以前ブログで紹介しました古いディスカスの書籍…
その中身は読み進めるほどに面白く、最近すっかりはまって熟読してます。
私がディスカスを始めたのはほんの7,8年前の事ですが
そんな私が読んでも、昔を知ることで新しく得られる教訓も多く、様々な過程で
作出されたディスカスの写真を見、その系統や一流ブリーダーの考え方
を知る事で、自分の繁殖の方向もかなり固まって来ました。
その一方でこの手の雑誌(俗に言うムック本)の特徴として…
良い事しか書かず、ネガティブな要素は広告スポンサーや取材先に配慮して
極力排除してしまう…あるいは微妙な表現に留める傾向があります。
いわゆる提灯記事ってやつですね。
ところが、90年代の書籍の中には、業界やブリーダーのネガな部分を
堂々と書き記し、批判をしている記事が時おり見受けられます。
例えば…
「〇〇氏にこれ以上求めるのは時期尚早なのかもしれないが、逆にこのままでは、最も
先に切り捨てられるブリーダーのようにも思えた。質への転換をできるだけ早く計るよう努力し
、しっかりした目標を持つ事が…」
「一部の短絡的な考え方しか持っていなかった業者により、低価格販売用の魚として
ディスカスが利用されたのが…」などなど。
当時の執筆者と編集の勇気と英断、とても素晴らしいと個人的に思います。
当時のディスカス達を写真で見る限り、まさに玉石混合で系統や掛け合わせをしっかり考えた
今の目で見ても目を見張るような素晴らしい個体もいれば、もはや系統も先々代の親さえも
判らない適当な名前を付けたF1限りの品種もいます。
書籍を年別に見て行くと、年を追うごとに良質な魚が、廉価な質の低い大量生産魚に
駆逐されていく様を、うかがい知る事ができます。
それに加え90年代初期の販売店広告の多さは異常で、今の何十倍もディスカスショップやディスカス
をメインにする熱帯魚店が乱立している状況。その多くが現在廃業しているようですが…
まさにディスカスバブルの末期で、当時はディスカスに造詣も興味も無かった人達が「金になる」と思い
参入したケースも多かったのではないでしょうか。
その中で今もしっかりと残っているショップは例外なくディスカスに造詣が深い店主さんだと思います。
現在、ディスカスを含めアクアリウム産業を氷河期と言う人も居ます。
これは確かに業界にとって危機的状況なのかもしれませんが、
裏を返せば金儲けのために便乗した人達と、質の低い廉価な大量生産魚は
氷河期の寒さに耐えれず、ほとんど淘汰された状況にあるという事です。
現在、氷河期の氷の下で力強く生き抜いているのは、本当にディスカス好きな店主さんが営む
ショップと、質の高いディスカス達、そして私達のような少々ディープな面を持つ愛好家と
今のディスカスの魅力を知り、新しく飼育を始めた人達ではないでしょうか?
今の厳しい時期こそ、質の高い日本のディスカス市場の基礎を作るチャンスな気がしてなりません。
その昔、何十万もしたブランドの改良種(ペアなら100万越えなんて話も)と
同等以上(個人的見解ですが)のディスカスが手の届く現実的な価格で販売されています。
逆に、あれほど量販店で見かけた東南アジアの廉価な魚を見る機会はめっきり減りました…
まあ、これはディスカス自体の取り扱いを止めた店も多いという事ですが。
つまり…最近になって、量より質のディスカスが浸透する下地が整って来たのだと思います。
これは私のように比較的新しくディスカスを始めた人にとって、幸運な事とも言えます。
今の時期に質の高いディスカスへの価値観を確立し、我々アマチュアの意識にも
「良い魚には相応の対価を払い、質の悪い廉価魚はタダでもいらない」という考えが根付けば…
将来もし、ディスカスの需要が上がった時でも、再び儲け主義の便乗者に廉価なディスカスを使って
市場を荒らされる事は無くなると思うのですが。
かつて100本も200本も水槽を保有していた大量生産のファームと異なり、
比較的少数の水槽でじっくり手をかけたディスカスの育成が出来るのも日本のショップの強みですね。
アマチュアブリーダーも、ドイツのように質の高い小規模の個人ブリードが根付いて、市場供給の
仕組みができれば、量ではなく質を競う競走の原理へと発展しそうです。
そして何より、新しくディスカスを始める人を大切に…ですね。
自分がアクアリウムを始めた時には、初心者としてかなりカモにされた記憶があります。
不要な器具、写真とは似ても似つかない状態の酷いヤセた通販魚、効果をまったく感じられない
くせにべらぼうに金が掛かる水質調整剤やバクテリアなどなど。
大人が趣味としてある程度のお金を払う以上、子供騙しで誤魔化され、失敗を繰り返させられたら
やがて嫌になり、多くの人は短期間でその趣味を離れてしまいます。
目先の利益より、長くお客さんとして通ってもらう事が大切かと…
とまあ…ここまで自分の本音を勝手気ままに書かせていただきました。
聞き苦しい点もあったかと思いますがお許しください。
この趣味を長く続けたいと思う愛好家の一人として、大人の趣味として、
もっとディスカス趣味に成熟して欲しい…
そんな願いと応援も込めて、今回の記事を書かせていただきました。
本当はもっと書きたい事や考えている事が沢山あるのですが、またの機会にという事で。
それではまた。
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今回の記事、大変同感します!!昔のディスカスブームに終止符をうったのもそのようなお金儲けでディスカス業界を荒らした要因が大きいですよね。
今後のディスカス界が是非良い方向に発展していって欲しいですね!
