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GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

育成記録と新濾過装置その後

2013年12月06日 | ディスカス繁殖

現在育成中の秋水若魚も、ようやく8ヶ月を過ぎました。
毎日全換水だった幼魚時代の育成は既に終わって、成魚と同じ飼育に切り替えています。


青色も乗りつつあって、体型、柄もだいぶ秋水らしくなってきました。
シャープなオデコ、秋水らしい体型を崩さないよう餌は自家製と市販を織り混ぜながら気を使って
与えています。
赤虫、ハンバーグ、それと栃木の某養魚場で分けてもらった養殖飼料…
自作ハンバーグにおいてはこれまで様々な試作を試みましたが、現在は牛ハツ、むきエビ、海草、
スピルリナとなるべくシンプルなレシピを心がけています。
前世代の秋水に、ごくたまに与えていたアスタキサンチンは、今回の育成では与えていません。
秋水の虫食い表現にアスタキサンチンは不要だと悟りましたので…

今回の記事ははここまで育成した秋水を成長記録で振り返ってみます。

2013年3月29日

この写真は孵化後6日くらいです。数が結構採れたので、親のダメージが強かったですね。

2013年5月3日

ブラインから赤虫に切り替えた頃。
縄張りも争いもなく、無心にエサをパクパク…何度繁殖してもこの時期の幼魚はかわいいもんです。

2013年6月8日

人間で言えば小学生くらいですね。
この頃から発色が始まり、虫食い柄も出てきます。

2013年8月5日

柄は完全に虫食い表現。顔の1本目を除いてバーチも薄れはじめ、大人に近づき始める時期。
実はこの頃の幼魚が育成の過程の中で一番好きだったりします。
食欲旺盛でビックリするくらいエサ代もかさみますが(笑)


そして現在。
だいぶ成魚っぽくなって来ましたが2年魚と比べるとまだまだです。


今回の秋水乙は、私が思い描く理想にだいぶ近づいてきました。


ディスカスを楽しむという事は繁殖にせよ育成にせよ、その過程を楽しむ事だと思います。
繁殖を繰り返すとどうしても過程を楽しむ気持ちが希薄になりがちで、美しい魚を欲するあまり相手が
生き物であるという大前提を忘れそうになります。
ディスカスは宝飾や工芸品ではなく生き物ですから…趣味の生き物飼育はその過程を楽しめなく
なったら苦痛が待っています。
水換え、濾過掃除、エサやりとあらゆる世話が辛くなるだけでしょう。
これが仕事なら仕方ありませんが、楽しくない趣味を無理に続ける理由はありません。
今も私は、ディスカス趣味のその時その時のシーンと過程を楽しんでいます。


最後に、以前の記事で書いた「新しい濾過の提案」のその後ですが…
http://blog.goo.ne.jp/nikko_iwana/e/582663ddeee2f1a35d4a5cc6a91987cc

その後、設計は終了し部品の見積もりを行ったのですがステンレスの削り出し部品が多くだいぶ
高価になりました。
最初はマイクロバブルのテストと調整のデータ取りが目的ですから、いきなり本番の高価仕様は
必要無く、物置に眠っていたアクリル水槽流用で低コスト化の再設計をしました。
上の写真がそのアクリル水槽バージョン製作過程ですが、原理、機能、水圧回路などは以前の記事と
まったく同じ仕様で、コストは1/3以下です。
ドリル、ノギス、カッター、ホールソー、プラハンマーなど、工具類は全部持っていましたので費用は
接着剤や配管部品、アクリルプレートなどの材料部品だけで済みました。
オリフィス流速を計算し、圧力損失を加味するとそこそこの高圧ポンプが必要になりますが、
最近は小型でも優れた物がありますね。定格50W程度のモーターでいけそうです。
配管の取り回しなど、設計から変更した部分は常に変更履歴を付けて図面データにフィードバック。
最終図面をしっかり仕上げることで、以後まったく同じものを何十台でも何百台でも作れるわけです。
現在、ポンプとノズルの入荷待ちですが、年内には稼動できると思います。
そのうちこのマイクロバブル濾過装置の詳細も記事にするつもりです。


女豹系

2013年10月15日 | ディスカス繁殖

虫食い回帰プロジェクトがスタートした頃にくらべ、だいぶ秋水の固定率が上がりました。


こんな感じで現在育てている秋水の幼魚(というよりもう若魚?)は全部虫食い表現です。
まあ、表現が決まらないうちから淘汰をしているので、とても固定率100%とは言い切れませんが、
つまるところ、品種改良では選抜交配が一番大切な行程になってくると感じました。
〇〇と××を掛ければ△△の出来上がり!みたいな単純なものではなく、せっかく良い種親で仔を
採っても先で繰り返す選抜交配を間違えると、迷宮にはまってしまいかねません。
この辺り、「遺伝学」と「品種改良」の学術書がずいぶん役に立ちました。


虫食いが定着し、どれも同じような表現に見える秋水ですが、ここまで改良を重ねてみて、
ある事に気付きました。
どうも♂と♀でライン表現の特徴が違うんですね…それもかなりの高確率で。
♂は虫食いラインが繋がりやすく、たとえ途切れ途切れであっても♀よりも虫食いが疎なんですね。
そして♀は虫食い表現が細かく密になると。
百聞は一見にしかず、いくつか個体をアップして見てみると…


