秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

公益法人の使命として ~女性の生活事情改善を~

2011年08月07日 | 囲碁界への提言

  子連れパチンコ客、駐車拒否を 2011/08/04(木)毎日新聞より  

 車中に置き去りにされた子供が熱中症で死亡するという痛ましい事故、数年前より問題になっていますが、後を絶ちません。これらを防止するために、警察が関係団体に対し指導を行ったそうです。
 ただし最近では置き去りの手口が悪質になって来ているとそうです。特殊なフィルムを窓の内側から貼り付け、車中の様子を見えにくくする手口。また、ベビーシートやチャイルドシートにタオルをかけ、子供の存在に気付きにくくする手口。これらをする人たちはプライバシー権や個人情報保護などの法的権利を口にするようですが、子供の生命・生存にかかわる問題なれば、いずれはこれらの行為を厳しく規制する法整備が必要になるのかも知れません。

 実はこの問題、「育児放棄」に関わる問題。しかし、それだけに注目してはいけません。
「子供を車中に置いたままパチンコに行く」
 という行為、あえて性善説に立って考えるならば、
「今の日本の母親は、育児孤独に陥っている」
 と、私は考えています。

 例えばよく言われるように、都会に住む人たちはマンションに住んでいる。管理人の常駐やオートロックなど防犯システムはしっかりしているけれど、隣の部屋に住む人との付き合いがない。また仕事の都合上、親と同居する事が出来ない。さらには保育所の不足などで子供を預ける事が出来ず、仕事に行くこともままならない。

 また地方の場合、「子育ては母親がするもの」という意識が(特に年配者に)強いため、子供を預けて遊びに出かけるということが難しい。もしそんな事をしては悪いうわさが流れ、近所付き合いが難しくなる。また、仕事先が遠方という例が多く(例えばご主人は東京方面に車で50分、義父は反対方面に車で80分)、子供がけがや急病であってもすぐに駆けつけてもらう事が出来ない。
 特に地方は人口減少などでバスや鉄道などの交通手段が少なくなり(廃線も多い)、一人に一台自家用車がないと就職できなくなり、それが原因で高齢者や学生などが買い物や通学が困難になっているという事が取り上げられています。これに関しては、以前NHK総合テレビで特番が組まれています。
 今回幼児が車中で熱中症で死亡したという問題は、石川県輪島市との事。地方には大型駐車場を持つ郊外型のパチンコ店も多く、そこに子供を連れてきたという事は、地方であっても人間関係が疎遠になっているという事が推測されます。

 ※教育評論家の尾木直樹先生が、
自分がパチンコに行くため、子供を自宅に留守番させて学校に行かせない
という報告をされていました。(『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系列より) こういった事例は特殊な個々の問題ではなく、現代日本の代表的な病巣ととらえた方が正しいのかもしれません。


子育ては世間一体で


 子育ては親、特に母親がするものというのが代表的な考え方。しかし長く続く不況に男性が低収入を強いられている事、また女性の社会進出により母親が育児に時間を多く割けなくなっている事。これらが一因となって、男性が育児に参加する「イクメン」が増えているそうです。
 しかしこれにも問題が考えられます。育児を通じて男性が鋭気を養い、仕事の励みにできると言うなら問題はありません。しかし、育児に時間を取られ体力気力を奪われ、それが仕事にも響くように事になってしまったら、それは間違いなく悪循環。育児過労という事例が増えてしまっては、将来的に男性会社員の給与を減らそうという動きが出てくるかもしれません。

 そういえば、「男性は女性より、子育てでストレスを感じる人が多い」という話を聞いた事があります。これは本当なのでしょうか。

 また根本的な問題として、今の女性にとっても、子育ては未経験の分野。少子化や一人っ子が増えている時代傾向の中で、妹や弟のお守のお手伝いをしたという人は、ベビーブーム世代の方と比べても減少しているのではないでしょうか。小中学校の家庭科の授業でも裁縫や料理などの勉強はしますが、子供の世話に関しては、幼稚園教諭や保育士に関する過程のある学校へ進学しないと学べない。
 それなのに子供が生まれたら育児に専念しなければいけないというのは、どう考えても無茶な話。子育て経験のない母親に任せっきりにするのではなく、経験豊富な祖父母や近所のおばちゃん方が積極的に関与するべきです。そこから子育てを学び、母親・父親としての力をつけていくのがこれからの目指す社会なのではないのでしょうか。


