GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

飼育者の視点2 餌について

2011年04月21日 | ディスカス

久しぶりにディスカス撮影をしました。
コンテストが延期になり、まずは写真での品評をしてくださるとの事で、水槽掃除して気合を
入れたのですが、久しぶりに撮影すると実に難しいんですね…水槽撮影って。

今回は久しぶりのディスカスネタという事で、餌について書いてみようと思います。
餌についても、濾過同様に、ショップや飼育者で随分違いがありますね。
アカムシだけの飼育、ハンバーグメイン、ドライフードメインなどなど…
結局、ディスカスのエサは何が良いのか?
経験から申しますとまず、アカムシだけで幼魚から若魚へと十分に育ちます。
アカムシはハンバーグと比べて水を汚しにくく優れた栄養価を持っているようで、アカムシだけの
単一飼育でも普通に育ってくれます。
ただし…自分は生後半年~7ヶ月程度でハンバーグも併用し始めます。
これには私なりの理由がありまして…かつて一度だけ成魚まで1年以上アカムシによる育成を
試みた事があります。ハンバーグ併用と比べて若干成長は緩やかになりましたが、それでも成魚
サイズまでちゃんと育ちました…が、同腹で水槽を分けハンバーグ併用に切り替えた魚と比べると
自分の思うような魚には育ちませんでした。
特にどこが悪いという訳ではないのですが、全体の印象がいまひとつパッとしない…
大きさ、体型、発色、どれを取ってもいまひとつインパクトに欠けるというのが正直な感想です。
これは個人的な好みの問題も多分にあるのでしょうが、それから自分は若魚~成魚の過程と
成魚飼育では必ずハンバーグを併用するようになりました。
自分の場合はコンテストに出品するという目的もありますが、何より趣味で育てている魚を自分の
好みに合わない魚に育てて、我慢しながら飼育する必要は無いという事です。

これは決してアカムシ飼育を否定するものではなく、個人的な好みの問題です。


久しぶりの自家産虫食いコバルト。うーん、照明変えてみたら奥の魚がケバく写るような。

アカムシはユスリカの幼虫で、アマゾンでもこれに近い物も捕食しているのだろうと思います。
ただ、ワイルドが現地で捕食するエサはアカムシの類(?)だけではないと思われます。
今までの飼育における様々な試みの中で、特にワイルドディスカスは小さなネオンテトラなど
口に入るサイズの魚やヌマエビ等の甲殻類を好んで食べてました。
また、茹でたホウレンソウやクロレラのタブレットにも餌付きました。
硝酸塩の低下目的で浮き草にしているウォータースプライトも時おり食べていたようです。
恐らく、ワイルドは小さな魚や藻エビの類、水生昆虫、藻類なども食べているのではないでしょうか。

けれども、これらの食材を常時準備するのは容易な事ではありません。
とは言え、ハンバーグで自然下での栄養価を完全に代用できるという物でもないでしょう。
ただ…調べてみると牛ハツに優れた栄養価があるのは事実で、アカムシ単一だけで足りない物も
だいぶ補えるだろうとは考えています。
さらにハンバーグに餌付くと必要に応じてスピルリナやビタミン剤、薬なども混ぜて与えられる
メリットがあります。


ひと月ほど前ですが、自家製ハンバーグを久しぶりに作ってみました。
写真はハツのスジ油を取った段階。
以前、自作した時はニンニクやらビタミンやら混ぜ物を入れ過ぎてエサ食いが極めて悪かった
苦い経験があります。
今回はなるべくシンプルに鮮魚店や青果店で手に入る自然食品を使って何パターンか作って
みました。


それぞれベースは牛ハツですが、ムキエビ、白身魚、サーモン、海草、クロレラなどを練り込み
1枚ずつ違うハンバーグを製作しました。
水中のバラケ具合もテストしたくて、粗挽きの物、細かい物、グルテンを混ぜた物も仕込んで
あります。


エサのやり方は大きめのブロックをひとつだけドボン!
少量を少しずつ与えるやり方をしている人には反感を買うかもしれませんが
これが自分流のエサの与え方で、ちゃんと理由もあります。
目的は「エサを残さず縄張りを主張させないため」…何だかセオリーに反して矛盾してるようですが、
要はひとつのエサで競争心を煽り、全ての魚がエサに群がるため、ボスが独り占めするヒマを
与えない作戦です。
のべつまくなしに四六時中少量のエサを与えるよりこちらの方が魚が活気付くと感じ、
自分の給餌は以後ずうっとこのやり方でして…
もちろん、縄張り争いで打たれすぎて臆病になった魚や、調子を崩してる魚が居ると
逆効果にも成り得る諸刃の剣ですが…
何にせよ、普段の水槽管理や飼育匹数に気を使い、魚達の調子が好調な事が大前提です。
(その為のスポンジフィルターローテーションでもあります)
うーん、グダグダ書くより動画を見てもらった方がいいですね。

