GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

D-project

2013年10月26日 | ディスカス

アマチュアディスカスブリーダー。
主に趣味としてディスカス繁殖を楽しむ人達のことですね。そして私もその一人。
ひとくちにアマチュアブリーダーと言っても人によって繁殖のアプローチは様々です。
有名品種の血統を繋ごうという人、私のように血筋の違う既存品種やワイルドクロスから自分の理想
を目指す人、複数のクロス個体を用いながら自分の思い描くディスカスを作ろうという人。
ですが、そこまでディスカス繁殖に傾倒しているのはアマチュアの中でもほんの一握りというのもまた
実情です。

個人的な見解ですが、今の低迷するディスカス業界の中で、一部のアマチュアブリーダーが
手がける自家産ディスカスの中には驚くほどレベルの高い魚が存在します。
特にライン系…ピオワルスキーなどに見られる厳選された極上の種親をクロスした見応えのある
赤系ラインのディスカスはF1から完成度が高く、魅力的です。
また、更にワイルドのグリーンやブルーの血をを上手に入れた個体も見受けられ、系統立てて
固定化が進めば十分に品種として通用しそうなアマチュアブリーダーもいます。
そういう人達と比べると私が自家産コバルトとして系統作りをしてきた秋水は固定率こそ上がりました
が、あくまでコバルトに留まる保守的な改良と言えます。

アマチュアですからほとんどの人が別に仕事を持ち、限られた時間の中、管理できる範囲の
水槽本数で上手に趣味を楽しんでいます。
無理に水槽本数を増やしてしまえば、世話に掛かる時間や維持費など、普段の生活を圧迫させて
負担となり、返って満足のいく魚は作れなくなると私は感じています。
そんな小規模のアマチュアブリーダーがほとんどだと思いますが、小規模でも彼等が素晴らしい
ディスカスを作れるのは小規模ゆえに作りたい魚の的を絞り、厳しい選抜を繰り返しながら、
行き届いた管理ができるからだと思います。
小規模だからこそ、仕事をしながら高い品質を維持する事ができるのでしょうね。


そんな小規模で質の高いアマチュアブリーダー同士でネットワークを作り、今よりもっとディスカス
繁殖を楽しめないか…実は2年くらい前から漠然と考えてた構想です。
最近になってようやく具体的なビジョンが固まり、数人のブリーダーと準備を始められる段階まで
きました。それがタイトルにあるD-projectです。

D-project設立に当たってまず、絶対に貫きたいと思っているのがショップの協力を仰がないこと。
これ、別にショップと対抗するとかそういう話ではありません。
アマチュアブリーダーですから、当然懇意にしているショップはそれぞれにありますし、各々の関係は
大事にすべきだと考えます。
しかし、ひとつのショップに依存してしまっては、D-projectはショップ色の強いアマチュアクラブ
という形になりかねません。
そうなると種親選びに支障が出る可能性があります。ワイルドでも改良種でも質の良いディスカス
を販売するショップはいくつかあり、本気でブリードに打ち込むなら、常に多くの選択肢を持つべきと
考えるからです。
また…残念な話ですが、この業界では過去にショップ間でのトラブルも多く、アマチュアの心理にも
少なからず影響を与えていると思います。アマチュア間だけでもそういった過去を払拭し、垣根を
取り払う為にもD-projectはアマチュアの手で運営したいと考えています。
もちろん、私にも会員の方にも懇意にしているショップはありますが、会としてはあくまで中立を
貫くという事です。

D-projectの運営に関しては私が中心になって進めて行きますが、役職などの肩書きは作らずに
活動したいと思います。
これは組織から独立し、設計の仕事をしている私の勘みたいなものですが、クリエイティブな仕事に
おいては、役職の付いた人間が指示する集団よりも、個あるいは少数で自由に取り組んだ方が
優れたものを生み出すケースが多いのです。
ディスカスブリードは感性も重要で、どこかしら写真家や画家と似ている部分があるように感じます。


では、D-projectは具体的にどのような活動をして行くのか…
まだ詳細を詰めている部分もあり、詳しくは書けないのですが、おおよそ次のような活動を考えて
います。

