露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

「丘の上のつるばらや」営業日変更のお知らせ

2017-09-16 10:45:42 | 新着お知らせ!
「丘の上のつるばらや」は9月より営業日を土日・祭日のみの営業とさせて頂いています。

少人数で運営していることと、お待たせしている造園工事を優先させるため平日は全員で工事と剪定に出ています。

平日にご来店を予定して下さっていた方々には大変申し訳ございませんがどうかご了承くださいませ。



尚、土日・祝日の営業時間につきましては通常通り 9:00~17:00までとさせて頂きます。

露花、つるばらや共に電話は共通で転送電話に繋がりますので、お急ぎの方やお問い合わせの方はこちらまでどうぞ。

庭.Life 露花 / 丘の上のつるばらや   084-988-0833



宜しくお願い致します

台風18号に伴う臨時休業のお知らせ

2017-09-16 10:27:15 | 新着お知らせ!
台風18号の接近に伴い9月17日(日)は臨時休業とさせて頂きます。

大雨が予想されますので早めの対策をしてくださいね。

どの地域にも大きな台被害がでないことを祈ります





第50回 福山ばら祭2017 に出店します!

2017-05-19 13:40:13 | イベント情報
いよいよ明日から福山ばら祭2017が開催されます

丘の上のつるばらやは今年も出店致します
場所は去年と同じでばら公園のステージの周りです。

ばら祭会場には親方とスタッフKさんがスタンバイ♪
つるばらやには私、夏目がおりますのでみなさん是非どちらにも足をお運びくださいね



「デスデモーナ」想像よりかなり可愛い香りも素晴らしいです!


「ジュード・ジ・オブスキュア」コロンとしたアプリコットベージュの花はずっと眺めていたい~

デビッド・オースチンの花芽つき苗はばら祭に合わせて入荷しました!
この人にお願いしたい‼️という生産者の方に半年かけて作って頂いた素晴らしい株です。




私が抱えてるのは「グラハム・トーマス」と「レディ・オブ・シャーロット」半年でH1000~H1200と丈夫に育ってます。
イングリッシュローズをお探しの方はお早めに









お天気に恵まれそうで嬉しいです~

暑いので熱中症対策してからお越しくださいね

お会いできるのを楽しみにしています


お庭のリフォーム「アコヤのデッキパーゴラの庭」

2017-02-17 02:05:30 | お庭の施工例
お久しぶりです!
最近一眼レフを購入して写真の整理やアップが楽になり、がぜんやる気になってSNSに投稿している夏目です。
SNSには一瞬で送信できるようになったのですが、ブログの写真はアナログ作業で変換等あって、ついつい後回しに・・
こんなことでは施主様に申し訳ないと思うのですが、庭は完成した時がスタートですので、時間を追って植物が成長した姿をご紹介したいと思っています。
一昨年~昨年完成したお庭の施工例を少しずつご紹介していきたいと思います。

昨年の施工では、全体の7割の方が庭のリフォームのご依頼でした。
年数が経つにつれ生活スタイルも変化したり、実際に住んでいくうちにお悩みが出てリフォームを検討される方が多いです。

お庭のリフォームのご依頼でお悩みの例をあげると、

「駐車スペースを増やしたい」

「隣家との目隠しをしたい」

「植物が好きなのでもっと緑に包まれたい」

「デッキスペースで家族が寛ぐ場所を作りたいがメンテナンスが心配」

「草取り等の手入れを軽減したい」

「つるバラを綺麗に咲かせたい」

・・というような内容が多いです。




今回はそれらのご要望を全て叶えたリフォームのお庭「アコヤのデッキパーゴラの庭」をご紹介します。
デッキパーゴラとは、デッキにパーゴラが引っ付いた形状のものです。
柱を共有しているので単独で別々に作るよりも強度があって、柱や基礎工事などのコストも削減できます。

アコヤとはアセチル化加工された、地上で50年以上腐らない天然木材です。
デッキを作ってもすぐに腐ってしまったり、塗装のメンテナンスが大変だという理由でデッキを諦める方も多いですが、
アコヤは外部で雨ざらしの場所であっても植物と合わせて自然を演出したり、繊細な加工を可能にします。

