二銭銅貨

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トスカ/ボローニャ市立劇場2024

2024-08-26 | オペラ
トスカ/ボローニャ市立劇場2024

作曲:プッチーニ
指揮:Oksana Lyniv
演出:Giovanni Scandella
美術:Manuela Gasperoni
衣裳:Stefania Scaraggi
演奏:Teatro Comunale di Bologna
合唱:Teatro Comunale di Bologna
出演:
トスカ:Carmen Giannattasio
カバラドッシ:Roberto Aronica
スカルピア:Gabriele Viviani

トスカは声量があって安定している。落ち着いた声。カバラドッシは高音がしっかり出る迫力のあるテノール。スカルピアは響きのある美しい声でどっしりとした迫力があった。陰湿さが内にこもった傲慢な感じの芝居。ふたつのアリアはそれぞれ力の入ったリサイタル風の歌いかたで大拍手だった。トスカがスカルピアを刺し殺す場面には怨念がこもっていた。

二人の逃避行の目的地はチビタベッキアで、そこから船で逃げるつもりだったらしい。チビタベッキアはローマから西の海岸側に出て北上した所にある港町。トスカ最期のセリフは oh! scalpia, avanti a dio.やっぱ、かわいそうなオペラだ。

全体的にあまり凝ってない簡単なセットで標準的な感じ。スカルピアの部屋の絵はフィレンツェのバラティーナ美術館にあるティツィアーノの悔悛するマグダラのマリアか、あるいはそんな感じの絵。

演奏は優雅な所、大迫力な所、粘りのある所など多彩で、良く揃って美しい演奏。歌手には大音量に負けない声量があった。

24.04.27 ボローニャ市立劇場(新劇場)/ボローニャ
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チェネレントラ/ヴェルディ劇場2024

2024-08-26 | オペラ
チェネレントラ/ヴェルディ劇場2024

作曲:ロッシーニ
指揮:Enrico Calesso
演出:Paolo Gavazzeni, Piero Maranghi
美術・衣裳:Luca Dell'Alpi
衣裳:Nicoletta Ceccolini
演奏:Teatro Lirico Giuseppe Verdi di Trieste
合唱:Teatro Lirico Giuseppe Verdi di Trieste
出演:
アンジェリーナ:Laura Verrecchia
ドン・ラミーロ:Dave Monaco
ドン・マニフィコ:Carlo Lepore
ダンディー二:Giorgio Caoduro
アリドーロ:Matteo D' Apolito
ティーズべ:Carlotta Vichi
クロリンダ:Federica Sardella

アンジェリーナは低い声が安定して強い声。装飾的。アジリタも良い。ラミーロは高音が良く出てアジリタも上手い。マニフィコは堂々とした声でアジリタも早口も安定している。歌も芝居も手慣れた感じ。ダンディーニは声量があってキレの良い声。明確で強いアジリタ。堂々と歌った。アリドーロは深い声量でアジリタも上手い。ティーズベとクロリンダはコミカルな芝居で所狭しと常に動き回って、芝居全体を引っ張っていた。

演出は機械仕掛けの人形たちによる舞台だったらしい。特に合唱団は機械人形振りをやっていた。歌に合わせた演出、振り付けで楽しかった。合唱団の衣裳はおもちゃの兵隊さん達のような感じ。美術は絵本の様なデザイン。チェネレントラ達の部屋、緑の高い垣根のある庭、大階段のある宮殿。舞台の両サイドにはバルコニーから舞台を覗く観客が漫画的に描かれている。

明るく楽しいコミカルな舞台と演出。ウキウキ。それにしても歌手たちは揃いも揃って上手なロッシーニ歌い。

演奏は歌手とのアンサブルが良く、合唱には迫力があった。

4月27日と5月4日は脇園彩が出演予定となっていた。古い情報では、アンジェリーナはLaura Verrecchiaが1人だけキャストされていたので、脇園は最近キャストされたようだ。

24.04.26 ヴェルディ劇場/トリエステ
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メフィストフェレ/フェニーチェ劇場2024

2024-08-26 | オペラ
作曲:アッリーゴ・ボーイト
指揮:Nicola Luisotti
演出:Moshe Leiser, Patrice Caurier
美術:Moshe Leiser
衣裳:Agostino Cavalca
演奏:Teatro La Fenice
合唱:Teatro La Fenice
出演:
メフィストフェレ:Alex Esposito
ファウスト:Piero Pretti
マルゲリータ:Maria Agresta
マルタ/パンタリス:Kamelia Kader
エレナ:Maria Teresa Leva
ヴァグネル:Nereo Enrico Casari

時代設定は現代らしく、むき出しの舞台そのままが使われたりする。四幕目では合唱団がオペラ劇場の椅子に座ってこちらを見ている。エピローグでは、赤いトレーナー姿のメフィストフェレが銃を取り出して、思うように演奏してくれない指揮者に向かって発砲して演奏が終る。