こいつは♂です。間違いない…


これは♀


これもまず♀かと…


これは♂でしょう


こいつは虫食いが途切れていますが恐らく♂。まだ確認は取れませんが繁殖者のカンです(笑)
かつて、改良途中でライン表現が中途半端だった頃はこんな違いは見られなかったのですが、
改良が進み、強いラインが出てくるようになって♂と♀の違いが顕著に見られるようになりました。

ただ…ラインが密になる♀は何故か気が強くなる個体が多いように感じます。
正確には気が強いというより、メスとしての本能が強い…そんな気がします。


こちら、累代を続けてる秋水甲タイプ繁殖の最新の様子。ラインが一番密に入ってるメス親と卵。
順調に行けば明後日には孵化するはずですが、黒潰れするくらい黒化して卵をガン見してます。
このメスは前回の親バッククロスでも使ったのですが、産卵を終えると餌をまったく食べなくなり、
孵化するまで必死に水流を送り続けます。
絶対に食卵もしないし、100匹以上の稚魚が体着してもじっと耐え続け全力でミルクを出し続ける。
産卵までは♂と仲良く寄り添い、情熱的におじぎをしまくる面もあって、ブリードには申し分ない
資質の持ち主なのですが…


今回お相手のオスです。産卵後すぐ、混泳水槽に移しました。
といいますのも…


上の写真の背鰭付近の拡大です。おお!さすがフルサイズ鱗がバッチリ解像…ではなくて
ご覧の通りかなり傷だらけ。産卵直後からメスにシバかれまくって30分でこの有様です。
ちなみに前回バッククロスで合わせた親世代のオスは、産卵後1昼夜で半殺しの目に合いました。
その惨状たるや…外出から帰ってペア水槽を覗くと、オスはヒレが全部ボロボロで尾鰭なんか
半分以上無くなり、剥がれた鱗が底に散乱…逃げ場所が無くなり隅の水面に浮き上がっている
オスを更に攻撃し続ける黒化したメス。すぐにオスを隔離しましたが危なかったです。
産卵前はあんなにラブラブだったのに事が終わると一気に豹変…ん?メスが豹変…女豹系!?
そういや密な虫食いラインも豹っぽいような…うーん、なにはともあれ恐ろしい♀ですよ(笑)

ちなみに、女豹系といえば、小池栄子さんは好みの顔ですが、かみさんはタヌキ系です。

メスとしての本能、母性が強いのでしょうが、おかげでオスは一向に子育て経験が積めません。
この先の事を考えると、この世代で何匹かのオスには子育てまで経験させておきたいのですが。


混泳水槽でノンビリくつろぐ別のオス。
隣のペア水槽で男と女の激情型致傷事件があったとも知らず、のん気なものです。
今回、稚魚が採れなかったら次は君の番だからね(笑)


幼魚期の変遷

2013年09月27日 | ディスカス繁殖

今日は仕事を空けて写真整理と水換えでまったり過ごしてました。
ずっと張り詰めていた仕事から一時的にでも解放され、のんびりした時間を過ごしています。
過去の写真を整理していると、秋水の礎になった初期繁殖の幼魚や、ショップ導入の懐かしい魚達が
沢山出てきます。
昔は種親を探して奔走したのですが、最近、新しい魚を買ってないなあと…

初期の幼魚写真を見ていると、同じ血を分けたコバルトでありながら、秋水の幼魚とはだいぶ趣きが
違うことに気付きます。
いったい、過去の幼魚たちと最新の秋水がどれだけ変わったのか?
画像で比べてみます。

ブルーベリー6 copy

ブルーベリー6同士を掛け合わせた自家産のコピー。
色、体型の良いソリッド表現がブルーベリー6の真骨頂ですが、幼魚期は上のように虫食いが
見られる個体も出現します。…が、虫食いファンとしては残念なことに成魚になる過程で虫食いは
ほとんど消えていきました。
ソリッドとしてはこの上ない良い魚だったと思います。

オリジナルコバルト

オリジナルコバルト幼魚。アクアショップオリジナルに出向いて買い付けた幼魚です。
成魚サイズに成長するまでバッチリ虫食いが残っていたのですが、それも2年、3年と経つと消えたり
擦れたりで、ソリッド化していきました。
ソリッドと掛け合わせてもほとんど虫食いが出る、強い遺伝子を持った魚です。

グリーンxBV6

ちょっと前に紹介したグリーンxブルーベリー6クロス個体の幼魚期。
やはり中途半端ですが、体側の上部に見られる強い赤のラインが魅力的です。
こうした初期繁殖魚の血を使って系統立てた改良を試みているのが秋水になります。

以下、最新の秋水幼魚を連続で。







上の4個体は秋水乙と呼んでいるグリーンクロスの血を入れたコバルトです。
今までになく育成に力を入れたので成長が早いですね。
ブルーベリーやオリコバの幼魚と比べると虫食いラインにメリハリがあるのが判ると思います。