年月を追うごとに美しくなっていくものは価値がありますよね。

人工木材や樹脂材には真似できない本物の風化した美しさと、腐らない安心感を兼ね備えているので、環境保護や自然を愛する方におすすめです。



そして何より、デッキは庭と家を繋ぐスペースです。
自然や植物を愛する方が楽しめるデッキを作ろうと思ったら、構造物を利用した植栽の空間設計が重要です。

デッキだけポーンと独立していても周りに緑がなければ落ち着かないですよね。
ただ面が広いだけでは空間は生まれません。

デッキをいろいろに活用するためには、そこにいて落ち着くような空間や風景になるような構造物や植栽が必要です。

住宅地で隣との境界に大きな樹を植えて目隠しにすることは難しいですが、構造物次第でつる植物を使ってやわらかく目隠しをすることは可能です。




施工前
2015年6月

敷地の左半分が駐車スペースで右半分は花壇スペースでした。


美しく手入れされた季節の草花やバラのコンテナが並ぶ。

今回はカーポートの増設に伴って花壇部分を解体し、駐車場スペースを拡大します。

2015年11月解体スタート!



既存のカーポートは撤去し、4台用を新設します。


カーポート設置後、インターロッキング貼り



カーポートの柱から境界のブロックまでの隙間もアンティーク赤レンガを積んで植栽スペースが完成。

デッキの基礎にコンクリート打設工事。

1月デッキ工事スタート!




リビングの掃出しから出やすいよう段差をなくします。

アプローチの石張りも始まりました。



アコヤのパーゴラデッキ完成!

通りからの視線を隠すため板塀で囲まれた空間になりました。
風通しと室内からもバラを楽しめるよう、上部は透かします。

板材のみ高温乾燥のサーモウッドを使用。
柱と大引き、桟、天板などは全てアコヤを使用しています。




玄関ポーチに直接降りられるようアコヤの階段を設置。




ただいま~おかえり~帰ってきてすぐにデッキに上がって遊ぶYくんとAちゃん

きゃわわ~ん


西側には目隠しも兼ねた板塀を設置。以前は両サイドが生け垣でした。
こちらは強度をそれ程必要としないので、柱はウエスタンレッドシダーを使用しています。
レッドシダーの場合は天板に板金をします。


正面から見ると奥が見えない構成。

お隣との生活スペースを区切る板塀にパーゴラを合わせた設計。
柱を共有しているので強度も出てコストも下がります。


2月塗装工事スタート!

リビングが暗くならないようにということと、パーゴラと板塀にはつるバラを這わせるので、バラが引き立つ明るい色に。
真っ白だと汚れが目立つため、アンティーク仕上げをお勧めしました。


初めにダークブラウンを塗り、二回目はホワイトを塗り重ねます。


アコヤのデッキ床部分は無塗装です。
素足で踏んでも気持ちよく、掃除で塗装が剥げる心配もないですね。
風化してくると周りの板塀と同じような色合いになると思います。


塗料が乾いたらサンドペーパーで擦り仕上げ。

無茶苦茶に汚すのではなく、使い込まれた板のように丁寧に木目を出します。
この作業・・腱鞘炎になるというか筋肉痛というか、とにかく腕力と根気が要ります


作業風景「板塀のアンティーク塗装仕上げの動画」はこちらからどうぞ



擦り仕上げ中。使い込んだような風合いでオーラが出てきました。植物を合わせると自然な印象に。





みんなで座れるベンチを設置。




アンティーク煉瓦の園路工事も同時スタート。
勾配を取って水を逃がします。

園路工事完成。




ガーデナーにとって大切な水周りは使い勝手が悪いと作業がおっくうになりがち

お洒落なアンティーク調二口水栓柱を設置しました

水受けはスペースに合わせて縁石を据え付け、洗い出し仕上げに。




照明器具はガラスの笠で光を360度にほんのり反射させるものを選びました。
足元を照らすだけでなく、デッキ使用時の照明としても。
つるバラを柔らかく照らしてほしいですね




シンボルツリーに迎えられたのは落葉樹の「アオダモ」
家族やお客様をやさしく迎えてくれますね。

庭はバラだけでなく植木も重要、夏のクリスマスローズの日よけとしても期待できます。



写真がないのが残念ですが、この後ご家族全員で土壌改良!
みなさん頑張りました


土壌改良後、施主さまと一緒にばらとクリスマスローズの植え付け。

Mちゃん寒い中頑張ったね
K子さん、重たい残土を大量に袋に詰めました。
そして沢山あった思い入れのある苗や鉢を勇気を出して整理しました。
駐車場が増えて今までよりもお庭は狭くなったけど、ばらを咲かせるために頑張りましたね



可愛いクリスマスローズが咲き始めた時期でした


素晴らしいコレクションの数々!



