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愛の妙薬/昭和音大2012

2012-10-19 | オペラ
愛の妙薬/昭和音大2012

作曲:ドニゼッティ、演出:馬場紀雄
指揮:星出豊、演奏:昭和音楽大学管弦楽団
出演:アディーナ:成田瞳、ネモリーノ:古川寛泰
   ベルコーレ:星川皓、ドゥルカマーラ:田中大揮
   ジャンネッタ:石田尚子

ピンクの頬紅を濃く、くりくりした瞳に、抜け目の無い唇、黒い髪にワインレッドの中東風の衣裳、ベルコーレ氏のアシスタント。音楽に良く乗ったマイムとポーズ、面白い表情、印象に強く残るメイクと衣裳。秀逸。

美術は村の建物と樹木、演出も衣裳もオーソドックス。楽しい喜劇を満載にして歌を楽しもうっていう趣向。演奏は力いっぱいに音を出して、声量のある歌手と良くアンサブルしていた。

成田はやや装飾的なソプラノで強くてタフな感じ。この役がそうなのかも知れないけれど長距離走で最後までスピードが落ちないで走っているような感じだった。何かめいっぱいに頑張っているような様子で、知りはしないけれど、なんとなく、昔のドニゼッティ時代のソプラノ、あるいはその時代のオペラ上演を見ているような気になった。

古川は綺麗な声で良く通るテノール。なかなかいい。星川は軍隊調のレチタティーヴォや歌のときは、くっきりした感じの綺麗な声のバリトンだった。その、はりきり頑張っている芝居とメイクが印象的で、ベルコーレ氏アシスタント役の生駒侑子と共に印象に残るコミカルな芝居だった。田中は楽々と貫禄のあるバリトンで安定していた。喜劇な芝居と歌が面白く、種々の二重奏では伴奏的な歌が多かったがそのアンサンブルが良かった。石田は安定した感じのソプラノで芝居も頑張っていた。二重唱では最初の方のアディーナとネモリーノのものが良かった。アリアでは「人知れぬ涙」とアディーナの最後の「受け取って」が良かった。

12.10.07 テアトロ・ジーリオ・ショウワ


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