まず、ブリーダー同士の情報交換とレベルアップ。
繁殖データ、育成データ、エサの種類、新製品、治療薬、種親などなど…情報交換をしながら
3~5年程度で高いレベルの固定化、自家産系統の確立を目指します。
系統に関しては後の資料となるようこれまで私がブログで公開したような系統図を作成し、
開示できる情報はHP又は会報にて公開。
会員間での種親の交換、里子なども合意があればやります。
HPについては公開まで詳細は書けませんが、初心者向けのページと写真ギャラリー、情報公開の
ページは入れたいと思います。雑談混じりのコラムなんかも連載できると楽しめそうですね。

新しい飼育器具などの提案もできればと考えています。会員から出たアイデアで優れたものは私が
以前の記事「新しい濾過の提案」で書いたような図面を起こし、設計します。
http://blog.goo.ne.jp/nikko_iwana/e/582663ddeee2f1a35d4a5cc6a91987cc
価格次第というのもありますが、試作できるものは作ってテストを重ね、良いものは希望者に実費で
提供できるといいですね。まあ、どうなるか予想もつかない企画です(笑)

最終的には…具体的かつ明確なひとつの目標があるのですが、これはずっと先の話です。
時が来れば明かしますが、具体的な目標を設定するのは物事を継続する力にもなりますので…
まずは、我々のレベルを今よりもっと上げて行くことですね。


D-projectの準備はゆっくりと進行中です。本格的な活動の開始は来年2月予定。
その間にはあと若干名の仲間となってくれる会員を探し、じっくり楽しみながら作りこんで行ければと
思います。
まずは私達が楽しむ事が重要…そしてアマチュアの皆さんにも楽しんでいただき、
応援していただけるような活動を目指したいと思っています。


藤色 (iris)

2013年10月23日 | ディスカス

最近、秋水若魚の観察をしていて気付いたのですが、1匹だけちょっと他と違う特殊な発色を
している♀個体がいます。
最初は健康面に問題があって、やや体色が暗化気味なのかと思いましたが、どうもそうではない
ようです。エサは他を追い散らすように食べますし、成長もメスとしては平均以上…


体型的にはごく普通の♀なのですが、背鰭、腹鰭に見られる一般的な秋水の発色に対し体側は
紫がかっているように見えます。成長するにつれ、この紫が強くなってきました。

よく赤系の蛍光灯を使うと光の反射具合で紫っぽく見えることがありますが、それとは違うようです。
あるいはゴーストの血が混ざったり、コバルト個体でも青が体側に載り切らない品種で時々紫っぽく
見えることがありますが、観察する限りそれとも違うと思います。


拡大してみると境界線みたいに色の違いがはっきり判りますね。


同腹の秋水の中で一番青が載ってきた♂個体です。個体によって濃淡はありますが、まあこれが
一般的な秋水の色合いと言え、明らかに上の♀個体とは違いますね。


更に見極めるため、ライトを2灯に増やし光量を倍にしてみました。
奥の♂個体と比べてもやはり発色が違いますね。
この色彩を見せるのは、今回の秋水乙タイプではこの個体のみ。他に育成中の秋水甲タイプで近い
発色を見せるものが出そうなので楽しみです。


このように体が傾き、ライトが体を透かすように照射すると何とも言えない藤色に輝きます。

  

 ●和名 藤色(ふじいろ)…英名 アイリスiris 色配分 C50M50Y0


まずは、成魚になるまで育成してみて、この発色がどうなるのか確認してみることですね。
成魚でもこの発色が保てるようであれば、次に秋水系統から分離抽出を試みるつもりです。
秋水の本流はあくまで青いベースカラーですが、この藤色を分離し、先で秋水の別系統として
固定化できれば…安定期(マンネリ化?)に入りつつあった私のディスカス繁殖に新しい目標が出来、
更に楽しくなりそうです。


クリテリウム

2013年10月20日 | Weblog

ある晩、行きつけの居酒屋さんでの会話
ママ「〇〇ちゃん(自分のあだ名)、毎年宇都宮でやってる自転車レース知ってる?」
自分「宇都宮競輪のこと?うーん、競輪とかパチンコとか興味ないんだよねえ…」
ママ「違うよ(笑)ツール・ド・フランスみたいなやつ。毎年すごい人出で、外国の有名な選手とかも
    来るみたいよ。カメラマンも大勢いるし、写真撮ってみれば?」
自分「ああそれ、話は知ってたけど、そんなに盛り上がってるんだ?自転車なんて宇都宮に住んで
    から10年乗ってないけど、面白そうだね…よし、とりあえず行ってみるか」
ママ「いい写真撮れたらいつものA3にして持って来てね~」


