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気分はいつも、私次第

今の自分、気に入っています

『東京ヒゴロ』

2024-10-03 12:28:12 | マンガかぁ
塩沢。50代の男性。今日30年勤めた出版社を辞職する。
長年漫画編集者として勤めてきた塩沢。
しかし自分が編集長として立ち上げた漫画雑誌の売れ行きが悪く廃刊。
誰も責めないが、塩沢自身がケジメとして辞職を決意したのだ。

塩沢は静かで寡黙な男だ。物腰も柔らかく、言葉遣いも丁寧。
誰からも信頼される男だが、自分は自覚している。
自尊心の高さ。妥協しない姿勢。

そんな塩沢は、新たな生活を始めようとするも・・・
漫画から逃れることはできない。
後輩の編集者青木リリ子は、塩沢に言う。

「皆、噂していますよ!
 「塩沢さんはきっと漫画に戻る」って」

それは塩沢自身も分かっているが、抗いたい気持ちもある。
辞職の挨拶回りの際に、昔なじみの漫画家達に会う機会がある。
塩沢さんじゃないと、との声も聞く(自尊心がくすぐられる)

そして、立花礼子という漫画家が急死する。
塩沢が初めて担当した漫画家が立花だった。
葬儀に訪れ、立花と会話する塩沢(この辺はまぁ自然の流れで)

どんなに人気があり、編集者へ我が儘放題の漫画家でも
創作の苦しみ、嘆き、焦りに苦しむ姿を見てきた。
漫画には表も裏もある。人間の欲望に呼応するような裏が。
でもそれが漫画なのだ。
そして、自分はその世界から逃れられない。
その世界にいたいのだ。どっぷりと。

塩沢はやっと自分の心に向き合う。
もう一度、漫画を作ろうと・・・・・・


*******************


松本大洋氏の『東京ヒゴロ』です。全3巻。

巷では、松本氏を「神」として崇めるように作品を愛でる・・・
みたいなファンがいると揶揄されますが・・・私もだ!!(笑笑笑)

もうね、言葉が出ないです。この作品を形容するような言葉が。
松本氏の作品は、私も初めはそうだったのですが・・・絵柄に癖があって。
そして絵柄を結構変える人なので(作品によって全然違う)

それを乗り越えると、もう台詞もそうですが、作品全体が
・・・漫画、侮っちゃイカン!みたいな気にさせる。
この読後感の満足度と達成感(?)と・・・自分を鼓舞できる感(?)って
なんか「読んで良かったわ」と心底思わせる。
そんなことを感じました。

この『東京ヒゴロ』は、主人公塩沢が、50代独身男性だし。無職だし。
って、どうなるの?ですよね。
現実をシビアに描き、同時にちょっと優しい。
絵柄もキツくて、内容もシビアでリアル。
その中で時々見える優しさが、小さくキラって輝いて。
それが、病みつきです(この表現は正しい)

塩沢は、自分でもう一度漫画雑誌を編集しようと決意します。
って無職ですから・・・自分の退職金を原資として。
そして、長年の編集者生活から得た、自分が描いて欲しい漫画家に声を掛ける。

もう引退している人、重鎮扱いだが人気は??な人
ちょっと色々癖がある人などなど・・・
もう、一癖二癖ありそうな漫画達を訪ね、話し合う。
それがメインの物語になります。

私も女性ですので、塩沢が声を掛けた漫画家のひとりが目に留まりました。
木曽かおる子(本名かPNか?は?)
今は子どもがいる主婦で、(多分)スーパーでレジ打ちをしている。
塩沢は木曽に執筆依頼をする。
しばらく考えさせて・・・と木曽(当然だよね)

息子は不登校気味で、高額で意味不明なオカルトグッズを買っている。
夫は優しいが・・・優柔不断と紙一重だ。
そんな生活の中・・・何かが心の中で湧き起こる。
理由は分からないけど、描こう!
木曽はテーブルに数枚の1000円札を置き
「これで晩ご飯を食べて下さい」とメモも置いておく。
夫と息子宛だ。
そして描く。漫画を。

ちょっと驚くのが、木曽が描く漫画が「ローマ帝国の戦い」みたいで。
ザッ漢の戦い!!みたいな漫画なんですよね。
この平凡中の平凡に見える木曽が、こんな漫画を!!
意外も意外!だから、漫画は面白いんだ!!人って面白いんだ!!
って思えましたね。

塩沢の漫画家巡りが静かに進む反面、
動を担うキャラとして、林と青木がいます。
編集者の林と漫画家の青木。
青木は塩沢が担当していて、後任として林が担当者になりました。
しかし・・・「俺を理解してくれるのは塩沢さんだ」と言う青木に
手を焼く林・・・
この林&青木コンビが、作品に動きを見せてくれます。