代を重ねて固定率もだいぶ高くなり、12匹残した幼魚も全部こんな感じです。
淘汰した幼魚もたくさんいましたが、青ベタになりそうな魚はほとんどいませんでした。
虫食い回帰プロジェクトを始めて、ようやく秋水の繁殖の方向性が間違っていなかったと確信できた
世代です。
写真で見るとたった3世代で幼魚期から別物のようですが、やってる事は地道な選抜と交配の
気の長い繰り返し…




上の2個体は秋水甲タイプと呼んでいる、グリーンの血を入れずに改良を重ねたコバルト。
グリーンクロスより若干、虫食いがあまい感じもしますが、まだ劣化は見て取れません。
先で劣化の兆しが見られたら秋水乙と統合するかもしれません。


上の写真は今の秋水の成魚達で、すっかり虫食いラインが定着しましたが…
最初に3種のの秋水プロトを作った時に思ったものです。
ここから先の掛け合わせと選抜次第で、この魚は青ベタにも虫食いにもラインにもなるなと。
選抜交配は、最初の礎になる種親選びと同等に重要だと、改めて実感した次第です。


原種グリーンクロスと秋水の関係

2013年09月12日 | ディスカス繁殖

まだディスカス飼育人口がそれなりにいて、ワイルドディスカスが入荷する傍からバンバン売れて
いた頃…ワイルドを扱うショップではよくピン抜きと呼ばれる、常連客だけを集めて上物を先に選ばせ
る販売形態が取られていました。
まあ、当時はフェアじゃないとかいろいろ言われてたピン抜きですが、業界がまだそれだけ熱かったと
いう事なのでしょう。
私も一度だけ誘われて見学に行ったのですが、一晩でビックリするようなお金が動いていました。

そしてあの頃、あれだけ熱意を持ってワイルドディスカスを探し回ってた人の多くが、今はディスカスを
止めてしまっているのもまた現実です。
ディスカスは衰退の一途だと言われますが、ディスカスを続けている人たちにとってはある意味
良い時代だとも言えます。上等なワイルドに良心的な値段がつき、入荷してしばらくストックされている
ケースもざらで、シーズンが過ぎると、おっと思うような魚が処分セールになってたり…
ワイルドも腰を落ち着けて購入できる時代になりました。


上のテフェグリーンは当時、通販で買った魚です。
そのお店も今は、ディスカスの扱いをやめてしまっていますね。

ほとんどスポットが出てない残り物?の若魚を数年飼い込んだ魚で、グリーンらしい横長体型ですが
自分にとっては宝物でした。
後に改良繁殖に目覚めた自分の秋水乙系統の礎にもなった魚です。
この魚を幼魚から育てたブルーベリー6に掛けて採ったのが秋水プロトですが、最初はコバルトと
ワイルドを掛け合わせることについて、メールや立ち話などで反論されました。
自家産ショップの中にはコバルト系を看板魚として扱う店も多く、それぞれにコアなファン層がいます。
有名品種直系の魚を系統維持する店もあれば、ドイツや国内から探した拘りの青系を掛け合わせた
新しい系統を作る店もありますが、それぞれにプライドとポリシーがありますね。
そういう拘りのコバルトにワイルドの血を混ぜて、素人が雑種を作るとは何事か!という訳です。

プロのコラムにも、コバルトにグリーンを掛けても中途半端な表現にしかならず、今まで多くの人が挑戦
して同じ結果を辿って、意味がないとありました。
コバルトを改良できるのは良質なコバルトの血しかないと…
それでもやってみなければ納得できない自分は、グリーンxコバルトの禁断?のクロス個体を
採ってしまったんです(笑)で、その結果は…


ご覧の通り、皆さんの仰るように、まあ中途半端なクロス個体が出来上がりました…(笑)
これはグリーンなのかコバルトなのか?横に長い体型と雰囲気だけは親のグリーンにそっくりですが。
まあ、自家産ショップならとても販売に踏み切れないような雑種F1の出来上がりです。

…が、自分にとってこの魚は中途半端な反面、磨けば光るダイヤの原石に見えました。
青ベタなブルーベリーの体表に出現した半端な虫食いラインと全身から漂うワイルド臭…
荒削りですが、体力があり生命力が強く、♂♀共に繁殖力旺盛。
改良種で時おり現れる、草食系男子&お子ちゃま未成熟男子や激しいDV野郎は出現せず、
受精率も高かった。なかなかエロい魚でしたね(笑)


上のグリーンクロスの若魚時代。やはり荒削りですが、いろんな事にヤル気満々な魚です。
まあ、多くの人がその中途半端さや体型に失望し、F1でやめてしまうのも理解できますが、
自分にとっては出現したこのラインと生命力こそが一番大事なポイントで、ネガな部分は目をつぶる
ことが出来ました。まあ、欠点はコバルト主体の改良の過程で消せるだろうと…
以後、この血を生かしながら改良を進める系統作りを決意します。


