術館歴史資料室で開催中の


「バルテュス最後の写真 -密室の対話」展を拝見した。


10人も入れば満員になってしまいそうな歴史資料室に


ガラスケースに入れられた沢山のポラロイド写真が展示されていた。


素敵なシャンデリアの灯りのもと、バルテュスの写真の少女は


この部屋の雰囲気に融け合って神秘的で人間と言うより美の女神とか妖精とかを連想させた。







はじめ美術館の方に行ってしまったので建物を一周することになってしまったが、


ジョサイア・コンドル設計の当時を復元した三菱一号館の周囲をめぐるのも楽しいこと。


節子夫人が19世紀末の香りが残るここでの開催を希望された気持ちがよくわかるし、


「バルテュス展」の絵画たちもこの三菱一号館美術館の中で観てみたかったと感じた。








ヴァロットン -冷たい炎の画家

2014年06月18日 | アート♪



昨年の秋、ルドンが目的で拝見した三菱一号館美術館の「近代への眼差し印象派と世紀末美術」で


私は初めてヴァロットンという画家を知りその版画に魅了され、


この人の作品をもっと観たいと思って楽しみにしていた展覧会が始まった。


1章 線の純粋さと理想主義


2章 平坦な空間表現


3章 抑圧と嘘


4章 「黒い染みが生む悲痛な激しさ」


5章 冷たいエロティシズム


6章 マティエールの豊かさ


7章 神話と戦争





130点以上の作品群で構成された日本初の大回顧展であるが、


やはり私は版画が好きで、とくに「アンティミテ」が一番心に残った。


もともと肖像画家からスタートしたようであるが、3枚ある自画像の疑い深そうな眼差しが忘れられない。


そんな一筋縄ではいかない多様で謎めいた作品たちが面白く、


<平坦な空間表現>の「ボール」「月の光」「カーニュの俯瞰的眺望」や



<抑圧と嘘>の「ポーカー」や「貞節なシュザンヌ」「夕食、ランプの光」などは


作品の背景に潜むドラマに好奇心がそそられる。


歌麿の浮世絵がかかるアトリエを描いた作品もあって、実際にその所蔵の浮世絵も展示されていた。


<冷たいエロティシズム>は「赤い絨毯に横たわる裸婦」・「秋」が美しい。


<神話と戦争>の作品たちはあまり好きではないが、「憎悪」の女性の拳が凄い!


ちょっと目には漫画チックな「これが戦争だ!」の作品たちに戦争の悲惨さが滲み出ていた。


「外国人のナビ」といわれ、ナビ派からも少し距離を取っていた画家らしいが、


このところナビ派に少しはまってしまった。





佳麗なる近代京焼 -有栖川宮家伝来、幹山伝七の逸品

2014年06月17日 | アート♪



東御苑の菖蒲を観たあと、三の丸尚蔵館で開催中の「佳麗なる近代京焼」を拝見した。


京焼と言ってすぐ浮かぶのは野々村仁清、尾形乾山などであるが、


その色絵陶器から文化文政期、奥田頴川らによる磁器の制作がはじまり、


さらに青木木米、仁阿弥道八などが京焼に新風を吹き込み華麗な陶磁器の世界が開かれた。


そして幹山伝七は、瀬戸の陶工の家に生まれ、湖東焼を経て幕末に京都へ移り、


西洋顔料を取り入れて京都で最も早く磁器専門の工場を構えた人だそうだ。


当時海外の博覧会でも高い評価を得ていて、近年はとくにこの明治期の工芸品が脚光を浴びている。


優しい佇まいの四季の花々が絵付けされた和食器は、とても雅で華麗というよりはまさに佳麗であった。




日本絵画の魅惑

2014年06月08日 | アート♪



最終日の今日、出光美術館の「日本絵画の魅惑」後期を拝見した。


お目当ては8年ぶり公開の能阿弥筆「四季花鳥図屏風」であったが、


うっかり前期後期の内容をチェックしていなかった自分に呆れたが後の祭り。


第1章 絵巻-アニメ映画の源流


第2章 仏画-畏れと救いのかたち


第3章 室町時代水墨画-禅の精神の表現が芸術へ


第4章 室町時代やまと絵屏風-美麗なる屏風の世界


第5章 近世初期風俗画-日常に潜む人生の機微を描く


第6章 寛文美人図と初期浮世絵-洗練されゆく人間美


第7章 黄金期の浮世絵-妖艶な人間美


第8章 文人画-自娯という独特の美しさ


第9章 琳派-色とかたちの極致


第10章 狩野派と長谷川等伯-正統な美vs斬新な美


第11章 仙の画-未完了の表現






頭でっかちの人物たちが面白かった北野天神縁起絵巻


岳翁蔵丘の「武陵桃源・李白観瀑図」・相阿弥「山水図」などが好き。


今年から後の祭りが復活した京都の祇園祭


その「祇園祭礼図屏風」も先の祭りと後の祭りを描いていている。


後の祭りに描かれている山?傘?鳳輦?など当時のものがよく判別できなかったが面白かった。


見立伊勢物語・河内越図が素敵!


美人図では北斎の「月下歩行美人図」が一番好き!


田能村竹田「梅花書屋図」・谷文晁「青山園荘図稿」や「戸山山園荘図稿」などがいい。


鈴木其一の「桜・楓図屏風」がこじんまりとした屏風ですごく素敵だった。


等伯の「波濤図屏風」も面白いが、


今回一番心に残ったのは狩野長信の「桜・桃・海棠図屏風」・伝松栄の「花鳥図屏風」


どちらも穏やかであるがきりっとした存在感を放っていた。


「よしあしの中を流れて清水哉」とあった仙の「蘆画賛」が深い!



工芸も面白かったが、古伊万里の「色絵山水文猪口 十客」が可愛らしくて素敵だった!





こども展  名画にみるこどもと画家の絆

2014年05月29日 | アート♪



序章:


第1章:家族


第2章:模範的な子どもたち


第3章:印象派


第4章:ポスト印象派とナビ派


第5章:フォーヴィスムとキュビスム


第6章:20世紀のレアリスト


モネもルノアールもセザンヌの子どもたちも可愛かったが、


私はやはりドニの描いた子どもたちが好きだ。


「海辺の更衣室」「サクランボを持つノエルの肖像」「ボクシング」


「トランペットを吹くアコ」「リザール号に乗ったドミニク」


楽しそうな子どもたちの笑顔にこちらまで幸せな気分になる。


ポスターにもなっているルソーの「人形を抱く子ども」は独特の存在感を放ち


ピカソの子どもたちのための作品群も愛情あふれるものであった。


ダヴィード・エンダディアンの「ヤシャール=アザールの肖像」も心に残った。