何度も何度も「もうダメだ」を経て、関係を改善するコンビ。
最初はボロアパートで(多分)拾い猫と住んでいる青木。
服装も、ヨロヨロTシャツとボロボロパンツみたいなんですが
最後には、綺麗なマンション?アシスタントも数名。
ネコもいます(ネコも何気に綺麗になっているわ・笑)
青木も、髪を切り、服装も普通に・・・なっていて。
その変遷が、青木の変化、林の変化、に思えました。
このコンビの存在は、
『東京ヒゴロ』のサブエピソードだと言えるでしょう(と勝手に)

そして林は他の部署に異動する。
新たに青木の担当になった秋山は、林に愚痴る。
「青木さんは、「林さんはどない言うとんねん」ばかり」だと。

繰り返す。過去に林が塩沢に相談したように。秋山は林に相談する。
そして、同じく「自分で頑張れ」と言われ、絶望的になる・・・
・・・けど、やるしかない。その繰り返し。それが生きること。

ちょっとファンタジー風になるのは、塩沢が飼っている鳥の存在です。
片言で塩沢と会話しています。
もっと詳しく言いますと、塩沢に突っ込んでいます(笑)
塩沢は何となくですが、鳥と意思疎通できるような設定らしくて。
飼っている鳥だけではなく、街の鳥ともちょっと意思疎通してます。

なんだそれ?ですが、案外違和感がなくて。
優しい雰囲気になるので、私としては「良いアクセント」でした。
そして飼っている鳥は
かなり・・・塩沢に突っ込んでいて、笑える。

さてさて、塩沢が創刊した新雑誌はどうなるのか?
気になる方は、どうぞ読んで下さいね。

松本大洋さん、お見事!!でした!!!!

・・・・・・・・・・・・・やはり『ナンバー吾』は読むべきですね。








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危機一髪

2024-09-11 07:59:00 | マンガかぁ
今朝いきなり
「本棚の整理整頓」着手

つまり
私が趣味と欲望と衝動的購買行動(笑)で
私の本棚に鎮座している方々に

「ごめんなさい さようなら👋」

と宣言?し、強制退去?することで

あーこれもこれも





1巻しか出ていない?んん?
と調べたら
3巻まで出ていて、3巻で終わっていた

捨てたらアカン 捨てたらアカン
と今目の前にある

外出したら書店に行こう
そして2巻3巻買ってこよう

あーよかった



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『デストロ016』

2024-06-28 16:44:28 | マンガかぁ
もうね、マンガの新刊チェックは、なかなかやっていないから。

今見つけました『デストロ016』
高橋慶太郎氏の作品です。マンガです。
女の子です。銃です。ナイフです。殺しです。

前作『デストロ246』は本棚に鎮座しております。
(捨てていなくて、ホッとしました・笑)

高橋氏は『ヨルムンガンド』からのお知り合い(一方的な笑)
次男が教えてくれました。

『デストロ016』・・・買わねば・・・集めねば・・・笑

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永井GO展

2019-09-11 14:54:03 | マンガかぁ
8月に行って来ました。
永井氏は石川県能登の出身なので
この作品展を石川県からスタートってこと

東京や大阪でも、あるかと





永井豪といえば
マジンガーなどロボットものだったり
デビルマンなどの
天使と悪魔というテーマでありながら
善悪を越えた黙示的な思考に導くものだったり

ハレンチ学園やけっこう仮面などの
お色気だったり
でも、かなり教育には鋭いよね

なんにせよ
ジャンルにこだわらない

私は永井氏を秀才だとおもっています
天才ではない、って

多分、思い付くんだろうなぁ、色々

最初に読んだのは、ハレンチ学園
それからデビルマンやあばしり一家など

デビルマンも「やられた」と思ったが
………子供の頃ね
バイオレンスジャックの連載第1回は
今でも覚えてる 衝撃を

で、ゲッターロボ、大好き💕
これは石川賢氏がメインだけど
ゲッターロボ以降、石川氏も追っかけた

石川氏は魔獣戦線が大好きです


いま作品名、書いているが
分かる方はいるのだろうかー

兄がいたから
週刊の少年雑誌、読んでいたからね

イヤハヤ南友、おいら女蛮……

手天童子、これも好き
最大の理由は無事完結しているから 笑

作品展は楽しかったです

久々にキューティハニー見たわ
懐かしい〜
お色気が目立つけど
ちゃんとした作品なんだよ
アニメより漫画の方がエロです 笑


















ちなみにウチの夫は
永井豪氏に似ています
どーでもいーこと、ですね 笑笑笑笑

まだまだ若い頃、テレビに映った永井氏見て
ソックリ➖➖➖➖って思った



スマホから投稿
今朝から発熱だから 暑い熱い


でも台風被害で大変な方々が大勢………



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「極 池上遼一展」

2019-08-26 15:00:16 | マンガかぁ
珍しく!マンガ話です。
それも・・・原画展で御座います(ペコリ)