こちらは同時期に採ったブルーベリーとオリコバのコバルト同士F1。
まだ改良の余地はありますが、原種クロスと比べると、やはりF1から完成度が違いますね。
ブルーベリー体型にオリコバ虫食いライン…手っ取り早く結果を出せましたが、世の中そう甘くない?
原種クロスと比べて長い目で見るとどうなのか…インブリードに切り換えた後、結果が出るのは
これからです。


こちらはグリーンクロスの血を引くF2♀。中途半端さはだいぶ薄れましたが、体型をもう少し…
繁殖力はやはり旺盛で子育ても上手く、多くの子を残してくれました。

以下、グリーンクロスの血を引く最新の若魚を3連発で。






ここまでの成長過程を見る限り、同時期の歴代秋水では一番の仕上がりになってきました。
ネックだった体型も修正でき、虫食い柄もコバルト同士のF3よりハッキリしています。
グリーンの血はだいぶ薄まっていますが、インブリードの秋水甲タイプに無いシッカリ感があります。
F3にしてようやく原種グリーンを使った効果が現れました。
ここから先は予測でしかありませんが、雰囲気からインブリードの耐性は甲タイプより強そうです。

結局、グリーンクロスとは何なのか?人によって回答は様々でしょう。
ここでは秋水の繁殖にグリーンクロスの血を入れた私の経験から書かせていただきますが…

グリーンクロスのF1は確かに中途半端な物が出来上がります。
この先、改良していくのは気の長い話で、初めての方なら先の展開が未知なわけですから、
アマチュアがF1を見て繁殖継続を見限ってしまうのも解ります。
幼魚育成の苦労や淘汰選別を考えると、体型や発色、柄と、なるべく最良の個体を種親に使いたい
のが人情ってもんです。
これが良心的なショップなら尚更、品質を見極めなければならず、中途半端になると解っている、
言わば雑種のグリーンクロスF1の幼魚販売はしないと思います。
グリーンクロスの効果を明らかに実感できるのは2~3世代後になりますが、販売に漕ぎつけるのに
時間が掛かっても、3年以上掛かったコストを全て販売魚に乗せるわけにもいかないでしょう。
コバルトと原種グリーンのクロス繁殖はプロにとって極めて非効率…生産性の低い仕事と言えます。
アウトプットがなかなか出ない物に、普通プロは手を出しません。

反面、趣味に徹するアマチュアなら時間と手間を掛ける覚悟があれば、お金を払っても得られない
大きなメリットを手に入れる事が可能なのです。

ここで勝手にグリーンクロス格言…
「原種クロスはF1にして成らず」
「桃栗3年クロスも3年」
「美人は3日で飽きるが(ブスな)F1は3日で慣れる」


初期の頃からすると秋水は私の理想に近づきましたが、まだまだ先は長そうです。
秋水の改良、維持を続けるにあたって、またいつか原種グリーンの血が必用になると思います。
あと3~4年先で良いのですが、またテフェが解禁になる日が来てほしいですね。
種親水槽にストックしている初期のグリーンクロスは、あと1匹…しかも老いて結構ヨレヨレです(笑)


育成

2013年08月06日 | ディスカス繁殖

昨日は魚の水槽入れ替えを行いました。
90背高水槽で育成していた秋水幼魚を120水槽に移し、120の住人だったブルーベリー自家繁殖や
初代グリーンクロスなどの旧種親を90背高へ移動。


やっぱりガラス水槽の写真映りは良いですね。写真撮影と観賞が大きなウェイトを占める自分にとって
大切なポイントです。

幼魚から若魚に変貌を遂げるこの時期、繁殖者は自分の方向性が正しかったかどうか?
一様の成果を知ることができます。



種親の選定は間違っていなかったか?
選別基準を誤っていなかったか?
育成の方向は正しいのか?
水温、水流、エサの種類、給餌頻度、水換え方法、濾過、メンテナンス。

正しかったかどうか判断基準は常に自分の中にあり、結果は魚が教えてくれます。
要は自分が理想とするディスカスのイメージに近づいてるかどうか…です。


私の理想に近づけるには…幼魚期の飼育密度は過密過ぎても少な過ぎてもダメでした。
集団を形成しながらも自己主張が激しくなって来るこの時期、水槽内で彼らが営む小さな社会は
飼育育成においても重要な鍵になると考えています。

給餌も、のべつまくなしにエサを与えていては水が汚れるだけでなく競争心が弱って魚がボケたり、
逆に強い魚が残飯を巡って変な縄張りを持ってしまいます。
腹を空かせて水槽内を機敏に回遊する時間と、満腹で緩慢になる時間…メリハリをつけてやるのも
コツです。

上手く言えないのですが、こういう環境の要素がディスカスが成長した時の顔付きや雰囲気になって
現れてくると感じます。


ディスカスの繁殖育成に関して、今もメールをよくいただきます。
中には「ショップ〇〇の△△さんがこういってますが、日光岩魚さんはどう思いますか?」
あるいは「同じ青系なのに〇〇〇〇〇(品種名)の血を秋水に入れないのはなぜですか?」
というメールもいただきました。