 そういえば以前、「託児所のある碁会所はないものか」という事を、木下かおりさんのブログに書き込ませていただいた事があります。木下さんは興味を持って下さいました。
 ただしこの場合、法律にのっとった環境整備が必要なのでお金がかかるでしょうが、特に都心では利用を望む人が多いのではないかと思います。それに何より、
母親を育児ストレスや育児孤独から解放する
 という事が私の考えですから、営利目的ばかりではなく社会的大義もあるはずでず。
 
 碁会所というところは、大抵が個人経営や家族経営。儲けもほとんど無く、赤字が出なければそれでいいというのが現実です。
 そういった個人経営・家族経営の店では難しいでしょうが、日本棋院であれば可能なのではないでしょうか。例えば二カ月に一回のペースで女性のための入門教室などを開くとき、東京本院の一階を託児室として開放。そこにはベビーシッターや保育ママといった方にその日だけ来ていただき、お子さんが遊べるようにする。
 もしそれが好評であるならば、二カ月に一回から一カ月に一回、さらには一週間に一回と増やしていく。
 場合によっては、東京本院の近くで働く方のための託児所として開放する事はできるのかどうか。考えられる問題は、保育所は厚生労働省の管轄、日本棋院は文部科学省の管轄。手続きや交渉に関しては厄介かもしれません。では、日本棋院の一階の教室で開催している囲碁教室はどうするのか。それは、都内の碁会所などに協力をして頂き、「日本棋院のサテライト教室」を開けばいい。都内の場合、常連のお客さんはたくさんいらっしゃいますが、時間帯によっては幾らかの余裕もあります。そんに時間帯にサテライト教室を開いたとしたら、碁会所にも安定的な収入が見込めますし、お客さんにとっては市ヶ谷まで出かける必要がなくなる。

 2011年、日本棋院は財団法人から公益財団法人へ移行したそうです。
 「囲碁の普及は社会的な意義がある」
 と国から認められたわけですが、囲碁を普及させるだけでよいのか。特に近年の日本のコミニティー(近所付き合い・世代を超えた交流)はもろいものになっていますが、それらの問題を囲碁普及で回復・再構築させる事はできないものか。

 日本の囲碁界が一丸となって考えてもいい問題だとは思うのですが。

夢をかなえる商売

2011年03月09日 | 囲碁界への提言
  ☆東京ガールズコレクション☆

 今回のコレクションの様子、ズームインSUPUEで見ました。いつもの事ながら、たくさんの女性ファンが会場に集まっていましたね。
 特に今回目立ったのは、遠く海外から来日された女性たち。ファッションの本場はヨーロッパやアメリカとばかり思っていました。それなのになぜ日本のファッションイベントに駆けつけるのでしょうか。
 それについて、インタビューを受けた南米からいらっしゃった女性が答えていました。

  「ヨーロッパのショーは、モデルの人たちは怖い顔で歩いている。一方で日本のショーのモデルの人たちは、ものすごく楽しそう」

 本場ヨーロッパは、商品の魅力を関係者にPRするための、真剣勝負のビジネスの場所。一方日本は、普通の女の子たちが普段のファッションを楽しむためのステージ。伝統的なコレクションとは違い、あらゆる格式や壁を取り払い、誰もが楽しめるフェスティバルなんですね。
 ステージに立つモデルさんは、10代後半から20代の女性をターゲットにしたファッション雑誌で活躍している方々。そんなモデルさんたち、

  「ステージを思いっきり楽しむ」

 ことを大切にしているのだとか。




   非現実の世界へゆく


 これまでに何度か、宝塚歌劇の作品を有楽町の劇場で観劇しました。その宝塚歌劇の歴史は、私が最も尊敬する経営者・小林一三先生が始められて以来間もなく100年。それほどまでに長く、日本の大衆芸能として楽しまれ、ファンを引き付けてきたものは何か。
 私は気づきました。それは、

