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BS世界のドキュメンタリー 『プロパガンダ ウソを売る技術』

2019-10-30 14:17:18 | ドキュメンタリー
「プロパガンダの目的は 伝説を信じさせること」
          ジャック・エリュール

「プロパガンダは 我々の最も鋭利な武器だ」
          ヨーゼフ・ゲッベルス

「君に不条理を説く連中は、君に残虐行為を強いる」
          ボルテール

「あらゆる芸術はプロパガンダである」
          ジョージ・オーウェル


カナダとドイツの制作のドキュメンタリーです。

先ず・・・スペイン エル・カスティージョ洞窟
この洞窟で書かれた壁画は、意図的である。
つまり・・・プロパガンダであり、パブリック・アートなのだ。
シャーマンが自分の力を誇示する為に、描かれたのではないだろうか・・・

そして現代
ネット上に溢れ帰っている情報・・・・フェイクニュースなど、もう日常だ。
なぜこんなことを?金になるからだ。
よくできたプロパガンダとは、よくできた物語、だという。
敵がいて、英雄がいて・・・超自然的なシンボルも・・・・

プロパガンダを効果的に利用した最初のひとりは
アレクサンドロス大王だ。
彼は自分を神格化したので。
広大な土地を治める大王。しかし数箇所に同時に存在することはできない。
だから自分の彫像を作った。
またコインに自分の姿や顔を彫り・・・
民衆がコインを使用するたびに、自分への信頼度をアップさせる狙いがあったと。
それにコインならば、支配地の端端までも流通させられる。

そして歴史上最も効果的にプロパガンダを利用したのは、カトリック教会だと。

プロパガンダという言葉は、ラテン語から発している。
意味は、植え付ける、種をまく、という。
キリスト教では、信仰の種を植え付ける、との解釈らしい。

16世紀のはじめ、ヨーロッパでは印刷機が出回る。
印刷機は、プロパガンダ戦争の大きな武器となる。
マルティン・ルターと仲間たちは、膨大な文章を印刷した。
当時の教会が発行していた免罪符に対する批判文章。爆発的に広がった。
同時にルターは、優れた木版画を作らせる。
イラストと文章のWアタック(笑)完璧だ!

・・・・・ルターの時代だったら、木版画ってクラナッハ(クラーナハ)?
クラナッハは、ルター支持だったし・・・・はい、余計ですね(ゴメン)
いや紹介された木版画が・・・クラナッハ風だったから(あくまで自分視点)

そして今度はカトリック教会側もプロパガンダに乗り出す。
庶民と教会を近づけようと・・・宗教画が紹介されます。
絵画、彫刻、建築、音楽・・・・芸術と呼ばれるものだ。
受け取り手の知性ではなく、感情に訴えるものだ。
五感を巧みに操ろうとする考え方。

いきなりチェ・ゲバラのポスターが!
あるイラストレーターが、描いたのだ。
処刑されたゲバラ・・・存在を消そうとされたゲバラ。
それに対する怒りから、
ゲバラのポスターを、プロパガンダとして描いた。
著作権を放棄したので、世界中に広まった。
(このゲバラのポスター、また絵は、多分多くの人が見ている)


「戦時中 真実はあまりに貴い
 だから常にウソの護衛が必要だ」
          ウィンストン・チャーチル


第1位次世界大戦 国同士が戦う全面戦争(殲滅戦じゃないからね)
兵士も国民も・・・
だから各国は国民に対して、戦争を正当化する必要があった。
プロパガンダの出番だ。

“今日 ドイツの怪物が 世界に流血を 死をもたらしている”
文字の後に、イラスト動画が。
いかつい・・・ちょっと怪物化したような人間、ドイツ兵の兜を被っている。
地球儀に襲い掛かっている。
またポスターが。ドイツ軍の兜を被った類人猿が女性を誘拐しようと。

戦後まもなく戦争を正当化する映画が出てくる。
殆どは真実ではないが・・・
そのためアメリカや英国では、プロパガンダという言葉は
ウソや欺瞞を意味するようになったと。

(多分)ドイツ兵が赤ん坊がいる女性を襲おうとするが
(多分)アメリカ?英国の男性が助けにくる映画シーンが紹介される。
BGMはオペラ『さまよえるオランダ人』序曲=ワーグナー作曲だが
まだ総統は出てきていないよ~と私(笑)