完成から3カ月後
5月の開花!

わぁ~~
配達が夜になってしまいましたが、圧倒されるぐらい咲いていました!




愛情たっぷりに咲いた花「クイーンオブスウェーデン」


そして完成から8カ月後
2016年10月

花が終わったばかりの時にお邪魔しましたが、葉っぱもツヤツヤで伸び伸び!秋もたくさん咲いたに違いありません。






デッキの手すりにも香りのよい「ナエマ」がコロンと咲いていました


元気に成長しています!!







さあ!今年の春はどんな風景が生まれるでしょう!

K子さん、遅くなりましたが、やっと記事をアップできました!
きっと今頃は寒い中肥料と誘引、剪定など頑張っておられると思います。
風邪ひかないように休み休みしてくださいね

応援していますよ


5月のつるばらに包まれたデッキでお茶を頂くのを楽しみにしています!




「ミーシャの庭」つるバラの誘引作業。

2017-02-04 20:59:24 | 庭仕事
今日は朝からミーシャさんのお庭のバラの剪定と誘引、施肥に伺いました。


昨年完成したアコヤのパーゴラ。

「マダム・アルフレッド・キャリエール」


こちらは「ピエール・ドゥ・ロンサール」

古い株ですが、大切な想い出のバラ。シュート更新しています。



「シャンテ・ロゼ・ミサト」暑い地域でも本当に良く咲く丈夫なバラ。
枝がびよーんと直立しますが、低いフェンスにゆるく誘引すると花が次々と咲いて楽しめます。


ミサトの誘引中、フェンスの上に動物の足跡発見!


こっちにも・・。指先が長い。鳥か、小動物か・・?


足跡図鑑で調べてみるとなんだろな、アライグマが近いのかな。

そういえばアライグマが近くのブドウ園に出るらしい。

ミーシャさんの庭も最近夜中にちょこちょこ何かに触られた跡があるのでアライグマかもしれません




親方はアライグマに肥料を取られないよう、穴空け器で穴堀り。


便利な穴掘り器。植木の施肥にも使います。

1株に数ヶ所穴を空け、名馬の堆肥と元肥を入れて土を被せます。



ミーシャさんはバラの植え替え作業
娘のMさんがタブレットを見ながら植え替えをチェック。

私(夏目)が植え替えしているところををMさんが動画撮影して下さり、その動画の手順に合わせてミーシャさんが実践!

今日は施肥途中でお店に帰り、ご迷惑をおかけしました

残りの施肥にお伺いしますね


2016年完成時の様子。

5月が楽しみです

小鳥の巣

2017-01-26 20:45:12 | 庭仕事
松の剪定中に見つけた小鳥の巣。


手のひらサイズでコロンと可愛い。

ヤシの繊維のようなもので中まで丁寧に作られ、一番外側には枯れ葉が留め付けてありました。

とても芸術的な仕上がり

「座り心地よさそー」とか、「職人気質だねぇ」とか、一人で妄想・・

無事に巣立ったに違いない。

サイズがわかりにくいので私の鋏と並べてみました。


仕事がら木に登るので、小鳥の巣によく出会います。

性格の違いか鳥種の違いか、巣も様々ですが、小さくても丁寧な巣を見つけた時はテンション上がるなー


今日は松の剪定でした。

沼隈は晴天!剪定日和。  なかなかお伺いできずご迷惑をおかけしました

元々らせん状に仕立てられた優雅な松です。


こちらは門掛け松。
枝が茂り過ぎて内枝に光が入らず、松にとっては過酷な状態でしたが、

小鳥と蝉にとっては絶好の隠れ場所になっていたようです。

こちらはあと一日続きます。

剪定でお待たせしているみなさま、ご迷惑をおかけしていますが順番にお伺いしますのでもうしばらくお待ちくださいませ





「アコヤの空中ゲートの庭」完成のご報告

2017-01-17 00:57:12 | お庭の施工例
車も入れる空中ゲートをアコヤ材とアイアンで作る!