「劇場を離れてなお、非現実(ゆめ)の世界へいざなう」


 そんな魔力を持っているのです。
 劇場向いにある日比谷シャンテに、『キャトルレーヴ』という宝塚歌劇のオフィシャルショップがあります。そこでグッツを眺めていた時の事、女の子の声がしました。お母さんに連れられてきたのでしょうか、年齢は幼稚園生くらい。あるトップスターのポートレートを目を輝かせながら見ています。
 実はその女の子、結婚式のお嫁さんのような、真白なドレスを着ていたのです。しかもそのスカートのスソは、その子の両手を広げた時よりも幅がある。生まれてこの方、一度としてみた事のないドレスでした。
 私などは、お金と暇に余裕さえあれば、チケットを取りよせ観に行きます。しかし幼稚園生はもちろん、小学生や中学生にとっては、おとぎの国に旅立つような心境なのでしょう。それならば、めいいっぱいのおしゃれをししたい。そして、舞台と自分をシンクロさせる……
 そういった世界、本当にすごいの一言です。




    新しい時代を作りたい


 東京ガールズコレクションや宝塚歌劇を観劇する時のように、囲碁界にも女性がファッションを楽しめる場所やイベントがあります。
 まずは、世界ペア碁大会。各国の代表選手がそれぞれの民族衣装を身につけて参加するのです。雑誌の巻頭カラーで取り上げられますが、本当に華やかです。
 また、ダイヤモンド囲碁サロンでは、毎年の七夕の週、浴衣で来店されたお客さんに対し入場料の割引サービスがありました。今年はどうなのでしょうか。
 囲碁の愛好者といえば男性、特に中高年の方が多かった。しかし最近では、若い女性たちが関心を持っているようです。囲碁専門のフリーペーパー『碁的』の第三部でも取り上げられていましたが、

  「『囲碁ガール』のブームを作ろう」

 と、方円企画や IGO・AMIGO のスタッフやメンバーが活動されているようです。その活動を支えるためには、『囲碁ガール』が集まれる場所やイベントが必要でしょう。ドレスコードを設定させるほどではなく、ほんの少し背伸びしたファッションを楽しみながら集まれる。現時点ではダイヤモンド囲碁サロンなどがありますが、もう少し増えてもいい。

 女性ファンが増える事、女流プロが増える事は、囲碁界の発展には欠かせません。そのための活動をしている方も大勢いらっしゃいます。私もまた、何らかの形でお手伝いできるといいのですが。

碁会所 ・ メディア戦略の傾向

2011年02月26日 | 囲碁界への提言
   あの人は、いま。  


 という番組、時々やっています。その番組タイトルになぞらえて、今回の記事も書いてみようと思います。


   さとう宗幸(歌手・俳優)

 宮城県出身。ラジオにリスナーが投稿した歌詞で作った『青葉城恋歌』がヒット。日本作詞大賞など受賞。また俳優として、『2年B組 仙八先生』にも出演。  
 現在は、宮城県の情報番組、『Оh! バンデス』(ミヤギテレビ)に出演中。

   井上あずみ(歌手)

 石川県出身。『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』などの主題歌を歌う。
 現在、福島県のラジオ番組『子育て応援団 ままどおる倶楽部』(ラジオ福島)に出演。

 かつてブームの中心にいた人。全国的規模でみれば、時流から外れてしまえば忘れられてしまいますが、実力や評価が高い人などは、各地からの依頼を受けて、その土地その土地に根ざして活躍されています。そのような方、沢山いらっしゃるようです。



   碁会所の広告はこのように

 これは旧来の方法としては、囲碁専門誌。比較的最近の傾向としては、囲碁・将棋専門チャンネル。碁会所は、主としてこの二つに広告を出す傾向があるようです。私の行きつけの店ですと、次のようになります。