その一方、イタリア、ドイツ、ソ連(ロシア)では
プロパガンダは、必ずしも否定的に受け止められていなかった。

このようにプロパガンダに関しては、
第1次世界大戦から異なった教訓を得たようだ、と。


オオオオオオオオ!出た!出た!!!!!!
ドイツのスポーツ熱狂シーン・・・・体操ね。
コレは・・・・サーカスみたい・・・ゴメン


ここで紹介された映画は『ベルリン陥落』(1949)
飛行機からスターリンが降りてきて~兵士が熱狂的に出迎えて~
スターリンが主人公ね。って役者さんだが。
市民役の方々が熱狂的に叫びます。
「スターリン万歳!」「スターリンは永遠だ!」
アラ、ナチスの強制収容所で被収容者が着用していた
縞の上下服を来た男性役者さんも、熱狂的になっていますね(細かい演出だな)
スターリン(役者さん)
「わが友すべてに平和と幸福を」

プロパガンダには、受け取り手が思考を停止させる何かがある。
つまり私たちは・・・・
プロパガンダに対して、知性を総動員させて立ち向かうことができない。
だから「なぜあんなことを信じたんだ?」と後悔する事になる。

テロップが・・・
「死の3年後 スターリンは数百万の国民を虐殺したと公式に批判された」
と。
スターリンの死を悲しむ市民の映像がバックに流れます。


スターリンへの崇拝が、一瞬で憎悪に変わった。
これは多くの事を示唆している。
私たち人間は、何かを信じ続けるために
敢て物事を知ろうとしない選択をしている、と考えられる。
プロパガンダは、その知ろうとしない姿勢につけこむのだ。

今度はスターリンの壁紙が剥がされるシーンや
スターリンの彫像が破壊されるシーンが流されます。

プロパガンダは、基本的に
その影響を受けない、と人々に思い込ませる。
プロパガンダの歴史は、先ずカトリック教会、ソ連、そしてナチス・・・

ここで昨今のプロパガンダについて語られます。
ステレオタイプ、とも呼ばれるような・・・・
例えば男性から見た「求められる(選ばれる)女性像」
ハリウッド映画での男女の役割・・・または住宅探し番組・・・

世界で最も成功しているプロパガンダは
皆がお金持ちになりたい、というリッチ礼賛主義ではないだろうか?
資本主義は、人を妬み羨む気持ちを生み出す。
世界の1%がおくるリッチな生活。
では残りの99&は恵まれていない、損をしていると思っている?
そんな風に見える社会に生きているため、不満が増大する・・・・

しかし、それは・・・・
幸せな生活の誤ったイメージが、すり込まれているからでは?


「プロパガンダに対する最大の防御は
 より強力なプロパガンダである」 
          エドワード・バーネイズ


あるストリートアーティストは、
ポスターで支配層に異議を唱える。
また他のアーティストは、数回逮捕されている、と。
彼は、自分の作品を責任を持ってプロパガンダと呼んでもかまわない。
またオバマがポスターに目を付けて、
自分の選挙戦で活用したと。
オバマの有名なポスターです。
上半身の姿を、赤白黒で表現しています。


「純粋な芸術など存在しない 芸術はすべて政治的だ」
                 毛沢東


毛沢東は、銃だけではなくペンも支配していると明確にした。
再教育収容所・・・・送られた男性アーティスト。
今は亡命し、人権擁護運動をしている。

共産主義社会では、芸術はガンのように作用する。
周囲の細胞を、尽く破壊する。

2008年の四川大地震
学校が崩壊する。涙で訴える保護者(?)の動画。
「なぜあんな校舎を建てた?
 学校は倒壊したのに、なぜ高層ビルは無事なの?」

この男性アーティストは、この地震に関するブログを開設した。
ところが・・・警察がやってきて・・・暴力を。

芸術が持つパワーの本質は、権力への抵抗である。
そして自由の追求である・・・・


「プロパガンダの神髄とは 大衆の感情と思考への理解だ」
          アドルフ・ヒトラー


あ~やっと!!お久しゅう御座います、総統!!!(バカ・笑)


ナチ党大会で演説するヒトラーの映像。

アートは、人の感情に訴えるための効果的な手段だ。
人々を熱狂させ、団結させ、陶酔させる。
そういう一体感は非常に強烈で、危険でもある・・・・

映像では「ハイル!ヒトラー!!」と手をかざし叫ぶ大勢の市民が。
おっとヒトラー・ユーゲントの青年たちもいますね。
党大会に招かれる団員は、優秀の証、だからネェ(うんうん)

ナチスは音楽や絵画をプロパガンダに利用した。
そして映画も。
レニ・リーフェンシュタールの『意志の勝利』(1934年)

