日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 中山義一 Yoshitazu Katana

2016-03-10 | 
刀 中山義一


刀 中山義一作之天保二辛卯年八月吉日

 義一は相州古作、中でも郷義弘や則重を目指した中山義弘の弟。自らも兄に紛れる作を遺している。異なる質の地鉄を交えて鍛え肌を強く意識した作が多く、一門の特色とされている。この刀は、二尺一寸三分ほどで頗る扱い易い寸法と反り格好。実戦の場での使用を想定した作に間違いない。太刀銘に切られていることから、古作への憧れをも内包している。大きく流れるような地鉄鍛えに地沸が作用して肌目がより強く見え、焼刃の沸とも感応して激しい景観を呈す。刃文構成も、穏やかな湾れから始まって刀身中程で急に激しい互の目乱となり、物打辺りは鎬を超えるほどの高い焼刃構成。沸深い刃中には沸筋、金線、砂流しが層を成して走り、そのまま帽子へと連続し、先端は火炎状に激しく流れ掛かる。□




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