    碁席秀策    ⇒『圍碁』(月刊誌・誠文堂新光社)
 ダイヤモンド囲碁サロン⇒囲碁将棋専門チャンネル

 雑誌かテレビか、ネットか新聞か、どこに広告を出すかはその店その店の判断によりますが、それぞれのメディア媒体がどんな人にメッセージを送れるのか、それぞれの得意不得意を意識する必要があると思われます。


 もしこれから碁会所を開業されようという方に提案します。
 ラジオのコミュニティーFMや、各地のケーブルテレビなどはいかがでしょうか。
 この二つは地元密着の番組を制作しているところが多い。また、全国規模のメディアに比べリスナーや視聴者は少なくも、熱心な愛好者が多い。この二つは、強いメッセージを与えやすいと思われます。その土地その土地で普及指導をしたいという方には、こちらの方がいいかもしれません。
 そして何より、広告費が安い。
 地域密着型というメディア戦略、これは強力なメッセージを送る事が出来るかも知れません。

 よろしければ、一度ご検討されてはいかがでしょうか。 

囲碁ライターさんにお願い ? ~ ある日の雑談から

2011年02月21日 | 囲碁界への提言
 平成22(2010)年の9月でしたか、DISにて立教大学囲碁部の浜崎さんに初めてお会いしました。『碁席秀策』の席亭のお孫さんの先輩。何の話のつながりでしたか、アイドルグループ≪AKB48≫の話題になり、どうやら浜崎さんもお好きな様子。女の子たちが制服を着て歌って踊るグループ、高校生時代の文化祭を思い出すからなのでしょうか。
 私は数年前から知っていました。ただしまだ全国的にヒットはしておらず、むしろプロデューサーである秋元康さんに関する番組で見た事がある、という程度の記憶です。番組などで楽屋裏の様子が放送されたところを見た記憶がありますが、仕事を離れたらみんな仲よさそうですね。
 そういえばここ数年のJ‐POP、1970~80年代に活躍した作詞家の名前を見るようになりました。過去と最新作の作品名を簡単にご紹介いたいます。


 山上路夫 ;旧『瀬戸の花嫁』……歌;小柳ルミ子
        新『いくたびの櫻』……歌;ふくい舞

 なかにし礼;旧『天使の誘惑』……歌、黛ジュン
        新『ANBITIONS JAPAM』……歌、TOKIO


 松本 隆; 旧『木綿のハンカチーフ』……歌、太田裕美
        新『ガラスの少年』……歌、KinKi Kids
         ※ちょっと古い?

 千家和也; 旧『わたしの彼は左きき』……歌、麻丘めぐみ
        新『北岬』……歌、細川たかし


 この四名の実績、そうそうたるもの。詳細はネットなどで調べて頂けるとわかるかと思いますが、日本人であれば誰でもが知っているような、数々の名作を世に出してきた方々なのです。
 しかし、1990年頃より約10年間、≪一時代を築き上げるような≫作詞家が、なぜか活躍しなかったのです。その時代の日本人が好む歌に「詞・ことば」が必要とされなかったのでしょうか。この事を、亡くなられた阿久悠さんも憂いてらっしゃいました。


    ☆囲碁本に、情熱が感じられない☆


 以前このブログでご紹介しました、『この世から置き碁をなくそう』、ご存知でしょうか。『圍碁』という雑誌の編集者(編集長、でありましたか)であった勝本徹洲さんが担当された連載をまとめた本です。囲碁を始めたばかりの人にとって、囲碁は勝つのが難しい。そこで、どうすれば初学者でも勝ちやすくなるかを独自に研究、それを誌面や本で発表されたというのがいきさつです。
 この本は昭和30~40年代出版されたもののリメイク版です。それにしても、この時期に出版された囲碁本、とにかく解説や文章が長い。そして、どこを読んでも面白い。
 「いい本を作りたい」「読者に、強くなってほしい」
 そんなライターの情熱が強く感じられるのです。一方現在の囲碁本は、効率的な学習を目的としているようで、解説は必要最小限にまとめられています。
 囲碁の教材として、本に関する価値は高まったと思われます。しかし、学習専用、技術重視傾向、この二つが強まったために、本を読む楽しみが、かつてのものに比べて少なくなった感があります。愛読書(バイブル)になりそうな本が少ないのです。これで囲碁の楽しみ・面白みが伝わるかと言えば、疑問。
 出版不況や読書離れが進む時代にあって、文章の長い囲碁本が売れるかと言えば、難しい話でしょう。それでも、よき名文家が現れ、囲碁の面白さを伝えてくれる本を書いてくれる、そんな事を願っています。
 



