日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

短刀 正勝 Masakatsu Tanto

2019-11-05 | 短刀
短刀 正勝


短刀 正勝

 度々紹介している、幕末から明治初期の冠落造の短刀。江戸時代が終わってもいい刀が作られているぞ、という気分で作品を紹介している。刃長は七寸五分ほど。小振りに引き締まっていながらも頑強な印象がある。正勝の年紀作は明治三年頃までで、以降は年紀のないものがある。この短刀は大きく慶応頃とみている。正勝は徳勝の弟子で、師譲りの柾目鍛えを得意とした。柾目鍛えというと、同時代では清人が名品を遺しており、江戸初期には仙台國包があり、その祖先と伝える保昌が始まりとも云われている。この短刀は、緻密に詰んだ柾目。焼刃に沿って沸が働くために肌目が顕著になるが、地中では小板目風に良く詰んで肌目が判らない。再び棟焼きによって柾の肌目が際立つ。総体に密な柾目肌である。刃文は穏やかな湾れを伴う直刃。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 刀 左行秀 Yukihide Katana | トップ | 短刀 保昌 Hosho Tanto »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短刀」カテゴリの最新記事