ディスカスは趣味の世界です。
自分が納得できる、やってみようと思う事はどんどん取り入れてみるべきです。
自家産に取り入れる他の血も、自分が入れたいと思える魚なら入れてみるべきです。
入れたくないと思うなら、ブランド名などに惑わされず候補から除外すれば良いだけです。
自分がやった事のない飼育法、実物を見てもいない魚のことをとやかく論説する事など
私にはできません。
大切なのは自分で咀嚼し、考え、判断することです。

以前にも書きましたが、私は説明が理解できる、納得できるやり方は失敗を繰り返しながら
どんどん試してきました。
実際に私の飼育はアクアマイスターで芦田さんやベテランに教えてもらったり、コンテストなどでの
情報交換、ネットで得た知識を試し、取捨選択して確立してきたものです。
自家産魚に導入する血に関しても見たい魚、欲しいと思う魚がいれば、初めてのプロショップでも
遠くても躊躇なく訪れ、正規の金額で購入しました。

こうした交流の中で、相手の話に耳を傾け、時には固定観念を捨てるのは大切な事です。
それが例え、ディスカスをこれから飼いたいという人の話でも時にはハッとさせられたりするもので…
この趣味は一人で過ごす時間が長く、プロもアマも井の中の蛙に陥りやすい側面を持っていますが
自分の飼育が上手くいってるからと、他を否定したり耳を貸さなければ進歩は止まります

まあ…反面、話を聞いても理解できない器具や飼育法は最初から取り入れず、欲しくない魚は無料
でも要らないという矛盾した自分がいるのも事実ですが(笑)。


大切なのは、自分で考えることです。
もしディスカス飼育から自分で考え判断する要素が無くなり、人から言われた事を単純労働のように
繰り返す毎日であったら、こんなつまらない趣味はありません。
自分などはきっとディスカスを止めてしまうでしょうね。
考える要素、未知の要素が残っているからこそ、ディスカスを知る事はおもしろい…



残り15匹にまで絞った秋水。
最終的には10匹程度に絞らなければなりませんが、この先は本当に甲乙つけがたく難かしい。
目の赤さ、体型、発色、柄の表現…累代を重ねるにつれ秋水の固定率は上がっていますが、それがまた
判断を難しくさせます。


奇形の見分け方

2013年05月22日 | ディスカス繁殖

ディスカスの繁殖で必ず直面する問題と言って良いのが生まれてきた幼魚の奇形。
少ない時にはほとんど出ないのですが、出る時は数パーセント以上の確率で出ます。
奇形の箇所や度合いは様々で、簡単に見分けがつくほど判りやすい物であれば良いのですが、
中には症状が微妙で判断が難しい場合もあって、過去にはプロでさえ見逃して販売してしまい、
指摘されていたケースもありました。
先日、奇形を見分けるポイントについてメールで質問がありました。
初めて直面した時に奇形の判断に悩むケースは大いにあると思います。
そこで…今回は過去の記録画像をもとに判りやすい写真で解説してみます。

※これから公開する画像は人によってはグロテスクと感じ、気分を害されるかも知れません。
 そういうのが苦手な方は読み進めるのを止めてください。


私の場合、幼魚育成の過程で選抜を始める前に、まずは奇形と判断したものを全て淘汰します。


口が大きく曲がっています。
これほどハッキリ見て取れるなら遠目にも判りますが、口曲がりは微妙なケースも多いです。
厳正に判断するためにも、正面からまっすぐ魚を見て、体の軸と口の位置を確認するのですが
判断基準をシビアにすると予想外に多く淘汰しなければならないケースもあります。


真ん中の個体、周りと比べて明らかに成長不良ですが、それ以前に明らかに顔付きがおかしく、
目の下のエラ蓋が完全に落ち込み、くぼんでいます。
ここまで酷くなくてもエラ蓋がくぼんでいる魚は後に成長が遅れる事が多く、
気がついたら淘汰した方が無難です。


左右の眼球、黒目の大きさが明らかに違います。
水槽で遊泳している時は片面ばかり見ているので気付き難いのですが、正面から観察すれば
すぐに判ります。
目の奇形は他にもあって、埋もれていたり黒目が欠けていたり未発達で無かったりと様々です。


この個体はエラ蓋が無く、鰓弁ばかりか鰓弓まで見えていました。
ここまで鰓の欠損がある個体は稀ですが、鰓蓋が短く、閉じても隙間から中身が見えている
個体は結構います。
昔、ワイルド成魚でも鰓の短い魚が完品としてべらぼうな値段で売られているのを
見た事があり、以来私がディスカスを購入する際に必ず見るポイントです。


私が選別を行う時、必ず使う小型のプラケースです。
ここに1匹ずつ掬っては入れ、前後左右からしっかり観察して選別していきます。
こうする事で網で追い回してるだけでは気付き難い微妙な奇形も見つけ出す事ができます。
まあ100匹もいたら大変な作業ですが、自分の中での通過儀礼みたいなもので…
生かす魚、淘汰する魚を自分で決めるのですから、真剣にやってます。
ちなみにこのケース内の幼魚も奇形なのですが判るでしょうか?目と頭部の稜線が異様に
近過ぎて全体におかしな雰囲気を出しています。
いくつもの繁殖をこなし、幼魚を見慣れてくると、パッと見た時の違和感でも一定以上の
奇形は見抜けるようになるはずです。