はじめませんか? ママともサークル

2011年02月17日 | 囲碁界への提言

 『ヒカルの碁』以来、各地で子供教室などが数多く開かれるようになりました。
 また東京都の麹町≪ダイヤモンド囲碁サロン≫では、女性を対象にしたイベント、

   『DIS レディース碁』

 が開かれているそうです。 
 碁会所の稼ぎ時と言えば、週末、あるいは平日の午後5時以降というのが相場だそうで、平日の昼はお客さんが少ない所が多いそうですね。そこで、私からの提案として、

   『☆ママとも☆ 囲碁サークル』  

 を開催されてはいかがでしょうか。下記の案もご参考に。

 ①時間……夕方4時ころまで
    サークルの後、お惣菜の買い出しに行ける時間。
    仕事帰りのご主人と待ち合わせできる時間。

 ②お子さんの同伴ができる
    少し離れた場所に住んでいる人との交流。
    違う世代の人との交流。
    育児・子育てなどの相談ができる場所の提供。
  ※これは以前、木下かおりさんのブログに書き込んだコメントの延長です。
   小さなお子さんのいらっしゃる女性が出かける時には、誰かに子供の面倒を
   見て貰わなければいけない場合が多く、時には外出もままならないようです。
   『~ナチュラルメッセージ~from KAORI』2008/07/22より


 ③ランチボックス(お弁当)持参
    お弁当を見せ合い、作れるメニューを増やす。料理の勉強。

 ④子供と大学生アルバイトの交流
    遊びや宿題の手伝い。
    このサークルをきっかけに、子供への囲碁普及を目指す。

 
 女性に対する囲碁普及はもちろん、新鮮な環境を提供する事は育児や子育てによい影響を与えられるかも知れません。
 それに将来を見据えれば、≪母から子へ≫、囲碁を伝えて頂ける可能性があると思うのです。


 興味を持って頂けましたら、一度ご検討頂ければと思います。



      追  伸

 プロ棋士・仲邑信也さん、ご夫人・幸さんが主宰さている子供囲碁塾のブログアドレス、ブックマークに登録しました。
 お二人が子どもに対し、どのように囲碁を指導しているかが紹介されています。
 ぜひご覧ください。


  




貴乃花親方の活動……世界と相撲とサッカーと

2011年02月11日 | 囲碁界への提言
 最近、相撲に関する諸問題が報道されています。国技として存続させるべきか否か、厳しい話題ばかりです。今回ここでは、それらとは全く別の事を取り上げます。
 

 全国ではどのように報道されているのでしょうか。福島県のニュース番組などでは時々取り上げられています。
 サッカーの日本代表選手の強化プログラムに、
 ≪平成の大横綱・貴乃花親方≫
 が関わっていらっしゃる、そんな事はご存知でしょうか。

「ブラジルサッカーでは、足腰の強さが要求される。相手に協力にタックルされても倒れない、そんな子供がジュニアチームで採用される」
「日本の選手が世界で勝てないのは、リフティングなどの技術にこだわり過ぎているからなのではないか」

 そんな話を、『碁席秀策』の師範である佐々木修先生から伺いました。私はあまり詳しくはありませんですので、とりあえず記憶にとどめていたのですが、後日スポーツニュースを見ていたら、貴乃花親方が次のような意見をおっしゃっていたのです。

「下半身を鍛えたら、サッカーの日本代表は強くなれるはずです」

 その貴乃花親方が始めたのが、「サッカー選手の養成プログラムに『四股』を取り入れては」と提案されたらしいのです。その意見にサッカー協会も賛同されたらしく、福島県にあるJFAアカデミー(世界水準のサッカー選手を育てる機関)のカリキュラムに取り入れたそうです。これは数年前に始まったばかりで、その成果が出るのはしばらく先でしょう。

 今回の相撲界の騒動があり、「四股踏み」はどうするか、という問題が出たそうです。しかし、相撲界とJFAアカデミーの意見は双方ともに「やりましょう」ということで一致し、アカデミーの生徒は東京の相撲へ出向き、貴乃花親方はじめ各部屋の親方・指導者の下でトレーニングをしたそうです(まだ、だったかなぁ)。




   「ヨセが弱いから」 それだけの問題か?  