池上遼一氏・・・・ご存知でしょうか?
ファンの方で・・・・このブログを見ている方がいれば、良いのですが(無理か?笑)

池上氏の最初!(で最後か?)の原画展、行って来ました。


もうそろそろ終了なんですが・・・・貼っておきます。



武生公会堂記念館「極 池上遼一展」開催中!


ちょっと・・・寂しい情報サイトですね・・・
行政のお知らせって感じで(涙目)


んで、原画展情報と池上氏のトークショーの様子


最初で最後かも!? レジェンド漫画家・池上遼一先生の原画展を見逃すと後悔するよ!【越前市で開催中】



私も好きです。
でも、追っかけて~って勢いではありませんが。

最初に読んだ作品は『男組』(懐かしいなぁ)
少年サンデーで連載されていました。

子供心に・・・・「なんてカッコいい男達なんだ!」」って思いが(笑)
それと・・・その頃に、そんな言葉を使いませんでしたが
多分・・・色気のある男性軍にメロメロで(笑)

そこから「池上遼一って漫画家は、面白いぞ」認定(エラそうに)

その後は・・・・『男大空』に続いて・・・・かなり読みました。
兄がいたので、兄が買ってくるマンガ雑誌を読んで。

その後
『クライングフリーマン』『サンクチュアリ』で「やられた!」っ気になって。


今回は池上氏の生まれ故郷での原画展です。


では、華麗な池上氏の作品を!

















池上氏の出身地のPRのポスターも描いていますね。
コレは・・・・ファンの方々で、御覧になっていない方もいるかも?


そして、今回の原画展用に描いていただいた作品が・・・・




素敵ですよね~もう惚れ惚れ~ですね(ウンウン)

展示品では、デビュー当時の作品の原画もありました。
絵柄も、私たちが知っている感じとは、ちょっと異なります。
そしてストーリーも・・・
御自身も仰っていますが・・・かなり厳しい(ハードな)展開やラスト。
現実を見せている、といえばそうですが・・・・リアリティを感じますね。

売れるための模索などなど・・・いろんな情報にも接することができます。

そして別室には・・・
池上氏の作品が読めるコーナーも(ほんの少し、ですがね)

中には、アシスタントをやっていた水木しげる氏の作品も。
当時の水木氏のマンガ生活の中に、池上氏も登場。
水木氏独特のユーモアの中の池上氏も必見!です。


見応え!ありましたね。
やはりファンには嬉しい展示の数々!
いや~格好イイ池上キャラ、大集合!!!で御座います。


・・・・・しかし・・・・もっと展示して~と叫びたいような会場で(ゴメンなさい)
加えて、あまり台数のない駐車場で・・・・
行政の会場なんですがね・・・・

う~ん・・・「来て欲しいのか?欲しくないのか?」
と思わず突っ込みを入れるような・・・・ゴメンなさい・・・

でも私は大満足で、会場を後にしました。

そして・・・・池上氏の出身地=原画展開催地で
結構有名・・・・・観光客も多く訪れるという噂なんですが・・・・

あるスイーツ店で・・・・チョコパフェを堪能!!!(フフフ)




基本、2人で食べるって感じですが・・・
私は勿論ひとりで完食!!!

満足満足の一日で御座いました・・・・


絶対見たい!って思う方は急いでね~~~~~~









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『夕凪の街 桜の国』

2018-07-31 12:05:49 | マンガかぁ
今(2018年夏)放映中のTVドラマ『この世界の片隅に』
御覧になっておられる方も、多いかと。
話題にもなっていますしね。

原作は、こうの史代さんの漫画です。
2016年アニメ映画として公開され、ここでも大評判に。
長く上映されていましたね。
また2011年に、TVのスペシャルドラマとして放映されています。

私は漫画を持っています。上中下の3巻。
アニメ映画も鑑賞しました。
夫がとても感動して・・・今放映のドラマも見ています。

私はドラマは見ていない・・・・(ペコリ)

私はこうの氏を知ったのは、『夕凪の街 桜の国』からです。
コミック本として1冊になっていますが
『夕凪の街』『桜の国(一)』『桜の国(二)』の3作品が収められています。


