日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 直江兼次 Naoe-Shizu-Kanetsugu Katana

2010-07-22 | 
刀 直江兼次

刀 磨上無銘直江兼次

 

 志津兼氏の子とも弟子とも伝えられる兼次(かねつぐ)と極められている大磨り上げ無銘の刀。志津の門人達が居住して活躍した直江郷から、これらを直江志津(なおえしず)と呼び分けている。
 この刀は、反り深く寸法の長い太刀の磨り上げを思わせない力強い姿格好。総体に板目肌が詰んで小板目状になるも、所々に杢目が地景を伴って浮かび上がり、地沸が叢付いて肌目と働き合う。刃文は湾れに互の目交じり、互の目の頭が尖りごころとなり、細かな沸の帯が抑揚変化して焼刃を構成する。物打から上に砂流しや沸筋が強く現われ、先掃き掛けとなる態に大和伝の特質が窺えるも、総体は美濃風が強まっている観がある。