動画は虫食い120水槽で生後8ヶ月~2年までの混泳。ハンバーグは上の自家産の1枚です。

DISCUS オリジナルハンバーグ.mov

エサを与えてから食べ終わるまで2~3分。
量を与え過ぎない事もポイントで、これで全ての魚にエサが行き渡ります。
時にセオリーから外れてみると、新しい発見があるかも知れませんね…
発見が無い場合も多いですが(笑)
趣味ですから遠回りも許されるんです。
写真もそうですが、自分なりに考えたり試したり、工夫する要素が皆無であったら、
それはもはや単純作業の繰り返し…趣味と呼べないかも知れません。
でも、これが仕事だったら…あわわ
それではまた。


アジアンガーデン

2011年04月13日 | その他

昨夜ニュース番組を見ていて…
日光の中禅寺湖畔にあるホテルが福島県の被災した方々に無料で部屋と食事を提供し、
避難所として被災者の方々を受け入れている事を知りました。
そのホテルの名前はアジアンガーデンホテル。オーナーはバングラディシュの方です。


驚きました。日本人を助けるために、外国人がそこまでしてくれています。
しかも、受け入れている被災者の多くは福島県の南相馬市から来た介護を必要とするお年寄りです。
「日本に来て25年。今まで日本にしてもらった恩を今こそ返したい」
彼の言葉に、日本人として胸を打たれました。

思い立ったら即行動。本日、仕事がひと段落したところで直接ホテルに連絡を取り、支援物資を
提供したい旨を伝えました。
余ってる物を届けても意味が無いので、今足りない物、必要なものをお聞きして、
ディスカウント店で購入しました。
野菜ジュースや介護用のウェットティッシュなど、現場の声を聞かないとなかなか思いつかない
ものですね。


子供が帰宅してから、一緒に向かいました。
上の写真はいろは坂を上った所にある明智平駐車場。トイレ休憩で寄りましたが、自分達以外
車は一台もいませんでした。
震災の影響か時期的なものか、この時間に奥日光に向かう車はほとんどなく、淋しい道程です。


アジアンガーデンに到着したのは午後6時半。
夕食中にお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。
現在、宿泊の問い合わせは全部キャンセルして被災者を受け入れているそうです。
援助があってもなかなか出来る事じゃありません。
皆さんの笑顔が見れて少だけ力になれたのかなと、嬉しくなりました。
子供も何か感じてくれたと思います。

この震災は伝え聞く被害の大きさから考えて、復興に長い時間が掛かると思われます。
そうであれば支援に関しても、一過性の物ではなく長期に渡って展開する必要があります。
自分の日常生活と仕事をこなしながら、無理のない範囲で支援を続けて行くつもりです。


中禅寺湖畔の夕日。
また近々、美しい風景を撮りに来ようと思います。

アジアンガーデンHP
http://asiangardenjapan.com/


春のうららの隅田川…

2011年04月11日 | 写真ネタ

今日はいきなり車の話からです…
実は自分、自動車関連の仕事をしていながら、最近の車に興味を持てないでいました。
若かりし頃、最後に乗ったスポーツカーのRX7(FD)を手放して以来、もうこんな楽しい車に出会う
事は無いだろうと思うと急速に熱が冷め、車なんて屋根とエアコンが付いてりゃ何でもいいやと
いう感覚でいました。

そんな感覚だから、プライベートも仕事兼用で経費の安い軽自動車に乗っていたのですが
15万kmも走るとさすがにガタが来て、3月始めからディーラーで新車購入の商談を進めてました。
購入検討していたのはホンダのハイブリッド車とスバルの水平対抗4WD。
ハイブリッドは燃費と環境重視の選択でしたが、スバルは撮影に雪山に行く時に、スノードライブを
楽しみたいという、少々邪道な目論見があり、マニュアル車で商談を進めていたんですね。
で、試乗してすっかりスバルが気に入り、いよいよ契約という段階で震災に遭遇。