多分 学生の頃 ディスカス始めたの ブーム前で 4年くらいの間に かなり 変わりましたから
でも 1993年くらいに 餌買いに 行くと レッドダイヤのペア 300万 幼魚で 二万五千円
いつか あの魚 買ってみたいと 思うくらい 当時 凄かったです
レッドロイヤルブルー
コバルト
ブリリアント
レッドターコイズしか 改良種 なかった時代
中級品で 5000円から8000円
その中でも より 色のきれいなやつや 体型のいいの いろんなショップで 探すの楽しかったです
大阪の有名ショップの社長と ディスカス安くなって 夢が なくなったって よく話しますから
自分が 商売で やるなら 難しいですからね
人 雇ってたら 無理な感じですからね
ワイルド 流行るのも わかりますし 改良種 昔なら夢のような品種あるのに 盛り上がりませんから
94年くらいに ディスカス辞めて 一年くらいの時に ブルーダイヤモンド出て 今のビーシュリンプ見たいに 月20万くらいの副収入 得てた人 沢山いましたが 今 改良種で アクアマイスターさんの魚が 最高峰くらいですからね
ディスカスオンリーでは 商売に ならなくて 関西でも 専門店 副業の所 多いですよ
それだけに 今 ブリーディング おこなってるショップ 熱いもの感じます
本当、かつてのディスカスって知れば知るほど
実態を伴わないバブルそのものですね。
崩壊したのも早かったようです。
これから先、低品質でいい加減なモノは生き残れないでしょうから、
大人の趣味としては良い方向に行くと思いますよ。
良い趣味ですよね、ディスカス。
ただ、狭い世界であるが故に普通の市場の原理が成り立たない部分があって…
もっと趣味人口の裾野が広がらないと望めない事かも知れませんが
長く続ける大人の趣味として更に成熟してほしいですね。
コバルト、ブリリアント、レッドターコイズ(ロートターキス)
…今残っている品種って、昔作出された魚がルーツである事がほとんどですね。
中にはピオワルスキーのロートターキスのように原種から再度作り直した魚もいますが。
当時、せっかく盛り上がったディスカス熱の気運が品質と価格の低下であっというまに
崩壊した…残念な話ですね。
ディスカスで大儲けなんて時代は二度と来ないでしょうし、
その方が良いと個人的には願っております。
良い魚が適正な価格で手に入り、ゆっくり時間をかけてこの趣味を楽しめる事…
目の色変えて次々新しい品種を求め、ディスカスを大量生産していた時代より
よほど幸せな気がします。
一度 完成して それが 種として 定着しなかった 青系統
完成して 逆に 種として 値打ちなくなった 赤系統って イメージですね
後者は 不思議で 仕方ないですが
実際 自分で 飼うと 体調で 色の変わる 表情のある魚 楽しいですね
フルベタの青、今では多くのショップで見かけますが
欲しいと思わせる魚は少ないですよね。
その中で、自分にとってアクアマイスターは貴重な存在です。
昔の赤系は完成度高い個体が多く見受けられますが、赤のソリッドやRRBのライン表現は累代での維持が難しく
原種の血が必要だと聞いた事があります。
秋水がある程度自分の中で満足いったら、次は赤のソリッドに原種から挑戦してみたいです。
自分が満足できるかどうか?
アマチュアですから、過程を楽しみたいですね。
ともさんの仰る通りだと思います!
近所のペットショップで 空白の17年のディスカスの歴史 見るために 本 半額だったので 10月くらいに 10冊ほど 買って 勉強しましたが いまいち 品種の系統 わからんものが 多いですね
一番 新しい98年のディスカスイヤーブック 見て 基本の青系個体 探すために ショップ探しも ほとんど閉店
実物 見ないと なかなか 購入意欲 湧きませんからね
4月まで 仕事 忙しいから ゆっくり 次のステップ 考えます
日光岩魚さん 手本に・・ と 思ってましたが 秋水 かなり 理想の形 過ぎて あれ以上 難しそうって 心折れかけてます〓
まずは いろんな魚 見てみます
関西 かなり 専門店なくなって 来てますからね
ワイルドは いい店 多いんですが
腰を据えて良い魚を探してくださいね。
自分は、イメージに合う種親を探してショップ訪問をしている時が一番ワクワクします。
秋水は、アマチュアが発信する現在のコバルトのひとつの表現に過ぎません。
青系でも、細かい所を詰めればまだまだ良い魚は作っていけると思います。
ぜひ!ともさんの理想のディスカスを作って発信してください。