写真は用意してませんが、他に奇形として早期淘汰する私の基準として
「各ヒレの欠損」「極端に酷いバーチカルの乱れ」「成長不良」が挙げられます。
ただし、成長不良と勘違いして小さめの個体ばかり淘汰してしまうと、最後に♀が居なくなった…
なんて事も有り得るので注意してください。

選別淘汰とは飼育歴に関わらず、いつまで経っても嫌な作業です。
しかし、淘汰無くしてのブリーディングは有り得ません。
奇形魚の選別はまだ納得してできますが、本当に辛いのはその先で正常な幼魚も減らして
いかなくてはならない事です。
初めてのブリーディングは驚きと発見に満ち溢れ本当に楽しいものですが、ネガティブな面からも
目を逸らさず、覚悟して取り掛かってください。


幼魚育成一問一答

2013年05月16日 | ディスカス繁殖

仕事で缶詰め生活が長く続き、すっかり足腰が弱って体重もやばかったです。
今週は空いた時間を徹底的にスポーツジムに費やし、筋力も戻りつつあります。
iphoneに好みの音楽を入れ、イヤホンで聴きながらタップリ2時間トレーニングに費やすのですが、
お気に入りのアーティストは椎名林檎姫…
ランニングBGMはアルバム「深夜枠」から抜粋した「ハンサム過ぎて」で決まりです(笑)
体も軽くなってきたことだし、そろそろ山登ろうかな?

さて、以前の記事で「幼魚育成には清浄な水が大切」というような事を書いたのですが、
魚にとっての清浄な水とは何ぞや…?
これは言ってみれば禅問答のような物で、人によって回答が異なる奥が深い問題です。

最濾過を持たせず水換えに頼る。
濾過に頼り、水替えを抑える。
濾過と水換えの両方に頼る。

いずれも状態良く幼魚育成が出来ているなら、ある程度は清浄な水で育成できているという事です。
とは言え、濾過を持たせたり持たせなかったりと言ってみれば正反対の管理ですからややこしい(笑)
最近この、水質管理を含めた様々な質問をメールでいただく機会が増えているのですが、
中には具体的に的を絞った良い質問があり、同じ事を悩んでる方は他にもいらっしゃるはずです。

そこで…今回のディスカスネタはいつもと少し趣向を変えて、幼魚育成に関してメールで頂いた
質問に私が答えたものを一問一答形式でそのまま載せてみます。
この先、繁殖を楽しもうと考えている方の参考になれば幸いですね。
(質問をいただいた方には掲載の許可をもらってます)


Q1.稚魚を親から離すタイミングはいつでしょうか??長く付けている方が、先の免疫の話では
   有利な気がするのですが、日光岩魚さんは、どうされてますか?

A.私の場合、親から離すのは体着後2週間~20日くらいです。(仕事の状況により変わります)
   ただし、ブラインは体着後5日くらいから与えはじめます。
   最初は少量ずつ与え始め、底に沈殿した食べ残しのブラインはこまめに吸い出します。
   水換えも徐々に増やし最終的には親の背丈ギリギリ暴れないくらいまで水を抜き、
   毎日水替えを実施しています。
   体着期間とブライン給餌期間を長めにラップさせるのは、ブライン捕食の開始に個体差があり、
   成長にムラを出さないためです。
   免疫云々については、早く親から離した事(1週間くらい)もありますが、とくに免疫が弱くなったとは
   感じませんでした。ただし、成長速度は若干遅くなります。
   また、ブラインはあっというまにスポンジフィルターを詰まらせるのでメンテが必用になりますが、
   このフィルター管理が肝でして…フィルター管理の方法は後に述べさせていただきます。


Q2.稚魚を親から離したあとのどんな環境で育成してますか??水槽の大きさ、フィルターは??

A.水槽は産卵時から使用している60X45X45をそのまま育成に使い、親だけを別水槽に離します。
  フィルターはダブルのスポンジフィルター1基とエアレーション用のエアストーン1個です。
  幼魚の場合、エアレーションは重要で、匹数が100匹前後もいたらエア無しでは
  あっというまに酸欠になります。
  ブラインも水中で呼吸していますから、ブラインをタップリ与えた直後は特に
  溶存酸素が不足してきます。
  私は一度、ブライン給餌の際にガラス蓋でエアチューブを挟んでしまった事に気付かず、
  エアレーションもスポンジフィルターのエアも止めてしまい、2時間足らずで100匹以上の稚魚を
  酸欠で全滅させてしまった事があります。


Q3.フィルターを使用されているとしたら、そのフィルターの管理はどうされてますか??