震災から数日してディーラーに足を運んだのですが、予想していた通り工場の稼動が止まって
いたため、納車はいつになるか判らないとの回答。
まずは、契約完了しているお客様最優先で、それさえいつになるか判らないそうで…
震災前に契約を済ませていなかった事を激しく悔やみましたが後の祭りです。
今の軽も車検が近く、慌てて新古車を探すハメになりました。
ドライビングに対する熱も冷め、沢山荷物が載ればそれでいいやと、即決断。
少々高かったですが、ホンダのステーションワゴンに決定です。
新車同様だったので外観と内装、エンジンの確認だけで試乗もせずに即購入。
エンジンがVTECとか、CVTだけど7速のマニュアルモードが付いてるとか、納車してから
知りました(笑)

正直、ステーションワゴンに走りを求めてどうする?と全く期待していなかったのですが、
走り出してみるとこれが実に面白い!精密機械のように気持ちよく回るホンダエンジンと、
オートマCVTの段付きの無い加速。
スポーツモードにおいては7速パドルシフトはタイムラグ無く小気味良くギアチェンジ出来、
素人の自分にはマニュアルより早いシフト操作が可能です。
車体もステーションワゴンとは思えないくらいハンドリングが良く、キビキビと走ります…
あんまり面白くて納車した足で日光宇都宮道路に乗り、そのままいろは坂を駆け上がってました。

そりゃ、RX7と比べればドキドキ感と刺激は薄いのは当たり前ですが、RX-7を本気で走らせようと
思ったら免許と命がいくつあっても足りません。
この車、実用域で楽しめます。撮影の山道が楽しめて買い物も仕事もバッチリ。
おまけに、環境性能は4つ星。技術の進歩って凄いですね。
食わず嫌いはいけないと痛感…この車、気に入りました。

という訳で日曜日は家族サービスも兼ねて隅田川に花見ドライブに行ってきました。


春のうららの隅田川…墨田公園とスーパー堤防は凄い人手です。
屋形船も沢山出ていて、賑わっていました。
自粛ムードからか、出店などは少なかったですが、この日ばかりは大人も子供も、桜の美しさに
笑顔を取り戻していました。


634メートルに達したスカイツリー。
墨田公園からもよく見えます。望遠で圧縮効果を狙うとこれだけ引き寄せられます。


春風に乗って、カモメも気持ち良さそう。


いまだに続く余震。なかなか収束しない原発問題。

長い冬を越えて、必ず春に咲き誇るこの桜のように、
日本が今の危機を乗り越え、必ず笑顔が戻る時が来ると信じて
今日も自分の出来る仕事をこなしていきます。


冬景色も終わりです

2011年04月09日 | 日光・自然

震災からもうすぐ一ヶ月になりますね。
毎日忙しい日々が続いています。
仕事では工場が被災したメーカーからの業務依頼が集中し、昼夜体制を敷いて対応しています。
昼間は地震でレベルが狂ったり、破損した機械の調査診断に設計者として出向き
夜はパソコンの破損や建屋修繕のためメーカー内で対応しきれなくなった設計を引き受けています。
被災を免れた他の設計、製作会社にも協力してもらいフル稼働で臨んでいますが、
まだまだ人手が足りません。
今、自分に出来る仕事を精一杯やる…それが日本の復興に繋がると信じて、
今日も図面を引いています。

そろそろ、ブログの方も通常通り再開して行こうと思います。
今回は、この冬撮影した風景写真をまとめて…奥日光の撮影は何度も行っていたのですが、
掲載するチャンスを逃していました。


夜明けの中禅寺湖。山の端に沈んで行く月と漂う霧。


湯滝。コントラストが高い風景はモノクロで映えますね。


華厳の滝は去年より見事なつららが成長していました。


湯川。この日はマイナス10度を下回る寒さでしたが、日が照るとほんのり暖かさを感じます。


戦場ヶ原の雪原。夜明け前からヘッドランプを点けてトレッキング開始。
夜明け直前の薄明かりで風が描いた紋様が青く浮かび幻想的です。


戦場ヶ原は標高が高く、雪質は驚くほどサラサラなパウダースノウ。
風、地形、パウダースノウの条件が揃うと、時々こんな不思議な造形を見せてくれます。
より質感が出るように感じるので、モノクロ掲載。


雪原に点々と続く小動物の足跡。テンかイタチかな?
野生の姿を写真に捉えたいのですが、なかなか難しいです。


今年も、湯元の氷像祭りに行ってきました。
開催から数日経って、少し溶け出してディテールが甘くなっていましたが、この位の状態が
氷の透明感があって好きです。
写真で氷の質感を出すのは思った以上に難しく、設定に苦労しました。

冬も終わりですね。
明日以降、合間を見て桜を追ってみようと思います。
できれば、久しぶりに思う存分写真撮影に没頭したいですね。