特異日(とくいび)とは、気象学的な理由は不明だが統計的に毎年その日には特定の天気が現われる傾向が強い日のこと。特異日は日本だけでなく外国でも認められており、英語ではSingularity(シンギュラリティ)と言う。
厄日とは異なることに注意しなければならない。厄日は暦の上から言われるもので、特に農業上の注意を喚起するもの、例えば二百十日などがよく知られるが、特異日とは無関係である。実際、過去の統計を見ると8月末と9月中旬の台風襲来の山にはさまれ、二百十日頃の台風襲来は非常に少ない。
日本(主に東京)の特異日の例
1月16日 - 晴れの特異日。
3月14日 - 晴れの特異日。
3月30日 - 雨の特異日。
4月6日 - 寒の戻りの特異日。
6月1日 - 晴れの特異日。
6月28日 - 雨の特異日。東京では53%の確率で雨が降る。
8月18日 - 猛暑の特異日。
9月17日 - 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。
9月26日 - 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。
10月10日 - かつては東京の晴れの特異日であったことから、1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれた。
11月3日 - 晴れの特異日
よく「センター試験の行われる日は大雪の特異日」と言われるが、それはセンター試験の日に大雪になるとニュースになるため記憶によく残るだけで、実際には特異日ではない。
「特異日ではない」というもの
10月10日
前段に「かつては東京の晴れの特異日であったことから、1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれた。」とあるが、10月10日が東京の晴れの特異日であると言われるようになったのは1964年以降のことであるらしい。昭和34年発行「気象学ハンドブック」によれば、10月の特異日は14日とされており、事実ここ30年ほどのデータをみても、雨が全く降らなかった日で10月9日が17回、10日が19回、11日が14回と、大きな差はないと読める。なお、10月10日が「東京オリンピック開催日」となったのは、「暑くも寒くもない10月上旬が適する」との判断からではないかと言われている。
特異日の変化
上記のような特異日は長らく固定されたものではなく、長周期の変動が見られるものも多い。例えば、晴れの特異日とされる文化の日(11月3日)は、第2次世界大戦前は確かに晴天の回数が多く、特異日であったが、1950年代から1960年代初めにかけてはしばしば雨になり、気象学関係者の間では特異日から外す意見もあった。その後持ち直し、晴れることが多くなっている。また台風の特異日である9月26日は、1950年代は極めて明瞭で、洞爺丸台風・狩野川台風・伊勢湾台風のような顕著なものだけでなく、台風の接近・上陸が多かったが、1960年代からその傾向は弱まり始め、特異日の資格を失っている。
こうした変動の理由は、特異日の発生原因が不明であることと関連して、まだはっきりしない。
特異日の原因
特異日がなぜ起こるかについてははっきりしない。幾つか仮説は立てられている。
その一つに、地球外に原因を求めるものがある。彗星が太陽に接近して尾ができるのは、表面の物質が太陽の熱で気化し、太陽風や光圧で飛ばされるためであるが、そのため彗星の通過した後には細かな宇宙塵の帯が残る。彗星が地球の軌道を横切った場合は、地球は毎年ほぼ同じ時期に彗星の残した塵の帯の中を通ることになる。それは流星雨のような現象をもたらすと共に地球の天気現象にも影響し、それが特異日の原因となっているという説である。
一方、特異日には直接的な原因は存在せず、単なる偶然であるとも言われる。サイコロの目が出る確率が6分の1であるのはよく知られるが、それは多くの試行を行った場合のことで、少数回では特定の目が続けて出たり、集中したりする。あるいは乱数表や、非常に優れた乱数であるとされる円周率(π)でも、所々に特定の数が集中したり連続することが見られる。これを「群発生」と言うが、特異日も、実は単なる群発生に過ぎないという説である。
上記のような説では、特異日について部分的に説明することはできるが、多様で数も多い特異日をすべてそれらの範疇に収めるのはむずかしい。特異日発生の原因についてはなお不明という他ない。