A.フィルターはスポンジフィルター1基ですが、フィルターメンテは気を使っています。
   ブラインの死骸や混入した殻はあっというまにスポンジを詰まらせます。
   赤虫に切り替えても幼魚は大量給餌が必要なためフンや汚れでやはり1日で詰まりドロドロです。
   こういう状態のスポンジを長く使ってはダメです。かえって濾過状態を悪化させてしまい、
   幼魚は調子を落としてしまいます。
   私が最初に繁殖を行った時は毎日全換水とスポンジを徹底的に洗っていましたが、これをやっていると
   スポンジのバクテリアはあっというまに無くなり
   ただのゴミ取り物理濾過になってしまいます。
   そこで実施しているのがスポンジフィルターローテーション。
   うちの場合、成魚の観賞用水槽(120と90)が4本あり、それぞれ4本のダブルスポンジフィルターが
   稼動していて、計16セットのスポンジが付いています。
   幼魚水槽の水換えを行う時に成魚水槽からこのスポンジを1セット抜き出し、飼育水で軽く濯いで
   幼魚水槽に取り付けます。成魚水槽には綺麗に洗ったスポンジを新しく入れ
   16セットのフィルターを16日かけてローテーションしている訳です。
   こうする事で目詰まりの無いバクテリアがタップリ湧いたスポンジを毎日幼魚水槽で使え、
   成魚水槽のスポンジも順次メンテナンスできます。
   つまり、毎日全換水+スポンジフィルターローテーションですね。
   これでも1日の終わりには水が濁って水質は悪化しますが、濾過無しや詰まったフィルターの
   長期使用よりは状態は良いです。


Q4.エサの与え方はどうされてますか?ブログでは日に4回ほど与えるとありましたが、
一回の量はどれくらいでしょうか?

A.エサの与え方ですが、まずはブラインについて。
   ブラインは一回の分量(3~5グラムスプーン1杯くらい)を500mlペットボトル1本に入れ、
   4本を時間差で沸かして与えています。
   ブラインは死んでしまうとあっというまに腐って異臭を放つようになるので、これを与えては
  いけません。   生きたまま与えるのが大切です。
   〇〇さんのように朝晩給餌するのでしたら、それぞれ別にブラインを湧かし、新鮮な物を
   与えてください。
   死んで時間が経過したブラインは水質にも育成にも悪い影響を与えます。
  余談ですが、これがベテランが冷凍ブラインを敬遠する理由のひとつです。
   湧いたブラインを数時間生かしておく方法もあるのですが、7~8時間も経過すれば死んでしまい
  ますので少量でも与える度に湧かす方が無難です。
   ブラインが終了したら赤虫のみで育てますがやはり赤虫とブラインのラップ期間を1週間ほど
  取ります。   理由は先に同じです。
   中には、幼魚の小さい口でも食べやすいように、切り換え初期に赤虫を刻んで与える方も
   いらっしゃいますが、私はやりません。
   理由は刻んで出た赤虫の汁が極度に水を汚すのと、赤虫をナイフで刻むザクザクという感触が
  苦手で私の食欲が減退するので(笑)
   与える赤虫の量は成長と共に増やして行きますが、大体5分で食べきる量を1度に2セット
   (食べきってから2セット目を与えます)、1日で5~6回くらい与えます。
   この辺りは自営業だから出来るというのもありますが、仕事があっても朝晩は回数を分けて
   タップリ与えてやってください。


今日、趣味としてディスカスの繁殖を手がける方々のおかげで、情報も豊富になりました。
情報が豊富な分、悩まれる方も多いと思いますが、正解はひとつではありません。
自分に合った上手く行く育成方法を探してみてください。
今後もメールでいただく質問の中で、良い質問は承諾を得て発信して行ければと思います。
ディスカスを上手に繁殖される方が増え、互いに切磋琢磨しながら質の高いディスカスを目指す…
その先に今までと違う日本のディスカスシーンが見れる日が来るかもしれませんね。


次世代秋水

2013年03月30日 | ディスカス繁殖

次世代の秋水がようやく体着まで行きました。
納得の行く♂♀を選抜で組ませペアを作る場合、すんなり行かない事が多く、今回もご多分に漏れず
かなり苦労しました。
混泳水槽で出来なりのペアを使えばいくらでも採れるものですが、無駄な殺生を避けるためにも納得
行かないペアでは絶対に繁殖させないのが私の信条です。
本当に仲の悪いペアでしたが、水温、水質をコントロールし、月の満ち欠けと気圧変化を利用
する事で今回も何とかなりました。


久しぶりにマクロ撮影してみました…体着1日半で60~70匹ほど居ます。

ディスカスの繁殖は情報が錯綜し、Phや硬度などの数字ばかり注目しがちですが、数字だけに囚われて
本質を見失っては本末転倒。
現地の自然変化を水槽内で再現し、ディスカスの生態に働きかける…結局数値は判断材料の目安で
しかなく、成すべき行動は「ディスカスを知る事」に繋がるのだと思います。


この時期の稚魚は日毎と言うより、時間毎に変化して行きます。
観察していれば、朝見た時と夜見た時で大きさも泳ぎも違っているのがはっきり感じられるはずです。
だから孵化から1ヶ月くらいまで、魚として急激に変化するこの時期は「清浄な水」で育てる事が大切。

私の繁殖経験から見て…同じペアなのに繁殖時期によって奇形の割合が大きく異なる場合、
稚魚期の水質悪化を疑ってみるべきです。
成魚なら大きな問題にならない薄い亜硝酸や少量のアンモニアでも、稚魚の成長には大きく影響する
はずで、人間で言えばタバコみたいな物ですかね。
親が吸っても、乳幼児にタバコの煙なんてとんでもない話でしょ?