大胆で世界に一つのパーゴラの庭の工事が完成しました.





アコヤは地上で50年腐らない高耐久天然木材です。

年数を追うごとに表面が風化して味わいの出る木材は美しいです。
ところが湿度の高い日本の雨ざらしの外部では木は数年で腐ってしまうのがネックでした。
せっかくパーゴラや板塀、デッキ等作っても数年で腐ってしまうのでは、木材を使わない方が良いという考えにたどり着いてしまいます。

そんな今までの常識を覆すアコヤは、木材の良さを発揮しつつ、外部で植物と合わせても強度が保てるというガーデナーにとって待ちわびた材料です。


「普段車を停めるわけではないけど、来客時や将来子供たちが成長したときには駐車場として使いたい」

そんな空間は是非庭にしましょう。

「駐車場」として考えると限られたことしかできませんが、植物の選定と植える位置を確保できれば、駐車スペースを兼ね備えた庭になります。

普段毎日使う駐車場の上につる植物が植えてあると、車が汚れてしまうのであまりおすすめできませんが、使用頻度の低い駐車場であれば庭として考えることが出来ます。

リビングに面していたり、南向きのスペースの場合、コンクリートを全面に打つと、照り返しで灼熱地獄になってしまいますが、上からも下からも緑に包まれるようデザインされた空間は、気温の上昇をやわらげ、植物の力で癒されます。


デザインの段階から思いが入り、連日図面や材料の拾い出しにかかりました。



こちら一帯はみなさんとても仲の良いご近所さん同士で、大げさな境界を作る必要はありませんが、リビングの正面にお隣のお風呂場の窓があるため、お互いに気を遣われる場面もあるかと思います。

そんな生活スペースの目隠しも兼ねたパーゴラと板塀・・さりげなく目隠ししつつ、奥のテラスにつながる導線の取り方次第で遠近感が生まれる方法を考えました。

3Dでぐるぐるシュミレーションして、回しながらどういう角度で取ったら奥行き感が出るかを試します。

そして日当たり、室内から見える風景、構造物との相性など踏まえ、どんな植物が育つと良いか想像して幸せな空想の世界へ・・。

二年後、三年後、十年後・・植物の生長と子供たちの成長を想像する時間が一番楽しい




工事スタート!
犬走のコンクリート打設工事。
家周りは水勾配を取って清潔に保ちます。



大工工事スタート!


日が落ちてちょっと暗い中の撮影になりました。






大工さんの職人技!


大工工事完成後、塗装工事。

塗装は下地にブラウン、上にホワイトを重ね、サンドペーパーでこすって木目を出します。

擦り仕上げは時間と根気との闘いです。

毎回腱鞘炎になりそうなこの作業、なんと、今回はご主人がご自分で擦り仕上げ!しかもプロ並み!

塗装後、オーダーメイドのアイアンのパネルをゲート部分と両サイドの目隠し部分に取り付け。
風通しとバラが咲いた時の部屋の中からの景色、誘引のしやすさ等考慮してデザイン。


リビングの掃き出し前にはみんなで座れるベンチを設置。
ここから子供たちが自由に出入りできるようになりました。



向かい側にも小さなベンチ。子供が多い地域なのでみんなで遊べるように。
お隣の窓も植物でやさしく目隠し




駐車場として車が入るときのため、わだち部分のみ御影石を据え付け。
ドアを開けて降りるときの踏み石も重要です。


耕運機で土壌改良



暑さに強いヒメイワダレソウ

芽が詰まっている生産者のもの。良い作りです。





初めてお会いしたときから、不思議な親しい感覚に包まれたHさまご家族。

どこかでお会いしたことがあるような・・・というか、もう長いことお付き合いしているような親近感(勝手に)

大切な方を通じてのご縁があったからですねご縁に感謝します!


