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誤解だらけのうつ治療

2009年11月05日 | 病院・薬・病気
誤解だらけのうつ治療
蟻塚 亮二,上野 玲
集英社

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出版社/著者からの内容紹介
 本書は、沖縄在住の精神科医、蟻塚亮二医師(「ノーブルクリニックやんばる」所長)と、うつ病に関する著述の多いジャーナリストの上野玲氏の共著です。
 蟻塚亮二氏は、20年ほど前にうつ病とガンを煩い、2004年頃また再発。生き方を変えるために、青森県の病院から沖縄に移住して、現在、沖縄で精神科医を続けています。
 ジャーナリストの上野玲氏も、10数年前にうつ病を発症。現在も闘病中ですが、自らの病気と向き合うために、多くの患者や精神科医などに取材し、うつ病に関して10冊以上の本を著しています。
 本書では、自らがうつ病にかかった体験があるために、患者のつらい気持ちがよくわかるお二人が、現在のうつ治療に疑問を投げかけ、新しいうつ治療のあり方を提案しています。
これまでのうつ治療は、「抗うつ薬を投与し、十分に休息を取れば、うつ病は1~2年で治る」というものでした。
 しかし、蟻塚氏は、「うつ病になるのは、死ぬためではない。一生懸命生きたいからうつになる」という基本的な考え方のもと、独自の方法論からうつ病治療にアプローチしています。
 その主張は、「うつ病は医者や薬に頼っているだけでは治らない」「患者さん自身が自分で治療しようと思わなければ回復しない」「うつ病を機会に生き方を新しい軌道に変えるべきである」「うつ病は、自分がよりよく生きるためのチャンス」......など、ユニークな考え方にあふれています。
 また、現在の薬づけの治療がなぜ弊害を生じるのか、それがなぜ改善されないのかという、現代日本の医療機関をめぐる問題点にも、切り込んでいます。
 医者と患者が、それぞれの立場から、まったく新しいうつの治療法を探求していくというのが本書の目的です。これは、今までなかったスタイルだと思いますが、本当は、医師と患者の対話こそ、うつ病の治療には、最も大切なのだというのが、本書の主張でもあります。



内容(「BOOK」データベースより)
「死にたい」のではない。「よりよく生きたい」からうつになる。「医師と薬だけでは、治らない」―うつ病体験のある精神科医とジャーナリストが、本当に回復するうつ治療を探求。



出版社からのコメント
 心の病気は、かかってみないとその苦しさがわからないものです。そういう意味で、うつ病を発症した経験のある蟻塚亮二氏の言葉には説得力があります。
 特筆すべきは、蟻塚先生の「新しい軌道で生きる」という理論です。一度、うつ病にかかった人は、元の自分に戻ろうと思わない方がいい、新しい軌道で生きる、これまでと違った新しい生き方を考えるべきだ、というものです。
 効率優先で、成果をあげられないものは落伍していく......「休むのは悪だ」という休息を許さない発想が、未だに日本企業に蔓延し、「理想の人間になり、理想の社会を作らなければならない」というもともと日本社会にあったこ構造が、小泉政権の頃にさらに拍車がかかりました。
 その結果、日本社会全体が、うつ病を発症しやすい環境にある。誰でもうつ病になっておかしくないというのが、今の日本社会です。実際、病院で治療を受けていない人も合わせると、うつ病患者は今の日本に600万人いると言われています。
 ところがいまのうつ治療は、そうした根本的な問題には目を向けず、抗うつ薬の投与だけで治そうとする。十分なカウンセリングや社会復帰へのリハビリなどをせずに、元の自分に戻そうとする。こうした誤解だらけの治療法では、うつ病は治らない、ということが、本書の主張です。
 うつ病は、その人の生き方と密接に関連している病気。うつ病にかかったら、人生を見つめ直すチャンスと考えて、これまでの生き方ではなくて、新しい軌道を生きる生き方を考えるべきだ、というのが蟻塚医師の主張です。
 そのためには、医師や薬に頼るのではなく、自分が治療の主体なのだ、と患者さん自身が気づくことが大切。そのためにどうしたらいいかが、本書では、わかりやすく提示されています。



著者について
蟻塚亮二(ありつか りょうじ)
1947年生まれ。弘前大学医学部卒。精神科医。85年から97年まで弘前市の藤代健生病院院長。うつ病と二回の大腸癌を体験。2004年に沖縄に移住。現在、沖縄県「ノーブルクリニックやんばる」所長、「健康文化村クリニック」顧問。日本精神障害者リハビリテーション学会理事。かつて東京五輪水泳強化選手。著訳書に『うつ病を体験した精神科医の処方せん』『統合失調症とのつきあい方』(ともに大月書店)『統合失調症回復への13の提案』(岩崎学術出版社)など。

上野 玲(うえの れい)
1962年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。ジャーナリスト。大学在学中よりフリーランスライターとして週刊誌などに寄稿。35歳でうつになり、現在も治療を続けている。うつ発症以来、うつに関する取材、執筆を重ね、全国各地で「うつ会」を開き、講演なども積極的に行っている。主な著書に『アカルイうつうつ生活』(光文社知恵の森文庫)、『日本人だからうつになる』(中公新書ラクレ)、『僕のうつうつ生活、それから』(並木書房)など多数。


後輩が「うつ」になった。世の中が悪いと思う。今の「日本」で正常の神経でいられる人の方が僕はちょっとオカシイと思う。

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