「は」と「が」をどう使い分けるかは新聞記事でも古典的な問題で、時に当欄も迷う。そのたびに思いだして指針と頼む一文が、作家の故井上ひさしさんにある。
いまは亡き国語学者の大野晋さんによる説を易しく紹介している。言葉をこよなく大切にした井上さんが「これで決まり」と太鼓判を押すので信頼感は絶大だ。
一言でいえば、既知の情報には「は」、未知の情報には「が」を使う。「は」と「が」に関して長年議論される「象は鼻が長い」も、この大野説ですっきり解ける。
象はすでに知られている動物だから「は」。鼻のことを話題にするとは誰も知らないので未知のことと扱って「が」。(「日本語教室」新潮新書)。なるほど、と納得したものだ。
福井新聞「越山若水」2016年8月21日付(朝刊)
いまは亡き国語学者の大野晋さんによる説を易しく紹介している。言葉をこよなく大切にした井上さんが「これで決まり」と太鼓判を押すので信頼感は絶大だ。
一言でいえば、既知の情報には「は」、未知の情報には「が」を使う。「は」と「が」に関して長年議論される「象は鼻が長い」も、この大野説ですっきり解ける。
象はすでに知られている動物だから「は」。鼻のことを話題にするとは誰も知らないので未知のことと扱って「が」。(「日本語教室」新潮新書)。なるほど、と納得したものだ。
福井新聞「越山若水」2016年8月21日付(朝刊)