ちなみにこのお店のカウンターでは…これまで撮影した自分の写真の中からママのお気に入りを
厳選して額に入れて飾ってもらっています。

今回は自転車の写真を御所望ですかあ~!?
自分の写真に需要があってちょっと嬉しいおっさんでございます。


という訳で…行って来ました!自転車ロードレースジャパンカップIN宇都宮…行って来たと言っても
自宅から歩いて行ける距離なのですが。
上の写真は出場車両?ではなく、レース前のパレードを先導する白バイ。
どうやら、自転車ロードレースの中でも閉ざされたシティコースで周回するレースをクリテリウムと
呼ぶらしいです。


パレード中はフリー走行で海外の招待選手もリラックスしています。
きっと「みんみんの餃子マジ美味かったぜ!」「みんみんもいいけど俺は正嗣(まさし)派だよ」
そんな話をしているに違いありません(笑)
19日のコースは宇都宮駅西口の大通りを完全封鎖した周回シティコースで、とにかく人、人、人!
両側の歩道は前日から泊り込みで場所取りしてる人もいて、撮影場所を探すのに一苦労。
毎年来て撮影慣れした人はみな、踏み台を持ってきていますね。来年は忘れずに持参します。


風~のワンダランド♪ 宇都宮競輪~♪
ローカルネタですみません。現役の競輪選手です。本戦は走りませんがパレードのみ参加です。
人出もすごいのですが、集まるファンが全国区なのにまたビックリ!周辺の駐車場には京都や青森、
福岡ナンバーも見かけましたし、中には自転車で東京から来た方もいらしたり。
自転車がブームなのは知っていましたが、ここまで熱いとは…
ちなみに、このフリー走行は有料ですが、一般のライダーも申し込めます。
沢山のアマチュアクラブが楽しそうに走っていましたよ。


ひとたびレースが始まれば選手も熱い。
レース展開は先行して飛び出した二人に対し、集団でスリップを利用しあいながら体力を温存する
第二グループ。自転車競技に詳しくない自分も徐々にヒートアップ(笑)


バカッ速の外国人ゲスト集団。有名な選手が沢山出ていますが、当然私は誰も知りません(笑)


流し撮りも…まあ、速いこと速いこと。


4年も経ったカメラですが、やっぱりここ1発の動体は7Dですね。
速く新型出ないかな…


特にラスト2週でスパート掛けた時の速さは尋常じゃありません。
人力でこんなスピード出るんだ…という感じです。


写真撮影主体でしたが、めちゃくちゃ面白かったですね。
自転車趣味もいいなあ…でも、これ以上は他の趣味を削らないと時間が取れないですね。
危ない危ない(笑)
早くも来年のレースが楽しみです。

ジャパンカップのHPです。
http://www.japancup.gr.jp/2013/

宇都宮のロードレースチームブリッツェン
http://www.blitzen.co.jp/


女豹系

2013年10月15日 | ディスカス繁殖

虫食い回帰プロジェクトがスタートした頃にくらべ、だいぶ秋水の固定率が上がりました。


こんな感じで現在育てている秋水の幼魚(というよりもう若魚?)は全部虫食い表現です。
まあ、表現が決まらないうちから淘汰をしているので、とても固定率100%とは言い切れませんが、
つまるところ、品種改良では選抜交配が一番大切な行程になってくると感じました。
〇〇と××を掛ければ△△の出来上がり!みたいな単純なものではなく、せっかく良い種親で仔を
採っても先で繰り返す選抜交配を間違えると、迷宮にはまってしまいかねません。
この辺り、「遺伝学」と「品種改良」の学術書がずいぶん役に立ちました。


虫食いが定着し、どれも同じような表現に見える秋水ですが、ここまで改良を重ねてみて、
ある事に気付きました。
どうも♂と♀でライン表現の特徴が違うんですね…それもかなりの高確率で。
♂は虫食いラインが繋がりやすく、たとえ途切れ途切れであっても♀よりも虫食いが疎なんですね。
そして♀は虫食い表現が細かく密になると。
百聞は一見にしかず、いくつか個体をアップして見てみると…