そして何種類かバラをセレクトした中から奥さまがメインに選ばれたつるバラは「春霞」はるがすみ。



早咲きで透明感のあるひらひらと波打つ花弁がやさしい雰囲気のバラ。

一見バラには見えないかもしれないぐらい、自然な雰囲気のつるバラです。




6月の様子。
数年後にはきっと、絵のような風景が生まれますよ。


そして個人的におすすめした「アルバ・メイディランド」





やっぱり白バラは可愛い・・



毎年つるバラが花を咲かせ、夏には成長して日陰を作り、子供たちの成長とともに庭の風景が記憶に刻まれていく・・
そんな楽しいお庭になりますように


Hさま、先日はお久しぶりにお会いできて嬉しかったです

Nちゃん、ツチノコ見つかった?



なかなかお庭の記事をアップできず申し訳ありませんでした。

来月、バラの施肥に伺いますね  

その時も子供たちに会えます様に・・

二人の対照的な話を聞きながら、ちょっとずつ成長していく姿が頼もしく・・
でもやっぱり変わらない個性に「そうこなくっちゃ!」という安心感を覚えるのでした。

これからも子供たちと庭の成長を見守っていきますよ

年月をかけて、お力になりたいと思います。


いつもありがとうございます!











バラ苗SALEのお知らせ

2017-01-14 07:16:48 | 新着お知らせ!
本日1月14(土)~31(火)までバラ苗の10%OFFセールを開催します!

今朝のつるばらや

雪も心配なく、太陽が出ました

バラ苗をご予約下さっている方々には大変お待たせいたしました!
オースチン以外の苗は全て揃いましたので、根と株の状態の良いものからお取り置きにさせて頂いています。

当店では裸苗を活性液に数日~数週間(苗の状態により変わる)浸したものに菌根菌を付けて7号鉢に植え付けしています。


土は国産腐葉土、赤玉土、炭、ピートモス等をオリジナルブレンドしたものに、JR栗東のトレーニングセンターの名馬の藁糞で作られた完熟堆肥やバイオゴールド元肥を使用しています。


年間を通じて無農薬、減農薬で管理して販売していますが、瀬戸内地域では真夏の高温乾燥によるハダニが発生しやすいため、予防のために1月に石灰硫黄合剤を散布しています。
ダニは環境や薬に対して順応、変異が早く、殺ダニ剤は年々毒性が強いものに変わってきています。

一般家庭で夏に薬剤をなるべく使用しないためにも今の時期に石灰硫黄合剤は必要と考えています。

石灰硫黄合剤散布後の苗



2月からは毎月芽出し肥、天然活性液の散布が始まるので、1月中のセール期間のみお買い得です。
是非この機会にお買い求めくださいね。


駐車場と庭のリノベーション工事「つるアイスバーグの庭」

2017-01-09 02:29:04 | お庭の施工例

昨年春に完成した駐車場と庭のリノベーション工事のご報告です。


こちらは当初枕木などを使って、ご自分でお庭を作られていましたが、経年で劣化したことと駐輪場を新たに設置するため、ご依頼を頂きました。

お庭のご依頼やご相談で「狭いから庭を作れない」「植物を端っこにしか植えられない」というお悩みをお聞きしますが、本当は狭いところこそ構成次第でお洒落になります。

Tさま、ご依頼から何カ月もお待たせしてすみませんでした


施工前



家の敷地と接する道路は緩い坂道となっていて、敷地の左右で20センチ以上の勾配があります。
そのままべったりとバリアフリーにした場合、左右で見た目が傾いて見えるので違和感を感じます。

また、大雨の時には敷地の右から左へダラダラとうわ水が流れ、経年で土が削れてきます。
写真でも左の敷地から道路に土が流れ出ているのが見えます。

この勾配の問題を逆手に取ってアプローチに段差を作り、立体的で歩きやすい通路に仕上げていきます。

両サイドに駐車場を作る場合は全てをバリアフリーにせず、歩きやすい段差を上手に取り入れて水勾配を作ります。










2月解体、鋤取り工事スタート!


 鋤取り後、サイクルポート設置。

 型枠とコンクリート打設。


3月 駐車場の石貼り。



道路に勾配があるため、複雑な合わせになりましたが、綺麗な勾配が取れました。






3月 錆ごろた石のアプローチ。




踏み石で段差を取って奥行き感を出したことで、立体的なアプローチになりました。
道路勾配との違和感も解消できます。





アプローチ工事完成!