この『夕凪の街 桜の国』は、1度映画化されています。
私は見ていません・・・・(ペコリ)
そして2018年8月6日(月)19:30~
NHKでドラマとして放映予定となっています。



NHK広島放送局開局90年ドラマ 『夕凪の街 桜の国2018』



『夕凪の街 桜の国』は、広島の原爆を扱った作品です。
戦争を題材とした様々な作品。そして原爆も、同じく。
発表当時、この作品は驚きを与えてくれました。
それは・・・・『この世界の片隅に』と同じように・・・
今まで戦争そして原爆を扱った作品とは、異なる視点。
日常と言えばそうなのですが・・・・
『夕凪の街』で描かれているのは、1955年の広島。
戦後から10年を経た広島。そこで語られる原爆。語られない原爆。
そして・・・・語ることができない原爆・・・・それでも心に住み着いている原爆・・・・

それらが、こうの氏の穏やかな線で描かれています。

評判の作品とは、知っていました。
でも戦争・・・原爆の漫画かぁ、というちょっと引いてしまう気持ちもありました。
でもでも・・・・読まなきゃ分からん!!という思いで購入。

読んだ感想は・・・正直「凄い」と思いました。今でも覚えています。
こういう視点、こういう描き方、こういう広島の思い。
それは、その当時の私の中にはなかった。
それは驚きであり、新鮮であり、何よりも強烈であった。

惨酷な描写、酷い描写はありません。
死体が川に浮かんでいる描写も、リアル感を抑えているので。

しかし主人公(『夕凪の街』では平野皆実という女性)が持つ罪悪感。
被曝して逃げる途中で見聞きした惨劇。
それを見て見ぬ振りをして逃げた自分。それが心から離れない。
父親と妹は死亡。母親は顔が腫れて目が見えない状態だった。
だから・・・・母は当時の地獄の有様は見ていない。
姉は、原爆の2ヵ月後亡くなった。身体中が紫の染みだらけ。
時々突然殴りかかったり、叫びだしたりして、死んでいった。

今は母と2人の生活。
戦後10年の今、皆実は事務員として働き、好意を寄せ合う男性もいる。
戦争は終わった。貧しいが笑顔で暮している
しかし・・・身体の所々にある紫の染み。
舞台は夏なのに、皆実は長袖を着ている・・・・
自分もいつかは・・・・

戦争を生き延び、日常を送る女性の心の奥に住み着く思い。
生き残った罪悪感。身体への不安。
それでも、日々の中で生まれる喜びや微笑み。
それが、穏やかな線で描かれています。

『桜の国』は、また別視点で語られます。
皆実には弟がいた。旭(あさひ)という名の弟。
叔母の家に疎開していて・・・そのまま養子になった。
『夕凪の国』のラストで、倒れた皆実のお見舞いに旭が来たとの
台詞があります。

ここの主人公は、旭の娘七波(ななみ)
1987年、小学生の七波を描く(一)、
2004年、28歳の七波を描く(二)

特に(二)では、父親の旭の秘密を暴こうと・・・・という流れになっています。

父親の旭は、被爆者ではありません。疎開してたので。
しかし母親の京花は被爆者です。
七波と弟の凪生(なぎお)は、被曝2世となります。
このことに関する描写も出てきます。

旭は、母親と暮らすために広島の大学に入学します。
その時出会ったのが、京花。近所で兄と2人暮らすの少女。
父親の旭の広島での思い出。それは京花との物語。
そして七波は、
友人の東子(とうこ)と弟の凪生の関係に絡まれながら
亡き母、そして広島で亡くなった叔母達に触れることに。

2019年8月に放映予定のドラマは、
まぁHPを読んでくだされば分かりますが・・・・原作どおりではなく。
HPにも「原作の設定を2018年に置きかえ」「オリジナルストーリーを加えて」と、
書かれていますし。

このドラマを視聴し、原作も読んでみようと思って下さったら嬉しい。
まぁ書店では『この世界の~』同様、平積みになっているのでしょうが。

私は大絶賛し、もう欠点無しで完璧な作品。
見て見て!貶すなんて・・・・許さない!!!
・・・・・・・・とは、言いませんよ。
趣味は色々、ですし。描き方の好き好きも色々。

でも、戦争そして原爆の描き方について
新たな道を作ってくれたのは間違いないナァ、と思っています。

そして、これは『この世界の片隅に』も同様。
こうの氏の作品全般に通じるものですが・・・余白ですね。
紙面の余白・・・心の余白・・・真っ白な部分・・・・
そこに何を感じるのか。それは読者に任されている。

その余白が素晴らしいと、私は思っています。

ドラマ、そして原作漫画。
興味を持たれたら、ぜひ!!!