こいつは♂です。間違いない…


これは♀


これもまず♀かと…


これは♂でしょう


こいつは虫食いが途切れていますが恐らく♂。まだ確認は取れませんが繁殖者のカンです(笑)
かつて、改良途中でライン表現が中途半端だった頃はこんな違いは見られなかったのですが、
改良が進み、強いラインが出てくるようになって♂と♀の違いが顕著に見られるようになりました。

ただ…ラインが密になる♀は何故か気が強くなる個体が多いように感じます。
正確には気が強いというより、メスとしての本能が強い…そんな気がします。


こちら、累代を続けてる秋水甲タイプ繁殖の最新の様子。ラインが一番密に入ってるメス親と卵。
順調に行けば明後日には孵化するはずですが、黒潰れするくらい黒化して卵をガン見してます。
このメスは前回の親バッククロスでも使ったのですが、産卵を終えると餌をまったく食べなくなり、
孵化するまで必死に水流を送り続けます。
絶対に食卵もしないし、100匹以上の稚魚が体着してもじっと耐え続け全力でミルクを出し続ける。
産卵までは♂と仲良く寄り添い、情熱的におじぎをしまくる面もあって、ブリードには申し分ない
資質の持ち主なのですが…


今回お相手のオスです。産卵後すぐ、混泳水槽に移しました。
といいますのも…


上の写真の背鰭付近の拡大です。おお!さすがフルサイズ鱗がバッチリ解像…ではなくて
ご覧の通りかなり傷だらけ。産卵直後からメスにシバかれまくって30分でこの有様です。
ちなみに前回バッククロスで合わせた親世代のオスは、産卵後1昼夜で半殺しの目に合いました。
その惨状たるや…外出から帰ってペア水槽を覗くと、オスはヒレが全部ボロボロで尾鰭なんか
半分以上無くなり、剥がれた鱗が底に散乱…逃げ場所が無くなり隅の水面に浮き上がっている
オスを更に攻撃し続ける黒化したメス。すぐにオスを隔離しましたが危なかったです。
産卵前はあんなにラブラブだったのに事が終わると一気に豹変…ん?メスが豹変…女豹系!?
そういや密な虫食いラインも豹っぽいような…うーん、なにはともあれ恐ろしい♀ですよ(笑)

ちなみに、女豹系といえば、小池栄子さんは好みの顔ですが、かみさんはタヌキ系です。

メスとしての本能、母性が強いのでしょうが、おかげでオスは一向に子育て経験が積めません。
この先の事を考えると、この世代で何匹かのオスには子育てまで経験させておきたいのですが。


混泳水槽でノンビリくつろぐ別のオス。
隣のペア水槽で男と女の激情型致傷事件があったとも知らず、のん気なものです。
今回、稚魚が採れなかったら次は君の番だからね(笑)


新しい濾過の提案

2013年10月08日 | ディスカス

ディスカスと濾過…ホビーストやショップの間でも、未だに意見が別れることが多い、アクアリスト
永遠の命題みたいなものです。
私のスタンスは上部、外部、スポンジ共に微細孔にバクテリアを住まわせて飼育水を通水する
基本原理は同じものという認識です。
ですが…それぞれに特性が異なり、ディスカス飼育に合ったメンテや使い方をしなければ
病気の温床になるのも事実でして、そこがまた話をややこしくしてしまうのかと。


私は海水魚も飼育しています。濾過は持たせず、プロテインスキマーとライブロックのみでもう
4年も飼育していますが、最初に白点が出ただけで以後一度も病気になった事がありません。
魚達の食が落ちた事も一度もなく、水換えは月に1度程度。ヘタすると足し水で誤魔化して
2ヶ月に1度の時もありましたね(これは反省)。
プロテインスキマーの原理は細かい泡を作って水中の有機物やゴミを浮上させ、取り除く物理濾過で
これが実に強力に濾過します。
この原理を常々ディスカスに応用できないかと思っていたのですが、淡水は粘度も比重も海水より
低く、思ったように汚れが浮上していかない…泡がすぐ消えてしまうため、汚れを汚水カップまで
押し上げることもできない…淡水ではプロテインスキマーの能力を発揮できないんですね。

