歌人、穂村弘氏のエッセイです。
長く読んでいますね、ホムリンは(ホムリンって呼ぶらしい)
会社員と歌人の二足わらじ~と言えば格好いいが(いや格好いいぞ)
もうね
昔のエッセイでは、会社嫌だ!の大合唱でしたよ。
日常のいじましい・・・スンマセン・・・な描写。
こんなことで不安に思う僕って・・・てな語り口。
でも、何とか「大丈夫だぞ」と見せたいという見栄もある。
と、いじましいホムリンの心の中をのぞき込むようなエッセイです。
それは、もう会社員を辞めて、歌人でも有名有名で。
結婚し、エッセイに妻も登場し・・・
でも、いじましさは変わらない。
日常にドキドキアタフタ・・・それを読み続ける私・・・楽しいなぁ(笑)
久々にエッセイ読みました。タイトルもいいね『迷子手帳』って。
本人の「あとがき」に
「・・・いつまでも迷子であり続ける人のための手帳です・・・」
と、書かれています。
そうね、穂村さん、迷子状態継続中だものね。
心の底の底は変わっていないのかな?
その感性が・・・「これって大丈夫なの?」って思いを感じる。
昔も今も。
その変わらなさを「少年の心を持ち続けている」という表現を
する人もいるけど。
私は、ちょっと違うんじゃないかなって思っている。
少年の心を持ち続けている人は、
大人になりたくて仕方が無いんじゃないかな。
こんな不安や心配は、大人になれば無くなるはず。
だから大人になりたいって。
そう思うんじゃないかな。
私に中の穂村さんは、そういう人です。
「いつか大人になって、立派になって、この心配はなくすんだ」
「きっとなくなるはず」
そう思っている、少年の心を持つ大人・・・って人。
いつまでも大人になりたい。
もう還暦が過ぎた穂村さん。
でも多分、「自分はちゃんとした大人じゃない」って思っている。
のかも?
私たちは、いつまでも「ちゃんとした大人」になれない。
そう思っている人、多いんじゃないかな。
例え、世間から見たら「十分ちゃんとした大人」でも。
その気持ちが、穂村さんの文章に惹き付けられていく。
これからも、見つけたら、きっと読む。
穂村さんの「大人になりたい」言葉を。