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アッシュが最初から美形に!

2018-07-15 20:27:37 | マンガかぁ
『BANANA FISH』アニメが開始になっていますね。

私もネットで・・・チラッと・・・
あぁ、私の住むド田舎では視聴不可で御座います(今のところ)

んで・・・・アッシュが最初から美形に===!!!!
ちょっとホッとしたというか、しないというか(笑)

原作を最初から読んでいる方は、分かりますよね。
絵柄が全く・・・ということで
最初の絵柄は、かなり・・・・アッシュも細身の美形とはいえない容姿で。
あぁ、実際に存在していそうな・・・って感じはありますがね。

これは作者の吉田氏も仰っていますから(笑)

『吉祥天女』からの絵柄で・・・
あぁ『吉祥天女』も最初と最後、絵柄が変わっていますね。

まぁね、連載していると・・・絵柄が変化するのは当たり前。
読者もある程度は納得で、許容範囲。

しかし・・・・吉田氏の絵柄の変化は・・・
時には「別作品ですか??」と言いたくなるような変りようで(笑)
『BANANA FISH』は、その代表格では?(笑)

だからアニメはどうなるのかナァって思っていましたが
最初から細身の美形キャラで登場で御座います。
まぁ、これが正解なんだろうけどね。

と余計な口出しを・・・・笑

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2人のネコ<2>

2018-05-18 13:56:03 | マンガかぁ
             『鉄コン筋クリート』(松本大洋)


はい、感想です。


この作品は、松本氏の作品の中でも認知度が高いものでしょうね。
アニメ映画にもなりました。私、観賞しましたよ。
もちろん映画館でね(笑)
クロの声を担当したのが、『嵐』の二宮和也さんだったので
ファンの方々の応援もあり、認知度の高さになった部分もあったかと。

それと・・・私、連載で読んでいたので。
掲載雑誌を夫が購入していたので。読んでいました。
夫は・・・他のマンガ目当てで、それ以外は読まない派で。
私は何でも読んでいて。

松本氏の『鉄コン筋クリート』より前の連載である
『花男』は途中から読んだような覚えが。
その時は、またまた個性ある絵柄の人だナァって印象。
『鉄コン~』の次の連載である『ピンポン』は
これはスポ根だよね、と思いながら読んでいました。
『ピンポン』は有名ですよね。


『鉄コン~』は、最初から好きでしたね。
確かにね、絵柄は個性!なんですよ。
でもドラマ性や、キャラ設定&動かし方・・・
加えて、脇の個性派や・・・噴出し以外の言葉に、笑ったり唸ったり。
絵柄よりも、それらの事が気に入って。
そうなると、この物語にはこの絵だわ!と思うようになって(笑)

この作品の魅力である、動き、なんですが。

アニメ版予告


「鉄コン筋クリート」予告



クロのアクションが、横もありますが、縦、なんですよね。
横=屋根から屋根へ。縦=地上から屋根やビルの上(その反対も)

漫画でも、この縦の動きが凄くて・・・・縦の動きをココまで漫画にできるの?って。
アニメ見て、こりゃアニメにして正解かも、と思った記憶があります。
アニメは、さすがに動き!が表現できますから。

漫画では、飛ぶって表現されていたような気が・・・(うろ覚え・ゴメン)

クロとシロは、ネコと呼ばれている設定です。
松本氏の猫愛が・・・・猫愛の方は、ホント分かりますよね(笑)

漫画でも、クロとシロを黒猫&白猫で表現する場合もあれば
2人の近くに、黒猫&白猫がいるって表現もあります。

一体ネコといわせる意味は・・・と考えると、色々考えられますがね。

脇の方々がね・・・・もう、どこかに行っちゃっているから(笑)

刑事の藤村&沢田 ヤクザの鈴木&木村・・・じっちゃ・・・
もうね、その通りって言いたくなるような・・・・例えば・・・・
役者さんが演じる役がドンピシャ!って感じなのよね。

『漫画家本vol.4 松本大洋』を購入したのですが(ココまでファンなんだよ===)
この中で松本氏のメモとして、設定画があるのですが
藤村と鈴木は幼馴染設定だったようで・・・・
う~ん、漫画には言及無なかったように思うのだが・・・・

この漫画、残念ながら打ち切り、で終わってしまったようです。
だから、ラストが唐突感・・・・仕方ないカァ。

また異なるラストがあったのか?
または、同じラストであっても、もう少し“何か”があったのか?