ナチ党から依頼されて、記録映画を制作したリーフェンシュタール。
予算は使い放題。
彼女はナチスに利用されることを、楽しんでさえいた。
彼女自身は優れた映像作家である。
この映画にも、現代的なショットや編集などが、多数見られる。

この間、ずっと~『意志の勝利』が流されています。
総統、盛り沢山!!
この映画は、単なるドキュメンタリーや宣伝後方ビデオの域を越え
プロパガンダを芸術の領域で表現した作品である、と。

ナチスの映像、そして・・・・これはカリカチュアの領域かと。
ポスターが紹介されます。ドイツばかりではなく。


「風刺は 強者に立ち向かう弱者の武器だ」
          モリー・アイビンス

トランプ大統領も・・・
どうも風刺作家さんによると、トランプは格好の題材だと。
トランプへの風刺画が紹介されます。


風刺作家は、象徴的なイメージを作り出す。
これはプロパガンダといえるだろう。
基本は笑いを取りたいのだが・・・・


2015年 フランス パリ
シャルリ・エブド襲撃事件

ユーモアは武器・・・・イスラム教徒の怒りを買った風刺画。
反イスラムではない。
キリストに対する風刺画も描いている。

信仰は個人のもの
しかし宗教は社会的、政治的なもの
それゆえ政治的なものは、批判の対象に成りうるべきである。
宗教も同様に批判し、攻撃し、茶化し、
そして・・・・侮辱できないといけない・・・・

ある写真家の男性
写真は本質的にウソをつく。一瞬を凍らせたものだ。
その瞬間の前後に何が起こったかは、分からない。
見る人は、私の感覚を通してストーリーを想像している。
写真とはそういうもの。それが写真の仕事。
芸術の仕事とは、何かをおりこむ事。
すなわち・・・・プロパガンダである・・・・

この写真家はトランプ大統領のマスクを使って写真を。
マスクの髪を片手で持ち、前に掲げる女性。
マスクの顔は血のように真っ赤。
また血が流れているようにも描かれている。

ネットで拡散、炎上。
シークレットサービスからの問い合わせが。
モデルの女性は、テロの一員だと疑われて
ネット上で謝罪することに。
放送局からの解雇。
トランプはこの騒ぎを利用して、自分の政策から
世間の目を逸らせているのだと、男性は主張する。
これがトランプのプロパガンダだと。

SNSは社会的な公平性を訴えてきた。
が・・・・管理不能になっている。
フェイスブックが、残虐行為の発端に。
コこではロヒンギャ虐殺が・・・・

ネットで人を動かそうとする手法
今までの歴史には無かった手法。
「真実など存在しない」と論文に書く学生も。

私たち人類は歴史を教訓とし、過去の様々な惨劇を
繰り返さないようにしなくてはならない・・・・

バックには、ヒトラーの写真が燃やされているシーンが。
第2次世界大戦後の映像かと。

ドイツ ニュルンベルク・・・・
かつてはナチスの党大会が開かれた場所。
今では市民の大切なレクリェーション会場になっている。
ロックコンサートやカーレースが開かれる。

ナチ党大会の映像と、カーレースの映像が交互に。

私たちは自分たちの場所を、ナチスの刻印から再生させるのです・・・

この場所は、今は人々が喜びを分かち合う場になったのだ、と。


・・・・・はるか昔から、私たちは集団でフィクションを作り出し
それを共有し、文明を生み、繁栄を手に入れてきた。
しかし現代人は、様々な物語を
常に理性と懐疑心を持って受け止めなければならない。
そして自らの感情が、
悪意ある者に利用される危険があることを、忘れてはならない・・・

簡単な答えは無い。
私たち1人1人に責任がある。


人々を安心させる、希望という名の商品が売られているかのようだ。
偽りの希望は、人々を毒することもできれば、鼓舞することもできる。
売られているのは、私たちのより良い未来なのだ・・・・


***********


・・・・・・・・・・あ~長かった。
書きましたが、映像やポスターなどが多数出てくるので
コレは、視聴した方がより理解が進むに、面白いと思いますよ。

私は、まぁ今はSNSという手段があり、あっという間に広がる~ですが
人間の根底は変わらないのだろうから・・・・
昔(って精々WW2だが)でも、十分参考になるな~ってことです。

またスターリンがかなり多く出てきたので
ドイツも制作側だから、ドイツに遠慮したのか?
だからソ連をだすのか?などと笑う反面
スターリンが大嫌い!!!!!なので、フンって感じでした(なんだそれ?)

もし興味があるのなら、再放送を見逃さないで~。


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