メフィストフェレは迫力のある安定したバリトンで芝居に気迫があった。ファウストは声量のある真面目な感じのテノール。マルゲリータは強力なソプラノで苦悩の芝居に迫力があった。エレナは強い声で高音がよく出ていた。マルタは低い声が安定しているメゾ。

演奏はコンパクトに揃って美しく、メリハリと迫力があった。気持ちの良い音がフェニーチェ劇場全体に響いていた。合唱は大人数だったがこちらも良く揃って美しかった。

わりと大がかりで大胆、舞台で爆発があったりして暴れまくる感じの演出。楽しい、わくわくする感じ。

開始時刻を間違えて1時間近く遅れてしまい、前半が終った後の休憩時間までは天井近くでの鑑賞となった。最前列ではないので舞台は見えない。天井画と字幕だけが良く見える。少々がっかりだが音は良く聞こえる。ま、とりあえず音だけでも聞いていれば良いかと思って聞いていると、案外オーケストラがいい音出しているではないか。ソリスト達も悪くないけど、ソリスト達の声をかいくぐって聞こえてくるオケの音が綺麗で素晴らしい。今日は天井でオケの音を楽しもう。

休憩後に1階に降りて待っていると、ニコラ・ルイゾッティにそっくりな指揮者が現れるではありませんか。そして演奏がはじまる。あれ、これってもしかして・・・。
後で壁のポスターを見て本人だと分かって納得した。今回の公演では、公演情報に書いてあるNicola Luisottiがニコラ・ルイゾッティに見えなかったり、時間を間違えたりで散々だった。でも、ニコラ・ルイゾッティを聞けたのは良かった。また聴くチャンスがあればなと思う。

24.04.23 フェニーチェ劇場/ベネチア
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マルコポーロ/マリブラン劇場2024

2024-08-26 | オペラ
マルコポーロ/マリブラン劇場2024

作曲:Marianna Acito, Jacopo Caneva, Anna Dobrucka, Paolo Notargiacomo
台本:Antonino Pio
演奏・合唱:Conservatorio Benedetto Marcello
指揮:Giovanni Mancuso
演出:Emanuele Gamba
衣裳(案):Roberto Capucci
情景:Xiao Zhengpeng, Jing Guan, Accademia di Belle Arti di Venezia

マルコポーロ(老人):Samy Timin, Zhengji Yan
マルコポーロ(青年):Wenjun Qian, Sanlin Wang
ベネチア:Iryna Shteiner, Talita Lages Cotta
皇帝:Yuan Yao
皇女:Maddalena De Biasi, Eugenia Siliberto
ナレーション:Marco Ferraro
ボーカルキャスト:
Yuqing Chen, Yukiko Shimizu, Anna Basso, Tong Xie, Wenxuan He, Linting Xie, YuanFang Xiang, Cesare Aggio

ベネチアの音楽院であるConservatorio Benedetto Marcelloの学生たちによる公演。作曲、スタッフ、キャストは学生達らしい。美術は美術学校が担当したようだ。オーケストラは小規模で多彩な音楽を披露した。曲は変化にとんでいて、現代音楽風、エレキギターを使ったもの、プッチーニ風、古典的なものなどがあった。装置はシンプルで階段とスクリーンがある程度。衣裳は古典的なものを現代風にアレンジしたものだった。舞台上の8人のボーカルキャストはかなり芝居していたが、それ以外の合唱団は芝居せずにオケピにいた。

役に対する複数のキャストはどちらか一方が当日のキャスト。

学生による試演的な公演。

24.04.21 マリブラン劇場/ベネチア
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妖精ヴィッリ/レージョ劇場2024

2024-08-26 | オペラ
妖精ヴィッリ/レージョ劇場2024

作曲:プッチーニ
指揮:Riccardo Frizza
演出:Pier Francesco Maestrini
美術:Guillermo Nova
衣裳:Luca Dell'Alpi
演奏:Teatro Regio Torino
合唱:Teatro Regio Torino
出演:
アンナ:Roberta Mantegna
ロベルト:Azer Zada
グリエルモ:Simone Piazzola

1幕目の華やかな庭園でのパーティーから2幕目では一転して森の中の暗がりが舞台となる。アンナも若い女性から一転して恐ろしい妖精ヴィッリになっている。ダンサーがヴィッリの群舞を踊る。

アンナは強い声のソプラノ、ロベルトも声量のあるテノール、グリエルモは端正な感じのバリトン。
演奏は華やかな感じで、この指揮者は2018年の二期会のノルマを指揮した人。

全体的に華やかな印象だったが短いオペラなので、ちょっとあっさりめで印象が薄かった。ダブルビルにしても良いオペラだと思った。

24.04.19 レージョ劇場/トリノ
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