二銭銅貨

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09歌舞伎座8月/お国と五平/歌舞伎

2009-09-08 | 歌舞伎・文楽
09歌舞伎座8月/お国と五平/歌舞伎

お国と五平(おくにとごへい)
出演:三津五郎、勘太郎、扇雀

3人の登場人物で1つの場。コンパクトな設定で成瀬監督の映画の脚本とはだいぶ違う。原作が谷崎潤一郎の戯曲なので、こちらが原作通りということのようだ。映画では軸足がお国にあったが、舞台では三津五郎の池田友之丞がフォーカスされていたように思う。友之丞の屈折しまくってひねくれた感じが谷崎らしい雰囲気。扇雀のお国や、勘太郎の五平の方は真面目で屈折した感じは無い。

すすきが一杯の美術は照明とコラボレートして、この物語のすさんだ感じを良く表していた。月と遠くの山に奥行き感がある。この風景は映画でも同じだったように思う。

怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
出演:勘三郎、橋之助、福助

いい役者が沢山出ていたような印象が残ったが、実は全部勘三郎。最後の円朝も勘三郎で、落語の語りの最後の部分に引き続き、歌舞伎座さよなら公演の挨拶の口上があった。今回で長く続いた納涼歌舞伎も一段落だそうです。新歌舞伎座での再会を楽しみにという趣旨の発言で幕。大きな拍手で終了した。

橋之助は色悪だけど、まじめ。正直に悪者を演じているといった感じ。

滝つぼでの本水を使った勘三郎の1人取っ組み合いが見所ですごい。その片方の蟒三次(うわばみのさんじ)はワルだ。こっちは本物の悪党だ。

09.08.14 歌舞伎座