う~ん、藤村と鈴木が幼馴染であったということも含め
まだまだ描かれていなかった物語があったのかなぁって思うと。
残念ですわ。本当に残念。

沢田も木村も・・・・う~ん、木村は描かれていたと思う。
結構木村の複雑な心境は、出ていたので。
でも沢田はもっと頑張れ!!かな~って。

どうしても脇の方々が魅力的で・・・・脇スキーとしては嬉しい嬉しい(笑)

この絵柄。このスピード感。
そして宝町の猥褻さや底知れぬ残虐さ・・・
クロ、文字通り脳天勝ち割り、ますからネェ。

暴力漫画と言われても、そうだよネェとしか言いようが無いのですが。
でも
この暴力に惑わされること無く
そこに生きる人々の物語を読む・・・・私は面白いと思っています。

感想書いたけど、魅力、少しは伝わったかしら??(不安だわ・笑)


ラストは・・・・どうかネェ。
打ち切りになってこのラスト・・・良いのか悪いのか?
というより
受け手(読者)が受け入れられるのか?ウ~ンとなるのか?

私としては、
もう少し現実味があったら・・・・と思っています。
綺麗に終わりすぎたかナァってことですね。

今回読みましたが、やはり同じ思いがしましたね。
でも・・・敢て現実感を薄めたのか・・・・とも思う。

こんな暴力的と言っていい作品ですが
どこか笑ってしまうシーンがあり・・・・
今作品が手元にないので、確認できないのですが・・・

例えば、鈴木=ネズミの占い好き
いちいち「今日の運勢は~」などと言い出す。

そして悪役の蛇・・・本名分からんが。
まぁ蛇も、謎の組織(日本ではない感じ)の一員らしく
でも本人は・・・・どうなんだろ?
というのは、蛇の設定って、「33歳 蠍座AB型」ってなっているのよ。
でね、これ・・・・私の記憶では会話で出てきたのではなく
蛇が登場した位に、蛇の姿(顔?)の背後に、
この設定が書き込まれていた記憶が・・・・
他の人物にも、こういうことしていた、と記憶しています。

笑える・・・・

ちなみに次作の『ピンポン』でも同じことを・・・笑

今回、松本氏のことを調べましたが・・・・
どうも・・・松本氏のファンがイヤだって意見が多くあって。
ヘェ~と思って、色んな意見を読んでいました。

松本作品が~ということではなく、ファンが~なのね。

フ~ン・・・・村上春樹氏のファンに対する気持ちを同じなのかな?
とふと考えました。

私は好きだから。それだけ。












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2人のネコ<1>

2018-05-17 14:25:14 | マンガかぁ
             『鉄コン筋クリート』(松本大洋)


・・・・・・宝町・・・・・・
そこは昭和を残す町の風景。そして臭い。
昔ながらの商売の店。そびえたつビルの群れ。
警察、ヤクザ、中途半端な暴力少年達、一般人。
何もかもが混濁し、そして叫んでいる。

この町に暮らす2人の少年、シロとクロ。
シロは推定(?)10歳ほど、クロは少し年上だろうか?
2人は通称“ネコ”と呼ばれている。

町をよく知る刑事・藤村。
藤村は、東大出の新人刑事・沢田に説明する。

「・・・第一級ぐ犯少年。(ぐ犯少年=虞犯少年・ちゃんと意味あるから)
 親兄弟を持たねぇ、この宝町に住みつく餓鬼だ。
 暴力を生活手段にしている奴らだ。
 ナメてかかると3秒で転がされちまう」

天真爛漫を越え、意味不明なことを叫ぶシロ。
少し頭の中が・・・と誰でも考えるようなシロの言動。
そのシロの保護者を自認するクロ。
暴力!暴力!!
生きるため、そして自分達を守るためなら、一切の容赦はしない。

クロの異常な攻撃力は、警察もヤクザも承知している。
そして異常に頭がいい。
東大での沢田も凹ますほどだ。
(ちなみに沢田は、拳銃が撃ちたいから、と現場にやってきた。
 この設定を見ても、どういうキャラの集団か分かって頂けるかと)

この町を去っていたヤクザ・鈴木が戻ってきた。
舎弟の木村を伴って。
別名ネズミと呼ばれる鈴木。
占い好きで、行動を占いで決めるという癖がある。
物腰も柔らかいが・・・・
鈴木が戻ってきたのであれば・・・また町が荒れる。
心配する藤村。

クロは警戒を怠らない。ネズミ、他の町からやって来る不穏な奴ら。
しかし、自分が信頼している人には、言葉が多くなる。
ホームレスの老人・源六。ふらりとどこかへ行き、また町に戻ってくる。
クロもシロも、じっちゃと呼び、慕っている。
シロの扱いもお手のものだ。
そしてクロに忠告できる数少ない人物でもある。