 以前、京都の藤田塾で囲碁講師をしている高津昌昭君(元・学生王座)に会ったとき、

「囲碁の日本代表選手は終盤戦に弱いので、普段の研究会ではヨセの勉強に力を入れるようになってきました」

 そんな話を聞きました。得意苦手の傾向に注目し、苦手課題の克服に力を入れる事は大切な事です。ただ私が考えるところ、「ヨセが弱い」だけの問題でしょうか。中国や韓国の囲碁棋士は、たとえばイ・チャンホ九段の影響があり、やはりヨセの研究に力を入れているそうです。しかしそれ以前に、
 ≪IQが高く、数学や理科・化学に強い≫
 そんな囲碁棋士が多いとも聞きます。今の日本の小・中学生は理数系の勉強が苦手、という現実とは正反対の現象のようです。

 それならどうでしょうか。今後の院生研修に、『そろばん』や『100ます計算』などを取り入れてみては。囲碁一辺倒の修行も大事でしょうが、なるべく早い時期から数学や理科・化学に強くなるトレーニングをすれば、囲碁が強いだけではなく、(囲碁を仕事にしなくとも) 各界で活躍できる人材育成に貢献できると思うのです。

 

囲碁指導法……攻めの考え方

2011年01月25日 | 囲碁界への提言
 囲碁の上達法は数々あります。その中でも格言や名言は無数にあり、それらの蓄積が囲碁文化の発達・普及につながったものだと思われます。
 しかし、それらが無数にあるがゆえに、何を選択・使用すべきか、どれを重視すべきか、困惑する事もある、それも事実でしょう。その中には、信憑(しんぴょう)性があるのかどうか、それすら疑わしい物も混じっています。

 私事ですが、これまで囲碁を学ぶ過程でとにかく困った事がありました。それは、
「石を攻めるって、どういう事なんだろう……」
 という事でした。本を読んでも、実戦の手直しを受けても、どこか腑に落ちないものがある。その原因はおそらく、
 ≪囲碁における攻め方が『体系化』されていない為ではないか≫
 と考えました。そこで、今までに学んだ事を改めて調べ直す事にしたのです。

 そして最近、自分なりに納得できるまでに完成しました。これを読めばすぐに勝てるようになる、そういった代物ではありません。しかし、ご自身の棋譜を調べ直したりする時、囲碁教室などで生徒さんに指導する時、そういった場合にならお役にたてるかもしれません。
 一度、ごらんください。

   五;自分と相手の石数を比べましょう    
     ↓ 
   四;守られていない、眼形の急所を探しましょう
     ↓
   三;相手の石を、攻めてみましょう~攻めの基本
     ↓
   二;より厳しく、相手の石を攻めてみましょう~攻めの応用
     ↓
   一;相手の石を取れるかどうか、よく考えましょう。




 五;自分と相手の石数を比べましょう。
 
 自分の石数が多ければ戦いに有利。相手の石数が多ければ戦いは不利。これはごく当然のことでしょう。しかし、実戦になると、この当たり前の原理をすっかりと忘れてしまうのです。まあ、これは仕方ないでしょうが。
 戦いに有利か不利かを判断するための基準は如何に。それは下の数値を参考にするのが良いそうです。