今回の秋水は先々代に原種グリーンの血を入れた秋水乙♀に秋水のプロトタイプになった♂親を
バッククロスしています。
上の写真のようなシャープな頭部ラインに真っ赤なグリーンの目を再現する事…グリーンクロスのF1では
厳しかった体型を修正し、原種譲りの真っ赤な目を取り入れるのが目標です。


新しい秋水は常に先代の秋水をベンチマークとして、超える事を目標に取り組んで行きます。
数を採る事より、質を採る事。
時間、手間、無駄…商業ベースに乗せないアマチュアだからこそ出来る事もあります。


今期の計画繁殖スタートしました

2012年11月17日 | ディスカス繁殖

前回の記事で書いた秋水の今後の繁殖ですが、甲タイプは年明けまで、
あと2ヶ月ほど成長させる事に決めました。
という訳で、今期一発目の繁殖は乙タイプから…
今回の写真はペア水槽で掃除を控えてるため、少々汚いですが、お許しください。


4日ほど前からペア組させていたのは、秋水プロトの♂と秋水乙の♀です。
秋水のプロトを使ったバッククロスですね。
なぜ、秋水乙タイプ同士で採らないのか…もちろん理由があります。
ひとつはプロトの♂に見られる大型化と体型の資質をより濃くしたい事。
もうひとつは3匹のプロトの中で唯一子供が採れていなかった♂の血を系統の中に入れたかった事。
これに原種グリーン譲りの鮮やかな赤目が引き継がれれば…


今回使った♀は秋水乙の中で一番気に入っているメスで、本ブログにもよく登場している魚です。


♂は3匹居る秋水プロト♂の中でも一番なのですが、一年前の繁殖で散々てこずりました。
4日ほど前に水質調整したペア水槽に♀を入れ、初顔合わせでしたがこの2匹、入れた瞬間から
仲が良かった…相性って不思議ですね(笑)


昨日、新月から3日続く大潮の最終日に産卵が始まりました。
本命は次の満月だったのですが、カレンダーを見て昨日の昼に試しに発情を促す水質操作をした
ところ、夜にはドンピシャです。


後を追うように秋水プロト♂もガンガン昇っています。
一年前の繁殖ではなかなか昇らず諦めていたお子ちゃまも、2年魚になって男を見せました(笑)
受精も子育ても、繁殖の成否はオスの成熟次第…痛感しますね。


初めてのペアですが、沢山の卵を産みました。少し産卵場所が拡散していますが、回数をこなせば
上手に産むようになるでしょう。
後は受精率で、今のところ無精卵も少な目ですが、孵化には水質がやや外れてるかも…

何はともあれ、秋水の今期繁殖のスタート。
今期も甲と乙、2つの自家産系統の熟成を重ね、理想の虫食いコバルトを追いたいですね。
久しぶりの計画繁殖でモチベーション上がってます。


秋水の今期組合せ

2012年11月12日 | ディスカス繁殖

今年も水温、水質管理がしやすい季節になってきました。
うちでは仕事周期の絡みもあるのですが、ディスカスの計画繁殖を行うのは大体、この時期から
年明けくらいまでが多くなります。
今期は秋水の甲と乙で次のF3世代を採ろうと考えていますが、まずは虫食いライン表現の強い
秋水「甲」から繁殖に取り組もうと考えています。
まあ、最近の秋水甲を見ているうちに、強い虫食いラインに魅かれ、早く採りたくなったというのが
本当のところですが(笑)


秋水甲はまだ生後一年が経過しておらず時期尚早なのですが、早めに発情が始まっていて、
♂の成熟次第ですぐに採れそうなペアも3組ほど出来てます。


こんな感じで小競り合いが頻繁で活気に満ちていますが、あまり激しいのもどうかと…
成熟度合いを見計らってペア水槽の準備をしようと思っていましたが、早めに仕掛けるかもしれません。
まずは種親の選定からですが…


繁殖をしていて、私が一番楽しいと思える時…実は種親を選んで計画を思い描いてる時です(笑)

上の写真は種親候補の♂ですが、選抜で残した他のオスも似たような表現形で成長し、
固定率が高くどれもそっくりな形質なので、♂に関して言えば今回はどれを使っても良さそうです。
採りたい♀との相性次第ですね。


上の♀は体型が良く第一候補。



このメスはライン表現が強く、成熟も早い。既に産卵して♀確定ですが、もう少しサイズアップした方が
すんなり行く気がします。


これは背びれの伸長具合など、一見♂のようですが、行動を見てると実は♀!?
いずれにしろ、秋水甲は強い虫食いのライン表現を意識したいですね。


赤虫に群がる秋水…健康状態が良く、発情している水槽は活気が溢れていて、食欲も旺盛です。



秋水乙タイプの♀。このラインが途切れるような虫食いも次世代に残したく…
結果オーライですが秋水の甲と乙、系統を2つに分けた事は正解だったと思います。
2系統に違う特徴の虫食い表現が得られたおかげで、系統ごとに特化でき、
今後の方向に迷うことなく、種親を選抜して行けます。