じっちゃは、クロに言う。
お前たちは、互いが守り守られているのだと。
クロがシロを一方的に守っているわけではない。
シロはクロの“心”を守っているのだ、と。

宝町を「俺の町」と言い切るクロ。

餓鬼一匹を恐れてどうする?木村が行動する。
その結果・・・・クロの攻撃で大怪我を負う木村。
恥をかかされた・・・・と同時に、クロの圧倒的な強さを思い知る。
しばらく休め・・・鈴木に言われる木村。
つまり用無しってことか・・・・ふてくされる木村だが・・・・

町に変化の予感が。
鈴木や木村が所属する大精神会。
蛇と名乗る男がやってくる。
様々な地区の再開発を手がけるブローカー。
“子供の城”というビルの遊び場を作っている。

子供相手、といえば聞こえはいいが
その地域の裏社会や行政と手を組み、甘い汁を吸うのが目的だ。
そのためには、古い店を潰し、邪魔者を消す。文字通りに。

町の変化に疑問を呈する鈴木。しかし、親分は乗り気だ。
もう自分の出る幕ではない・・・古い人間になったものだ・・・
と言いながら、鈴木は組を出ようとする。分裂だ。

くさっている木村に、蛇が目を付ける。
一緒に仕事を・・・・邪魔なものを消さねば・・・例えばクロ・・・・

蛇の手下である蝶・虎・龍
異常な強さを誇る自慢のヒットマンだ。
(って日本語話さないので・・・・出身がわからん)
先ずは龍が。クロを退治に出かける。

必死になりながらも、なんとか龍を退けるクロ。
しかし、これほど強いヤツが・・・・
と言う間もなく、蝶と虎がやってくる。
攻撃をかわすのが精一杯のクロ。そしてシロ。
休む間もなく・・・・
シロが刺されてしまう。

叫ぶクロ。じっちゃの知り合いの闇医者に手当てをしてもらう。
この状況に介入する藤村&沢田。
とにかくシロを安全な場所へ・・・警察署へ連れて行く。
その様子を見ているクロ。シロに告げる。
シロは足手まといだったのだ・・・・コンビは解消だと。

藤村達は分かっている。クロの気持ちを。
シロを安全な場所へ・・・・だからシロを保護したのだ。
沢田がお世話係になり、塗り絵や絵描きで遊ぶシロ。
本も読んでもらう・・・・沢田はいい迷惑だ。
「保育所に就職したわけでは」と言いつつも
シロの純粋さと、何気ない言葉に隠させている真理に惹かれる。

一方クロは・・・しつこく追ってくる蝶と虎を戦いを続けている。
一生に遊んでくれる友達・・・と笑顔で待つクロ。
クロの心が壊れていく・・・・

蛇のやり方に嫌悪感を抱く木村。
しかし蛇は、木村の女(妊娠中)を引き合いに出し
木村に迫る・・・・
組を分断しようとしている鈴木を殺せ、と。
世話になった鈴木を・・・・鈴木を呼び出す木村。
鈴木は分かっている。全てを。
だから黙って木村の手にかかる・・・・それでいいのだ、と。

クロは狂気を帯びてくる。
もう誰も手を出せない・・・・狂った笑顔でシロを探す。
シロと呼ぶ人形に話しかける・・・・
もう、じっちゃの声も届かない。
町の少年達は噂する。
クロはイタチを越えたのか?
伝説の餓鬼・イタチ。それは、人を超えた存在だ。
クロはイタチを越えたのか?
それとも、クロがイタチなのか・・・・


蝶と虎は、まだ襲ってくる。
危機に陥るクロ。その時、イタチの姿が・・・・


**************


木村は、女を連れてこの町を出ようとする。
蛇は殺した。自分が・・・・もう、この町には未練は無い。
車に乗り込もうとした時・・・銃声が。
蛇の仲間に撃たれる木村。

イタチはクロに言う。
受け入れろ。俺を。自分を。
世の中には善悪などない。
真実だけなのだ。そして俺がお前の真実・・・
俺を受け入れれば、最強になれる。伝説になれる。
俺を越える・・・・闇を受け入れろ、と。

警察署内でシロが叫ぶ。
落ち着かせようとする沢田。
無理だ。シロは呼んでいるのだ。クロを。

そしてクロが信じるのは・・・・



感想は次で。ゴメンね。長いんだわ(自分で書いておきながら・笑)








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マンガで読む『百物語』<2>

2018-03-16 13:34:24 | マンガかぁ
             『百物語』(杉浦日向子)


