GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

次世代秋水

2013年03月30日 | ディスカス繁殖

次世代の秋水がようやく体着まで行きました。
納得の行く♂♀を選抜で組ませペアを作る場合、すんなり行かない事が多く、今回もご多分に漏れず
かなり苦労しました。
混泳水槽で出来なりのペアを使えばいくらでも採れるものですが、無駄な殺生を避けるためにも納得
行かないペアでは絶対に繁殖させないのが私の信条です。
本当に仲の悪いペアでしたが、水温、水質をコントロールし、月の満ち欠けと気圧変化を利用
する事で今回も何とかなりました。


久しぶりにマクロ撮影してみました…体着1日半で60~70匹ほど居ます。

ディスカスの繁殖は情報が錯綜し、Phや硬度などの数字ばかり注目しがちですが、数字だけに囚われて
本質を見失っては本末転倒。
現地の自然変化を水槽内で再現し、ディスカスの生態に働きかける…結局数値は判断材料の目安で
しかなく、成すべき行動は「ディスカスを知る事」に繋がるのだと思います。


この時期の稚魚は日毎と言うより、時間毎に変化して行きます。
観察していれば、朝見た時と夜見た時で大きさも泳ぎも違っているのがはっきり感じられるはずです。
だから孵化から1ヶ月くらいまで、魚として急激に変化するこの時期は「清浄な水」で育てる事が大切。

私の繁殖経験から見て…同じペアなのに繁殖時期によって奇形の割合が大きく異なる場合、
稚魚期の水質悪化を疑ってみるべきです。
成魚なら大きな問題にならない薄い亜硝酸や少量のアンモニアでも、稚魚の成長には大きく影響する
はずで、人間で言えばタバコみたいな物ですかね。
親が吸っても、乳幼児にタバコの煙なんてとんでもない話でしょ?


今回の秋水は先々代に原種グリーンの血を入れた秋水乙♀に秋水のプロトタイプになった♂親を
バッククロスしています。
上の写真のようなシャープな頭部ラインに真っ赤なグリーンの目を再現する事…グリーンクロスのF1では
厳しかった体型を修正し、原種譲りの真っ赤な目を取り入れるのが目標です。


新しい秋水は常に先代の秋水をベンチマークとして、超える事を目標に取り組んで行きます。
数を採る事より、質を採る事。
時間、手間、無駄…商業ベースに乗せないアマチュアだからこそ出来る事もあります。


春が来た

2013年03月18日 | その他

忙しい日々に追われている間に、いつのまにか春ですね。
息子の受験も無事終わり、卒業式も済んで4月からは高校1年生。
宇都宮に移り住んで早10年目を迎えますが…年を取ると月日の流れは本当に早いと感じます。
去年の暮れ頃、息子の進路について二人で話し合っていた時に息子の口から
「親父のような設計の仕事に就きたい」と嬉しい言葉を聞きました。
ずっと、将来は教員免許を取って教師になりたいと言っていたのが突然の理系志望。
まあ、理工系推しの私としては嬉しかったのですが、一体、どういう風の吹き回しでしょう?

不況の間、小中学生の将来就きたい職業として常に上位に「公務員」が上がっていました。
どんな仕事をしたいとか具体的なビジョンがある訳ではなく、漠然と「公務員になりたい」との回答が
多かったようです。
不況でも安定しているから、退職金が良いから、公務員年金が出るから…
う~ん、中学生のうちから老後の心配なんてするんじゃないよと言いたいですが、
日本の先行きにそこまで希望を持っていなかったのかと、大人として複雑な気持ちです。
確かに、彼らが生まれてから今までずっと日本は不況の中にあって、親達が苦労している姿を見て
来たのでしょうから、いたしかたないのかも知れません。
願わくば、技術大国として再び日本が立ち上がり、彼らが希望を持ってものづくりの仕事に就ける日が
戻ってほしいと思って来ました…が

ここに来て、ようやくその希望がはっきりと形になって来たようです。
円安、株価の上昇、大手メーカーの労使交渉満額回答など、ご祝儀相場もあるのでしょうが、
2~3年前の閉塞感が嘘のようです。
他にも明るい材料として、新しい海底資源であるレアメタルの掘削調査やメタンハイドレードの抽出成功
など、新しい資源と技術の両輪が経済を牽引してくれそうな気がします。
息子には胸を張って、理工系のものづくりを目指して欲しいものです。



ただし、工学系にしろ、理学にしろ最初から親元で働くのは甘えや馴れ合いが出るのでNGです。
人間関係も狭く、視野も広がらないでしょう。

技術者志望なら、最初は大手メーカーに入るべし…
私自身まったく、大企業至上主義などではなく、生涯会社に人生を捧げるべきとも思いません。
だからこそ自動車メーカーを辞めて独立したのですが、大手でなければ経験できない仕事があるのもまた
事実です。
数千万から数億もするような測定機器や施設を使え、数十億のプロジェクトに計画段階から最後まで
関われるのは、中小ではなかなか考えられません。
新入社員には一年間OJTが付き、各種研修も豊富で、大勢の人間関係も学べ、お金と時間をかけて
会社がしっかりと仕事の基礎を叩き込み、一人前の技術者に育て上げてくれます。
今の自分があるのも、最初にメーカーに就職出来たおかげ。古巣の会社には今でも感謝しています。

親バカになりますが…
息子は今回の受験で私立2校の選抜に特待生で合格し、公立も目標だった男子校に入れました。

理系なら化学、機械工学、電子、建築、通信…何でも好きな道に進めば良いと思いますが、
後悔しないように本気で取り組んでほしいものです。
まだまだ先は長いですが、彼が望んで努力を続ける限り、親として出来る限りのサポートをしてやりたい
と考えています。
かつて自分の親がそうしてくれたように…


雨と雪

2013年03月02日 | その他

このところ自動車業界が活気付いています。
不況に入れば手仕舞いが早く、活況になれば戻りが早いのがこの業界。
円安に株高…アベノミクス効果が出ているのか、設計屋、部品加工屋、電気屋と、機械設備関連は
どこもフル稼働です。
期末と確定申告も重なってパソコンとにらめっこの缶詰め生活が続いています。

昨夜は気晴らしに、久しぶりにツタヤでDVD借りました。
5本1000円で新作の洋画中心に借りたのですが、これが正直、5本中4本はつまらなかった…

そんな中、唯一救いの1本だったのが「おおかみこどもの雨と雪」。
ストーリー、作画、共に日本のアニメーションのクオリティは素晴らしいものが多いのは誰もが認めると思いますが
この作品もまた秀逸だと感じました。

オオカミとして生きるか、人間として生きるか?
人が人である故、あるいはオオカミがオオカミである以上、自然と人間社会の間の一線を跨いでは
生きれない現実。

劇中で描かれる野生動物は徹底して野生です。
擬人化などせず、人の言葉を解する事も無く、野生の目は鋭く澄んでいて…

風景描写も素晴らしく、古民家の大雨のシーンではまるで、雨の匂いまで伝わって来そうでした。
さらに、雨(弟の名)が老師である古キツネに連れられて山野を駆け巡るシーンは、
私が写真撮影で山に分け入り、見て来た風景そのものです。
苔生した木の根、山肌を霧のように流れる雲、鏡のような湖…


しばらく休んでいたフィールド撮影に出かけたくなりました。
まあ、息子の受験が終わったら行き倒すつもりではいたのですが…(笑)
「おおかみこどもの雨と雪」…久しぶりに良い映画でした。