鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

森は海の恋人、・・・生活と環境全国大会

2011-11-18 21:53:04 | お知らせ

 これまた少し古くなりますが、10月24日から26日にかけて、仙台国際センターを会場として「第55回 生活と環境全国大会」が開催されました。

     そのうち25日に大ホールで開催された”特別企画シンポジウム”に参加してきましたので、遅くなってしまいましたが、報告させていただきたいと思います。

    

 特別企画シンポジウムのテーマは、『環境と共生による持続可能な復興を考える』というもので、基調講演は””森は海の恋人~森川海の連環から考える震災復興への提言~””と題して、「特定非営利活動法人 森は海の恋人」理事長・畠山重篤さんでした。

 畠山さんの話が聞けるというので行って来ました。全国大会という割には参加者が少なかったのは淋しいし、残念です。 

 何でも畠山さんは京都大学でも学生に教えているとか、その活動は素晴らしい進化を遂げ、宮城県を超え、日本の、いまや世界的な?活動をしています。 話し振りも、話しの内容も学問的というか学術的にさえなってきたように感じました。 一つのことに集中して実践と研究を重ねればここまでこれるのだというひとつの立派な事例といっては失礼でしょうか。 今後のさらなる活動が期待されます。

 講演の内容

 3月の11日の巨大津波以来、1ヶ月間海から生物が消えたと言います。 フナムシもいなくなったし、鳥もいなくなった。 海は死んだと感じた。 

 しかし、1ヵ月後から日を追うごとに、カワセミも一杯飛ぶようになり、魚、カタクチイワシが多くなった。手で掬うこともできた。そのくらい多くなった。 今、海の中は魚で一杯だそうです。 サケの遡上も見られるようになった。

 漁師仲間では1年間漁をしないという不文律ができたとか。 でも、海は壊れなかった!!海は大丈夫だった。

 それは”森は海の恋人”だったから。 森は”魚つき保安林”だからといいます。

 なぜか? ロシアのアムール川の鉄が三陸にまで来ているというのです。アムール川のフルボ酸鉄が魚を蘇らせた。

 例として、東京湾の話しが入り、東京湾は湾に流れ込む川の数が多い。そのため2年で東京湾の水は入れ替わるらしいのです。 魚の数も多い。 鹿児島湾と比べてみると、鹿児島湾には流入する川がないため、東京湾の方が圧倒的に魚に恵まれているといいます。

 本来地球は”鉄の惑星”なのだが、現在海は鉄が少なく、貧血状態とのこと。

 沿岸部は植物により鉄分が多いのだそうです。 海は何も変わってはいないが、塩水だけではプランクトンは生まれない。 そこで川をしっかり守っていけば海は生き続ける。 川がしっかりしていれば海も生きているということです。

 川といえば川が流れる森です。森と川をいかに健全に保つか、保っていけるか、森と川とそこに住む人間、それが問題で、フルボサン鉄が海には必要なのです。 そのフルボ酸鉄は森と川によって生まれる。

 キーワードは山にある。 山にある『腐葉土』がないとフルボサン鉄はできないそうです。 杉林では腐葉土はできない。 

 そこで、山の”杉”を切り出すのです。建築材料として杉を使う。 杉で家を造る。 例として、茨城県の20万建の家が建つとか言っていましたが。

 そうすれば、川の流域まで経済が回る!! 山の木が売れないから限界集落が生まれる。 間伐が進めば海が豊かになっていく。 そういうモデルケースをこれから作ろうとしている。

 今言えることは、森を守るのは森を使うこと!!森を変えよう!!若者を山に連れて行き、未来を変えよう!! 森をどうするか?!今必死になって考えるべきこと!!そうすれば若者の雇用促進にもつながる。

 世界から注目を浴びているので、素晴らしい事例を世界に発表したいという言葉で講演は終了しました。 45分という短い時間でしたが、内容の濃い講演でした。

 

 そしたら、10月27日の朝日新聞 『創エネ 省エネ』という連載記事のなかで「木材の力 熱源に」という内容の記事が目につきました。

 木質バイオマスによる熱の利用として、日本の国土の7割を占める森林の利用、地域暖房や給湯などに利用すれば、林業の不況や電気偏重に一石を投じることができるのではないか、それがひいては東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方の復興にもつながるのではないかといいます。 具体的には、津波でインフラを失った町の立て直しに、建材としてエネルギーとしてうってつけではないかと訴えています。

 

 さらに、11月3日の朝日新聞の記事。 見出しは 「森は未来のエネルギー  活用探るシンポ 静岡で」

 10月29日に「国民参加の森林づくり」シンポジウムが静岡県袋井市で開かれ、成熟した国内の森林資源を東日本大震災の復興にどう生かすか、話し合われたそうです。 森林を熱源に利用するとともに、適切な間伐と再造林という森林の健全な管理が必要であるということが話し合われました。 一人ひとりが木を使う生活を心掛けていけば、豊かな森の再生につながるのではないかとも。 森林は熱源であると同時に水源でもある。

 

 こう見てくると森・川・海は太いパイプでつながっていることが分かります。 森は海の恋人、川はその仲人 大事にしていきたいものです。


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