・・・・・・・・・・続きです

ちょっと数話、紹介させていただきます。

**************

其ノ五十四「猫と婆様の話」

男性がふたり。話をしている。
物音が聞こえ・・・入ってきたのは猫だった。
婆さんかと・・・・と言うひとりの男。そして思い出話を始める。

昔糸屋の小僧をしていた頃。
お使いの途中で、ふと足を留めると
或る庭先の縁台で、婆様が白魚を選っていた。
その後ろの窓には、老猫が日向ぼっこしている。
老猫は、薄目をあいて・・・・
「ばばさん。それをおれに食わしや」と言った。
婆様は「おぬし何を言うぞ。まだ旦那どんにも食わしやらぬに」
と猫をたしなめていた。

婆様が、背中を丸めて座っている姿は猫のようで
猫が、眩しそうに目をしばつかせる貌は婆様のようだった。

小僧は、猫がもう一言何か言わないかと、しばらく待っていたが
猫は眠ってしまったらしい・・・・・

(絵は、老猫と婆様が似ているように描かれています)

****************

其の七十九「他人の顔の話」

ある水油屋の話。
此頃、妻が妙によそよそしい。
子供も、店の者も同様。主人の様子を窺っている。

主人は妻に問いただす。妻は一通の文を差し出す。
そこには・・・・
「恙(つつが)なく居るから、案ずる事はない。
 じき帰る」
と書かれていた。主人の署名入りで。

主人は、自分の字に似ているが、書いた覚えはない、と。
自分はここに居るではないか?
下らん悪戯だ、と言う。

しかし妻は、不安顔だ。
「それでもあなたは、いつからここにいらっしゃるのでしょう。
 ・・・・・・
 あなたは・・・私共のあなたでしょうか」

主人も不安になってくる。
娘の名前を忘れていた。家人が他人に思えてくる。
自分の顔が別人に見える・・・・

そして、主人は、話を聞いている相手に言う。
「どうにも居心地が悪いのだが
 “じき帰る”と言う主の現れる迄は、この家で待ってみるさ」

(その主人の顔は、最初は普通の男の顔だったが
 ラストでは、黒く塗られている・・・)


*****************

其の九十九「杢兵衛(もくべえ)の孫の話」

おさきという名の老婆の話。
おさきの父親の母、つまりおさきの祖母の話である。

その娘(祖母)は器量良しで、娘時分に米問屋に奉公していた。
ある夜若旦那が、忍び込んできて・・・・娘は妊娠することに。
若旦那が、と言っても、若旦那本人は知らん振り。
怒った大旦那に追い出されてしまう。

そのまま出て行った娘。
人もいないような木の下で休んでいると・・・
若旦那がやって来た。
「恨んでいないよ。大旦那の前だもの」と気遣う娘。
雨が降り出し・・・・木のうろに入る・・・抱き合うふたり・・・・

大きな音で目を覚ます娘。猟師の姿が。
娘と寝ていた狐を撃ったのだ、と。

狐はこの辺りに昔から住んでいる狐で、杢兵衛狐という。
人の心を読み、思う相手に化けて、人を誑(たぶら)かす、のだと。
杢兵衛とは、始めに誑かされた長者の名前だと。

娘は、その後三ツ子を産んだ。
ひとりは人の男の子。
残りは雄と雌の狐の子。
猟師はこの三ツ子を可愛がり、娘を妻に迎えた。

二年経つと、雄狐と雌狐は出て行った。
「仕方ねさァ。
 人は育つなァ遅いが、あいらアもうオトナだ」

兄妹狐は、息子(兄弟)が山へ入ると
いつでも道案内をしたと。

おさき婆さんの話は、ここでお仕舞い。
でも、続きが・・・
話を聞いてくれた旦さんに告げる。

「モシ狐の化かされそうになったら、
 “杢兵衛の孫に言いつけるぞ”と仰ッせい。
 並の狐なら悪さァせん筈じゃ」


******************

以上、『百物語』(杉浦日向子)から抜粋しました。
言葉は、分かり易い様に、私が変えた部分もあります。
御了承下さい(ペコリ)


この作品の雰囲気を少しでも味わって下ったら、ヨイヨイで御座います。
でも、やはりマンガという媒体の素晴らしさをも感じ入った次第です。

言葉は少なめ、また詳細な説明が無くても
絵が物語る・・・・コレで万事OK、ですよね。

この他にも、いかにもオドロオドロ~なお話や
不気味チックな話、不条理や「なんだと?」というようなモノ。
多彩で御座います・・・百物語・・・九十九話あるからね。

多分、多くの図書館にあると思います。
様々な版で出ています。
宜しかったら、百物語、味わって下さいマセマセ~。







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