そこで注目していたのがマイクロバブルと呼ばれる直径10μmほどの微小な泡。
このマイクロバブルには、普通の泡には見られない以下のような物理特性が現れます。

1.浮上速度が極めて遅い。
マイクロバブルは通常の泡に比べて体積が小さく泡に
かかる浮力も小さいため、
浮上速度が極めて遅くなり、水中に滞在している
時間が長い。

2.水に溶けやすい。
マイクロバブルは小さい泡なので、泡の中心までの距離が短い。ですので、大きい泡に
比べて液体に溶けやすいという特長がある。

3.水中の物質に吸着する。
マイクロバブルはマイナスに帯電しているため、水中に浮遊する。
プラス電荷の物質に 吸着する特徴がある。

4.泡が壊れにくい。
マイナス帯電しているので、マイクロバブル同士は合体や吸収が起こりにくく、
小さい状態のままを保ち、均一に液中に分散する。

マイクロバブルの応用技術はまだ発展段階ですが、既にこの技術を生かして養殖業や排水処理、
医療分野などで成果を上げているようです。
以前にTVでマイクロバブルを導入しているクリーニング業者も見た事もあります。
マイクロバブルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
http://staff.aist.go.jp/m.taka/Research.html

この特性をアクアリウムの濾過に応用できないか…ここ2年くらい、考えていました。
この特性を上手く使えば、水に溶けたハンバーグなどの有機物除去、豊富な溶存酸素、濾過装置を外に
設置する事で水槽内のシンプル化、有機物除去による水質の長期安定、そして何より病気の温床を作らず
に済むのではないか…特に食べ盛りの幼魚育成には効果を発揮しそうです。

そして…検討を重ねアイデアを絞り、やっと試作の設計に漕ぎ付けたのが下の図面。
(画像はプロットアウト前のCAD図データ)

マイクロバブルを濾過装置に応用するために、設計段階でクリアーしなければならなかったのが
以下の4つの課題です。

1.マイクロバブルを発生させる為には高圧でオリフィス内の流速を高めなければならないが
  この水流で水槽⇔濾過器間を循環させると水槽内が洗濯機状態になってしまい、ディスカスの
  飼育どころではなくなってしまう。
2.発生した泡の浮上スピードが遅く、マイナス電荷に付着した汚れの処理をどうするか?
3.大量に発生したマイクロバブルを水槽内に循環させずにどう消すのか?
4.外置きタイプで設計する場合、大量のエアが発生するため、外部のような密閉式が取れない。

などなど…4つの課題をひとつずつクリアして、長年の機械設計の知識とノウハウを詰め込んだ
渾身の濾過装置…ちと大袈裟かな(笑)
肝になるのは水流経路の回路図と配管系統図ですが、こちらは特許申請もしくは実用新案申請の
ため、まだお見せできません…て、上の機構図を見せられても普通は何のことやら…ですよね。



これから部品図作成、製作品手配、購入品手配、試作、テストと進んで行く訳ですが、この先は
数人で今準備を進めているプロジェクトが稼動してから、その活動の中で他のメンバーの
アイデア器具と一緒に発表して行こうと思います。

ここ20年くらい、アクアリウムの器具の根本的な進化は止まっているように思います。
アクア人口のパイは小さく、販売数が極端に少ないアクア商品に開発費の投資など出来ないのかも
しれませんが、
この趣味もいつか濾過論争や子供騙し商品、そして頻繁な水換え(笑)と高額な維持費から
解放され、誰もが楽しめるホビーになる事を願っています。


添加剤商法

2013年10月05日 | ディスカス

アクアリウム商品として業界には様々な添加剤が販売されています。
カルキ抜き、PH調整剤、KH調整剤、ミネラル添加剤などなど。、
有名なメーカ品ーから個人商店のオリジナル製品として販売される物まで様々です。
実は最近、ブログのコメントで(違った意味の)興味を持ったミネラル商品がありまして、
本日電話にて販売している店舗に問い合わせをしました。
結果…その回答は私の予想の遥か斜め上を行くもので、大いに驚愕しました。
記録しながら通話したので、その内容を一部抜粋して記します。
ちなみに商品は粉末と液体で、ミネラル補給とKH上昇というなどそれぞれ違う効能が
あるとされており、私は2年以上前に両方入手して現在も手元にあります。
飼育での使用はしていませんが、現在調べている最中です。