このあと飛び石工事と土壌改良、植栽も終了。





3月完成時





早春にはジューンベリーが満開。



ご実家から移植のギボウシも芽吹いてきました。




こちらのお宅に初めてお伺いした際、玄関ドアがとても素敵で印象的でした。
ドアの雰囲気とお家のデザインに合わせて玄関ポーチ前につるバラを一本植えることをお勧めしました。


今回10種類ほどセレクトした中から選ばれたバラは「つるアイスバーグ」


つるアイスバーグはステムが長いので、花の重みで枝が優雅にたわみます。

葉も光沢があるので病気に強く美しいです。つるバラは花以外の葉や樹形がとても重要ですが、つるアイスバーグは花がない時期でも美しいので景色になります。

他のバラにはない優雅さと華やかさを持つ大好きな白いバラ、お家の雰囲気にピッタリの上品な品種を選ばれました




数年後には通る人が思わず立ち止まるような景色が生まれると思います。



つるバラはボロ隠しのように考えず、樹形も考慮して品種を厳選しましょう。

雑誌の中のヨーロッパの建物ではなく、今ある家や外構との相性やバランスが大事ですよ。

バラで家を覆うのではなくて、つるアイスバーグが家の美しさを引き立てるのです。

家は本来美しいものですから、傷めつけてはもったいないというか、申しわけないという思いです。




ちなみにつるバラを植える際は、家の外壁から少し距離を取って植え付けます。

高温多湿の瀬戸内地域の環境で木造建築の場合、べったり壁面に植物を植えると壁は苔や藻で汚れ、家の基礎に水気が集まります。
他にもシロアリが来るなどして将来的には家を傷めます。

ヨーロッパで見られるような石造り、レンガ造りの家なら大丈夫かもしれませんが、夏暑く虫が大発生する日本(瀬戸内地域)においては、家の周りは清潔に保ち、軒内は犬走を打つなどして通路を確保しましょう。





7月中旬

玄関前と足元ををさり気なく隠す植栽。

どちらの駐車場からもスムーズに玄関に入れる導線。



ポーチから見た通路。


緑に包まれるあられこぼしと飛び石のステップ。




真ん中の植栽スペースの地盤を少し高くすることで、駐輪場側の水は道路に向かってすばやく自然排水できる。


コバノズイナ、ハギ、シモツケ、アジサイ等、集団で暑さから守り合うように植栽。
真夏に暑い場所は暑さに強い植物でカバーし、陰になるところには奥さまの好みに合わせて山野草など茶花も入りました。




駐車スペースしか取れないと思われる場合でも構成次第で緑溢れる庭が作れます。




Tさま、遅くなりましたがようやくアップできました

来月はつるアイスバーグに寒肥をあげましょうね

今年はどんな花姿が見れるか今からとても楽しみです


これからも一緒に植物の成長を見守っていきますね。

ありがとうございました!!











謹賀新年 2017

2017-01-06 02:14:42 | 日記
新年が皆様にとって幸せな年になりますように!

昨年はお店(丘の上のつるばらや)や庭工事を通じて沢山のご縁がありました。

お店にご来店下さったり、ホームページを見て庭工事をご依頼頂いた方々、ご縁があったみなさまに感謝します。

以前はブログだけでしたが、最近はFacebookやインスタグラム等のSNSを通じて、沢山の方々と同時に交流できるようになりました。

SNSでも「いいね」等、応援して頂きありがとうございます!

応援してくださる方々のお名前をお一人ずつ拝見しながらページを管理していますので、お知り合いの方はもちろん、お会いしたことない方や遠方の方もお名前を記憶しています。お店に来てくださったときにはどうぞお声をかけてくださいね。

いつも温かい応援、ありがとうございます!


思えば昔はブログで一つの記事を書くのに10時間以上費やしていました。

日中は現場なので、夜中にほぼ徹夜で書き上げ、朝から仕事にいく日々を繰り返していました。

それに比べてFBやインスタはなんと楽になったことか・・!

ただ、お庭の施工例や庭に対する考え方などはブログで詳しく書き残しておきたいという思いは変わっていません。

思いはあれど、昨年は自宅のパソコンが何度か故障し、書いた文章が片っ端から消えるという状況に撃沈・・

お陰さまで日中忙しかったため、夜中はあっさり諦めて眠りに落ちる毎日でした

パソコンはその後何度か修理に出したのですが、故障続きでほぼ使えない状態だったため、昨年一年間のお庭の施工例や考え方などを書き残すことが出来ず申し訳ありませんでした


特に昨秋はスタートから三年かかって親方の思いの丈を込めた庭が完成しました。




施主様には大変ご迷惑をおかけしましたが、親方のこだわりをご理解下さり、いつも温かく迎えて下さってありがとうございました!