   3ケ(自分の石)>2ケ(相手の石) ⇒ 攻めを仕掛ける

   2ケ(自分の石)<3ケ(相手の石) ⇒ 守りを選択する 

   参考文献;『基本の知恵 これだけは』より





 四;守られていない、眼形の急所を探しましょう。

 盤上に石が次々と打たれていくうち、強い石と弱い石があちこちに出てきます。当然ながら、弱い石には急所があります。急所を守ることは、予測し得ない危険要素を打ち消す効果があり、また後々の戦いを有利に進めることができるかも知れません。
 特に囲碁においては、『石の急所』と呼ばれるものがいくつかありますが、その中でも、以下の四つは「急所の基本形」と言えるものでありましょう。  

  A;ボウシ
  B;カタ
  C;ミミ
  D;アゴ


 参考文献;
 この四つは、『平野正明の碁スクール』シリーズで取り上げられていました。詳細を知りたい方はこれを読んで頂くのが一番。私自身、平野先生のご高説には感服いたしました。言われてみれば、ごく当たり前の事だったんですね。
 ちなみに、AとBは中央への発展を防ぐ場所。CとDは相手の根拠を脅かす場所。私はそのように考えています。 




三;相手の石を、攻めてみましょう~攻めの基本

 石を攻める方法は、古来より無数にあります。無数にある中から良いものを厳選したとしても、それでもまた限りはありません。
 そこで、三つに厳選してみました。
 これを、『攻めの三法』と、私はよんでおります。
 置碁でも互先でも採用しやすいものだと考えますので、これをご覧の皆様には、ぜひご検討頂きたいと思っています。

 ≪封  鎖≫  →相手の石を閉じ込める。
 ≪追い出し≫  →相手の石の根拠を奪う。
 ≪分  断≫  →相手の石を裂かれ形にする。

 参考文献;
 囲碁雑誌『囲碁研究』にて、マイケル・レドモンド先生が「ウチコミ」に対する連載をされていました。その時、
「ウチコミには、閉じ込める手と根拠を奪う手をまず考えます」
 とコメントされていました。私の提唱します『攻めの三法』は、レドモンド先生のこの連載を参考にさせていただきました。




ニ;より厳しく、相手の石を攻めましょう~攻めの応用

 『攻めの三法』より厳しい攻め方として、≪モタレ攻め≫と≪カラミ攻め≫を取り上げます。
 なぜ、厳しい攻め方なのか。それは、『攻めの三法』を組み合わせた技であるから、と言うのが理由です。

≪モタレ攻め≫→相手の石を分断しつつ、ある一方の石を封鎖する。もしくは、より厳しく圧力をかける。
≪カラミ攻め≫→相手の石を分断しつつ、ある一方の石の根拠を奪う。

 カラミ攻めとモタレ攻めは昔よりある代表的な攻め方ではありますが、指導の際、この言葉はあまり使わないほうがいいかもしれません。この二つの攻めは複合技ですので、実戦で使いこなせるのは大変かもしれません。




一;相手の石を取れるかどうか、よく考えましょう。

 「石を取ることと攻めることは違いますよ」
 という話、聞いたことはありますか。
 石を取れば勝てるだろう、そう思って取りに行ったら、自分の大石を取られてしまった。そういう経験は、特に石取りが好きな方には多いのでは。
 考えても見てください。石を取ったら勝てるかも、そんな時相手は、取られないように守りに専念するでしょう。自分の大石を取られるのは、相手だっていやですから。そんなことから作られたであろう有名な格言が、

 「取ろう取ろうは取られのもと」

 です。しかし、私には違和感があります。これは、碁キチの悪口から派生したような感じがします。それに、
「石を取ることは悪いことだ」
 という誤解を生む可能性もあります。それなので、囲碁指導には不向きであると考えているのです。
 そこで、この格言の改良案を提示いたします。

 「攻めるとは 取るぞ取るぞと 脅すこと」

 囲碁の戦いにおいては、必ず石を取れる、そんな保証はありません。そこで、「石を取っていいですか」と、相手に脅しをかける様な手を、何度か打つのです。そこで、打った手に対し、「取られたくない、取られたくない」と守ってきたら、別の攻めや作戦を敢行します。逆に守る手を打ってこなかったら、その時こそ遠慮なく、取りに行けばいいのです。
 囲碁上達の心得の一つは『見合い』。『見合い』を使いこなせるようになったら、本因坊秀策先生に近づけるかも知れませんね。
 かつて【黒甲将軍】と呼ばれた加藤信先生の名言に、
 「相手がドキリとする手を打て」
 というのがあったと聞きました。こちらもぜひご参考に。