以下、会話形式ですが、「」が私の発言で『』が販売店主さんの発言になります。

「モシモシ、〇〇さんですか?そちらで販売されてる△△(粉末)と◇◇(液体)の2つの添加剤
についてお伺いしたいのですがよろしいですか?」

『どうぞどうぞ、何なりとお聞きください』

「まず粉末の△△ですがこれ、成分表示が何もなくて、製造元も書いてないのですが、これが
どういった物でどちらのメーカーで作られているのか教えてください」

『△△は私が開発したもので、タイやマレーシアでしか手に入らない材料でミネラル類が75種類も
入っていてディスカスに必要な物です。製造は×××(ラベルにロゴだけ記載されている)です』

「これですね…うちでいろいろテストしてみたんですよ。粉末の粒子が人工海水と似てるので
人工海水と△△をそれぞれ、同量の水に同量ずつ溶かしてみたんです。そしたら比重もほとんど同じ、
上昇したGHやKHの値もほぼ同じ結果なんですよ。これ…ぶっちゃけ人工海水を瓶詰めして売って
ませんか?」


左が今回の添加剤 右が人工海水…ヤバイ粉ではないので通報しないでください(笑)

『失礼な!それはアメリカとドイツからそれぞれ輸入した材料を日本の材料と調合し、私が作って
いるんです!材料については真似されると困るので教えられませんが、塩分は入ってないはずです!』

「えーと…先ほど、タイやマレーシアでしか手に入らないと仰っていましたが、今度はアメリカとドイツ
ですか?製造メーカーというのは、ご自分の事なのですね?
で、実は私、人工海水と△△をなめて味を比べてみるとそっくりな味でした。あのしょっぱさは
塩化ナトリウムNaClのしょっぱさです。
塩が入ってないのにこの味は不思議です。私も興味がありますので来週、△△を成分分析に出して
みたいのですが…
その結果を私のブログで公開させていただき、検証の結果、仰る事が証明されれば商品の有用性も
示されるますし、私も自信を持って△△をブログで推せるのですが…よろしいですか?」

『タイ?そんな事いってません!(数十秒前に言ったばかりなのに…)
ブログで公開とか何の意味があるんですか?やめてください。
△△はなめないでください。舌がヤケドしますよ!ナトリウムやカリウムや
カルシウム、マグネシウムなどは化学反応を起こして発熱するのですよ!知らないのですか?
私も2年前、△△をなめて舌が大ヤケドしましたから危険ですからなめないでください』

「えっ?ナトリウムやカリウムは他の元素と結びついて安全な状態で存在する限りヤケドなどしませんよ。
塩をなめて火傷しますか?水分や酸素と激しく反応して熱を出すのは、NaやKが他の元素と結びついて
いない純粋な状態の時でしょう。というか、純粋なナトリウムやカリウムは劇物指定されていて、
資格を持っていなければ所持、保存、使用、販売と全ての行為が刑罰の対象になりますよ。
そんな物を入れて販売してるのですか?
それ人工海水入れてるどころの騒ぎじゃないでしょう」

『…いや、これは原材料の話でして、そんなに沢山入ってないですし必ずしもナトリウムやカリウム
ばかりではありませんので…モゴモゴ』

「あのですね、何が入ってるのか言いたくなければかまいません。
ただ、あなたの話では水分と反応して舌が大ヤケドするほど危険なのでしょ?
そんな物を水槽に投入して大丈夫なのかと聞いてるんです。
もし、△△のフタが空いてて、そこに水槽水がドバッと掛かったらどうなるんですか?
容器には製造元情報も注意書きも何もないし、内フタなどで密閉もされていない。
せめて容器に、なめたらヤケドするって注意書きくらい入れてくださいよ。(私はなんともありませんが)」

『いや、まさかなめる人がいるとは思わなかったので…そうですね、そう言われれば危険かもしれない
ので注意書きを入れる方向で…』 

「本当にヤケドするならそうした方がよいと思います(本当は危険な物ではないのでしょうが)
あと、◇◇(液体)の方は△△を水に溶いただけのものでは?
同じ比重になるように△△を溶かすと、◇◇と似たようなGHとKHの値を示すのですが…」

