昨日の話で、言い足りなかったことがあるので、その続きです。
昨日は「何かするとき、それが役に立つのかどうかを考えろ」といいました。
しかし、これだけで足りません。
たとえば、今ここに長くて太い棒があります。役に立ちますか?
そう言われても、そもそも、何をやろうとしているのか分からないと、役立つかどうかも分かりませんよね。
暴漢に襲われそうになっていて、自分を守る場合は、その棒は役に立つでしょう。
このように、役立つかどうかを考える前に、目的を明確にすることが、一番大切なのです。
繰り返します。自分がやろうとしていることの目的を明確にすること、これが大事です。
ちょっと違う例をあげてみます。
たとえば、自分の部下が単純作業の仕事で、ミスをしたとします。
反射的に、怒りたくなりますよね。
しかし、目的は「業務をきちんと行うこと」です。
このように一回、目的を明確にしてみます。
その上で、怒ることが役に立つかどうか、考えます。
たしかに、怒鳴って、自分の怒りが伝われば、ミスはなくなるかもしれません。
しかし、部下が精神的に萎縮して、やる気が無くなるかもしれないし、逆ギレして辞めてしまうかもしれない。
そうなったら、「業務をきちんと行う」という目的が達成できません。
落ち着いて話し合って、ミスの原因を探り、問題を見つけた方が、よりよく目的を達成できるでしょう。
何をするのも、目的を明確にすることが、重要です。
その上で、この行為が、目的にとって役に立つのかどうかを考えるのです。
僕たちは、すぐに手段が、目的化してしまいます。
ミスを無くすことは目的ではなく、業務をきちんと行うための手段です。
だから、ミスを無くすことを気にし過ぎるのは、間違いです。
ちょっとくらいミスがあっても、目的が達成できれば、良い場合もあります。
繰り返します。大事なのは、目的を明確にすることです。