 ※「攻めるとは 取るぞ取るぞと 脅すこと」
  取るぞ取るぞは、「地所を取る」でもいいでしょうし、「石を切るぞ」に置き換えてもいいかもしれません。




泉美流、いまだ完成せず

2008年02月15日 | 囲碁界への提言
☆勝手ご無礼!! どうぞご容赦☆


  現在の日本囲碁界の第一人者、張栩・氏と 結婚され、ご息女に
『心澄(こすみ)』と命名されたのは、小林泉美さん。『心澄』とは珍しい名前
だが、命名の由来を聞いて、 なるほどと納得した。
  泉美さんがファンにサインするときによく使われる言葉が、
『慧眼(けいがん)』と『心澄』の2つ。
 『慧眼』とは、大切なものや真実を見抜く心の目の事。『心澄』とは、
「雑念が消えて、澄んだ心になる」
 という意味で、『山家集』という昔の歌集に出で来る言葉だそうだ。
 今の囲碁界で、『心澄』の2文字を愛用するプロは幾人かいるが、かつては
泉美さんの母である小林礼子先生が、さらに遡れば母方の祖父・木谷實先生が
使われていた。
 この事からもわかる分かるように、母と祖父の歩んできた「棋道」の歴史を
背負い、歩まれている。


 さて、泉美さんが過去から受け継いでいるものはほかにもある。父である
小林光一・九段からは「小林流布石」または「新・小林流布石」を。ご亭主
である張栩・氏からは「張栩流布石」を。ただし、泉美さんに限っては、
「敬意を以っての模倣」というべきか。
  得意な布石をさがし、採用する基準としては、その布石の勝率と、序盤
における優位性を、統計からはじき出す。
  ただ、泉美さんに限っては、 結婚以前は父親愛用の布石を、 結婚後
はご主人の布石を使われる。勝率は、基準にされていないらしい。そうい
えば父君も、
  「親父の真似しないから勝てないんだ」
 とコメントされていたことがある。それは皮肉か。いや違う。
 そういえば泉美さんが20代前半のころ、女流囲碁界の覇者であった知念
かおりさんを下しタイトルを獲得して言ったのは、父の背中を追い続けての
ことであった。小さなころから父が打つ石の音を目覚まし代わりにし、父親
と対局したい一心で勉強し続けてきた。そして得たものは、地所に辛くもバ
ランスが取れた棋風と、どんな乱戦になっても間違えない正確な判断力。
そしてそれらをさらに磨いてこそ、多くの女流タイトルを獲得できた。


進化する泉美流の姿とは?

 しかし私個人の希望としては、今後泉美さんは、
「『ヨセ』を意識した布石」
 の研究に力を入れられたらいかがかと。泉美さんの正確・冷静たる資質
は『ヨセ』でこそ遺憾なく発揮できるものと思う。これを少し意識される
だけで、力戦一辺倒になりつつある現代碁の将来に、全く新しい展望が
開かれるであろう。そういえば、 かつて木谷實先生は、
 「力戦、新布石、地取碁と、生涯三度棋風がかわった」
 といわれた。泉美さんも、いずれは変わることがあるのだろうか。


 それほどの実力者でありながら、26期の女流本因坊戦の挑戦者決定
戦では、「台湾の台風」と評される謝依旻に敗れてしまった。しかし、これ
は実力不足が原因であるはずない。出産、育児のためにしばらく対局を離
れていたため、勝負勘が戻っていないというに過ぎないのだ。間はゆっくり
とり戻せばいい。それよりもこの間に、現代碁をじっくり観察し、充電してほ
しい。娘さんが小学校に上がる年のころまでに力を取り戻し、

  『世界最強』

 といわれるまでになってほしい。「日本女流の第一人者」という評価だけ
で満足されたら、再興しかけた日本囲碁界が待た地盤沈下しかねないだ
ろう。