以下、似たようなやりとりが延々続くので割愛します。
今回、店名や商品名、具体的な数値などは出さない条件でブログ掲載の承諾を得ましたので記事に
させていただきました。
この店主さんの話が本当かどうかは、人工海水と合わせて成分分析をかければ一発なのでしょうが、
大切な顧客の信頼、生活がある事を鑑みてこれ以上訴求するような事はやめます。
アクアリウムを長くやっていると、さほど珍らしい話ではないので…

入れるだけで水換え不要になる謎の液体(本当にあったら買いますよ)。
酸性、アルカリ性、どちらの水も中性に持って行くという不思議なアンプル(化学の革命か?)。
成分分析にかけるとただの水だった添加剤(予定調和?)。
NASAの技術でバクテリアを永久休眠させたという石(それって1個200円くらいで売れるのか?)。

まあ、今回の件がこれらと同じ質の物とは私自身思いませんが、自信のある商品なら可能な部分は
情報を公開するべきですよ。
新技術を真似されるのがいやなら、特許や実用新案を取ればいい。
それに値しないアイデアでも、作って流通すれば、製造元責任は発生します。
いつまでも原理や成分は秘密、信じる者だけ救われるでは、この趣味はいつまで経っても
アングラなカルト臭から抜け出せません…


奥日光紅葉便り

2013年10月04日 | 日光・自然

奥日光ではそろそろ紅葉の知らせが届いています。
今は金精峠が身頃との事…そんな訳で今週は仕事を前倒しておきました。
昨日で構想図を提出し、打ち合わせも済ませて本日…行って来ました紅葉撮影。
未明のいろは坂を登り、まずは金精峠へ一直線!


ところが…登ったはいいけど金精トンネル付近は雲の中でこの有様。
こういう時は慌てて場所を転々とせず、車の中でフテ寝に限ります(笑)


目が覚めた時は雲が引き始め、青空が顔を覗かせていました。ヨシ!


金精峠はピークを迎えつつありますね。今年は赤が強いかもしれない。
平日でも多くの方が観光に訪れていました。


湯の湖まで降りてみると、兎島も良い感じに染まってきてます。ピークまでもう少しかな…。


湯滝周辺はまだこれからですね。


更に降りて竜頭の滝上流側。遊歩道側が見頃を迎えていました。


やっぱり今年はいい色してる…


湯川にて


竜頭の滝中流付近。オレンジ、赤、緑。


ちょうど色づき始めのモミジ。緑から赤へ移ろうグラデーションが美しいですね。


カエデとモミジ。ここは毎年撮ってる穴場です。去年とは赤さが違いますね。


中禅寺湖ボートハウスまで降りると紅葉はまだ気配もありません。低く垂れ込めた雲に手を伸ばせば
届きそう!?


ボートハウスには1m級のレイクトラウトやブラウントラウトの剥製が飾ってあります。
シーズン中は毎年、怪物級のレイクトラウトが釣り上げられてますが…
こいつらは湖の深部にいるため、丘っぱりじゃ釣れません。レイクトローリングをする事になりますが
それなりの装備で船外機付きの貸し船を借りる必要があります。
加えて湖底の地形を熟知する必要も…いつかやってみたい男のロマンですね。

奥日光の紅葉は来週あたりから見頃を迎え、平日さえ大渋滞が予想されます。
いつもピークは避けているのですが、今年は見事な色付きで…根性出してもう一度来ようと思います。


久しぶりのディスカス本

2013年10月01日 | ディスカス書籍

本日ようやく入手しました久しぶりのディスカス本。



知り合いのホビーストがたくさん出てらっしゃいます。
皆さん素晴らしいディスカスライフを楽しんでいて、読んでる方も楽しくなりますね。
前に別の出版社から出た古い雑誌記事の使い回し的なものと違って、全てが新しい最新の情報です。
ざざっと読んでみたのですが、飼育法や病気の記事もニュートラルで今の主流の考え方が載ってます。
ディスカスの体内器官のイラストや大雑把ですが改良種のベースになったワイルド種も載ってます。
ちなみにコバルトやダイヤはグリーンの改良として区分されてますね。
凄い…著者は誰なのかと思い巻末を見てみると東隆司さん…知る人ぞ知るあの東熱帯魚研究所。
なるほど、納得です。
熱帯魚雑誌すらまったく買わなくなって5年…久々に出た大真面目で納得のディスカス本。
かなりオススメです。