「特異日」という言葉を今回初めて聞いた。面白い「日」もある・・・知りたい事がいっぱい。
厄日とは異なることに注意しなければならない。厄日は暦の上から言われるもので、特に農業上の注意を喚起するもの、例えば二百十日などがよく知られるが、特異日とは無関係である。実際、過去の統計を見ると8月末と9月中旬の台風襲来の山にはさまれ、二百十日頃の台風襲来は非常に少ない。
日本(主に東京)の特異日の例
1月16日 - 晴れの特異日。
3月14日 - 晴れの特異日。
3月30日 - 雨の特異日。
4月6日 - 寒の戻りの特異日。
6月1日 - 晴れの特異日。
6月28日 - 雨の特異日。東京では53%の確率で雨が降る。
8月18日 - 猛暑の特異日。
9月17日 - 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。
9月26日 - 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。
10月10日 - かつては東京の晴れの特異日であったことから、1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれた。
11月3日 - 晴れの特異日
よく「センター試験の行われる日は大雪の特異日」と言われるが、それはセンター試験の日に大雪になるとニュースになるため記憶によく残るだけで、実際には特異日ではない。
「特異日ではない」というもの
10月10日
前段に「かつては東京の晴れの特異日であったことから、1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれた。」とあるが、10月10日が東京の晴れの特異日であると言われるようになったのは1964年以降のことであるらしい。昭和34年発行「気象学ハンドブック」によれば、10月の特異日は14日とされており、事実ここ30年ほどのデータをみても、雨が全く降らなかった日で10月9日が17回、10日が19回、11日が14回と、大きな差はないと読める。なお、10月10日が「東京オリンピック開催日」となったのは、「暑くも寒くもない10月上旬が適する」との判断からではないかと言われている。
特異日の変化
上記のような特異日は長らく固定されたものではなく、長周期の変動が見られるものも多い。例えば、晴れの特異日とされる文化の日(11月3日)は、第2次世界大戦前は確かに晴天の回数が多く、特異日であったが、1950年代から1960年代初めにかけてはしばしば雨になり、気象学関係者の間では特異日から外す意見もあった。その後持ち直し、晴れることが多くなっている。また台風の特異日である9月26日は、1950年代は極めて明瞭で、洞爺丸台風・狩野川台風・伊勢湾台風のような顕著なものだけでなく、台風の接近・上陸が多かったが、1960年代からその傾向は弱まり始め、特異日の資格を失っている。
こうした変動の理由は、特異日の発生原因が不明であることと関連して、まだはっきりしない。
特異日の原因
特異日がなぜ起こるかについてははっきりしない。幾つか仮説は立てられている。
その一つに、地球外に原因を求めるものがある。彗星が太陽に接近して尾ができるのは、表面の物質が太陽の熱で気化し、太陽風や光圧で飛ばされるためであるが、そのため彗星の通過した後には細かな宇宙塵の帯が残る。彗星が地球の軌道を横切った場合は、地球は毎年ほぼ同じ時期に彗星の残した塵の帯の中を通ることになる。それは流星雨のような現象をもたらすと共に地球の天気現象にも影響し、それが特異日の原因となっているという説である。
一方、特異日には直接的な原因は存在せず、単なる偶然であるとも言われる。サイコロの目が出る確率が6分の1であるのはよく知られるが、それは多くの試行を行った場合のことで、少数回では特定の目が続けて出たり、集中したりする。あるいは乱数表や、非常に優れた乱数であるとされる円周率(π)でも、所々に特定の数が集中したり連続することが見られる。これを「群発生」と言うが、特異日も、実は単なる群発生に過ぎないという説である。
上記のような説では、特異日について部分的に説明することはできるが、多様で数も多い特異日をすべてそれらの範疇に収めるのはむずかしい。特異日発生の原因についてはなお不明という他ない。
「特異日」という言葉を今回初めて聞いた。面白い「日」もある・・・知りたい事がいっぱい。
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