三年間の思いが沢山あり、こだわりを一言ではお伝えできないので、徐々にアップしていきたいと思います。

日本庭園以外にも私達の価値観に共感してくださる施主様と出逢うことができ、思いの詰まった庭が沢山生まれました。

こちらも一件ずつ丁寧に書き残して、みなさんにお伝えしていきたいと思います。



新年ということで、改めてバラと庭についての思いを書かせて頂きますね。

バラの庭というとイングリッシュガーデンやフランス式庭園を想像される方も多いと思います。

庭師の中にはバラと聞いただけで派手でうんざりする・・という方もおられますが、

様式やスタイルに対するイメージだけでバラと庭を結びつけて考えるのは少し残念です。


私達はご要望に応じて様々な庭を作りますが、どんな庭であっても日本庭園の決まりごとや排水等を最優先事項として庭を構成し植栽を考えます。

日本庭園には繊細な気遣いや視覚錯覚を利用した遠近感、日本の環境や生活で生まれた知恵と技術、美的センス等が詰まっていて、決まり事が沢山あります。

たとえ洋風の庭であってもバラの庭であってもその決まり事を必ず解決したうえで庭の構成を考えます。




庭のリフォームを検討する場合でも、家や外構全体を無視した構成になるようでは将来的に必ず問題点が出てきます。

とりあえず一部分だけ中途半端に仕上がるくらいなら、急いでやらない方が良いかもしれません。

その土地や環境で生活していくための理由や理想があって、その理に適うことが重要です。

そこに景の美が加わることも重要です。

そんな庭が時間をかけて残っていくもの、価値あるものになると考えています。





そんな考えからも、つるバラを庭の一部に取り入れるご提案をしています。

「庭」は、植物が主体となって構成されたものであれば、その土地の気候風土に大きく左右されます。

この辺りの瀬戸内地域であれば、真砂土や赤ネバ、白ネバの土質が多く、ほとんどの場合で土壌改良が必要です。

土壌改良をすることで、多くの植物が育ちやすい環境を作ることが出来ますが、中でもつるバラは病気に強く成長が旺盛なものが多く育てやすい。

限られたスペースの中でも剪定や誘引で日当たりを確保したり、成長スペースを決めて管理することも出来ます。



お隣と隣接した狭い庭の中でも、柔らかい目隠しとして生活スペースを穏やかに囲んでくれたり、日本の高温多湿の環境でも一本のつるバラが日陰を作ったりする光景は自然でとても癒されます。

その場合、庭を構成する植木や構造物の配置、耐久性も重要です。

バラにとって、日当たりは命ですが、瀬戸内地域では真夏の西日を避ける構成や風の通りを考慮した植栽や構造物が必要です。

ですから、個人の庭に広大なバラ園のようにバラばかりを植えることはお勧めしません。

誘引を頑張りすぎてもイバラ屋敷になりかねませんし、さりげない自然感がなくなってしまったら残念です。

びっちびちに誘引して、野菜を収穫するように出来るだけ花をたくさん咲かせましょうとも考えていません。

柔らかい枝のオールドローズなら、花数よりもあたかも自然に咲いたかのような美しい樹形の方が大事です。

「自然の理に適うように植物が配置されているかか」「庭に美しい景色が生まれているか」いうことを大切にしていますが、
バラは元々いろいろな楽しみ方がある植物なので、どれが正解でどれが間違いと決めることはできません。



ただ、つるバラは圧倒されるような風景を作り出す一方、一輪一輪はやさしく、繊細でさり気ない自然のままの植物だと感じています。

そんな感じ方や庭の魅力を日本の庭師目線でお伝えしていきたいと考えています。


最近ではヨーロッパの公園等でも多くの農薬が禁止される時代になりました。

日本でも無農薬もしくは減農薬で管理し、時代が変わってもバラが次の世代に受け入れられ続けるよう尽力していきたいと思います。


長々とお付き合いくださってありがとうございました

今年も庭や植物を通じて良いご縁がありますように!