では、こうした条件のもとで交渉はどう進んでいくのでしょうか。
価格交渉では多くの場合、
1. まず双方が最初の条件提示を行い、
2. さらに話し合ってどの程度で合意するのが妥当か探りあい、
3. 若干歩み寄った(妥協した)修正案を提示し、
4. 必要に応じて2と3を何度も繰り返し、
5. 最終的にある価格で合意する
といった流れに沿うのが一般的です。
ここで重要なのは、価格交渉が基本的に双方の歩み寄りを織り込んだものだということです。
言い換えれば、交渉者どちらも、ある程度自分が妥協して話をまとめることを前提に条件提示しなければなりません。
今回のケースで言えば、売り手は本当は最低10万でもとりあえずOKなところを、自分もある程度妥協して値下げすることを前提にあえて20万円から始めているわけです。
ではAさんは最初の条件提示として、いくらで買おうと提案すべきでしょうか?
交渉には妥協がつきものだとするならまず最初は思い切って強気に、たとえば5万円で買うと提案したらどうでしょうか。
これは相手からするととうてい受け入れられません。
相手のWalk-away(下限価格)は10万円だからです。
相手から見れば、後で多少Aさんが歩み寄るにしてもとてもおいしい取引にはなりそうにないと思えるでしょう。
悪くすると相手は怒り出したり、まともに交渉しようという気を失うかもしれません。
では逆に、Aさんの目標価格である15万円から始めたらどうでしょうか。
これは相手からもリーズナブルに見えます。
お互いが合意できる範囲にも入っています。
しかしながら、交渉する中で互いがさらに譲歩するであろうことを考えると、相手の言い値(19万円)との間で最終的な合意価格は17万円くらいになりそうです。
それでも日本で買うより安いからOK、とも考えられますが、「交渉して大きくトクをした」ことにはならないでしょう。
本来なら相手は10万円くらいまで下げてもOKだと思っていたわけで、折角のバーゲンチャンスを実は逃していたことになりかねないからです。
自分の目標(15万円でその絨毯を買うこと)も達成できません。
では、どのように条件提示をすればいいのでしょうか。
あなたが買い手だとしたら、最初の条件提示で基本となる作戦は下のようにまとめられるでしょう。
(1) 自分の目標価格より低い価格を提示する
前にも述べたとおり、交渉では話がまとまるにはある程度妥協が必要です。
話し合いの中で値段が多少なりともつり上がることを前提に考えるべきなのです。
したがって、あらかじめそれより安い価格を提示しなければ、目標価格より確実に高い値段で買わざるを得なくなります。
今回のケースで言えば、15万円が目標なので、必ず15万円未満の価格から交渉を始めるべきです。
(2) ただし目標価格よりあまりに低すぎる価格は出さない
一方で、あまりに自分に有利すぎる条件提示はケンカを売っているのと同じことになります。
理想的には相手のResistance-pointギリギリか、それを少しだけ下回るところから話が始められれば圧倒的に有利になります。
非常に安い値段とはいえ、相手にとって、ホンネではそれに近い値段でも売れないよりは良いと思ってしまうからです。
今回のケースで言えば、10万円が相手のResistance-pointなので、最初に9万5千円とか10万円の価格を提示すると、相手としては「痛いところをついてくるな」と感じることでしょう。
もちろんこちらの言い値がそのまま通ることはありませんが、これならば10万円台前半での買い物が十分期待できるでしょう。
ここで言う「低すぎる」価格というレベルを理解するためには、情報収集が重要になります。
今回のケースなら、あらかじめ似たような絨毯の相場を把握しておけばResistance-pointの推定がしやすくなります。
だから交渉では情報は最大の武器となりうるのです。
さて、最初のオファーを出したところで、それからどんな点に気をつけて交渉すればいいのでしょうか。
次回は引き続きこの価格交渉を題材に、妥協案を探り出していく段階で気をつけなければいけないことを考えてみます。
価格交渉では多くの場合、
1. まず双方が最初の条件提示を行い、
2. さらに話し合ってどの程度で合意するのが妥当か探りあい、
3. 若干歩み寄った(妥協した)修正案を提示し、
4. 必要に応じて2と3を何度も繰り返し、
5. 最終的にある価格で合意する
といった流れに沿うのが一般的です。
ここで重要なのは、価格交渉が基本的に双方の歩み寄りを織り込んだものだということです。
言い換えれば、交渉者どちらも、ある程度自分が妥協して話をまとめることを前提に条件提示しなければなりません。
今回のケースで言えば、売り手は本当は最低10万でもとりあえずOKなところを、自分もある程度妥協して値下げすることを前提にあえて20万円から始めているわけです。
ではAさんは最初の条件提示として、いくらで買おうと提案すべきでしょうか?
交渉には妥協がつきものだとするならまず最初は思い切って強気に、たとえば5万円で買うと提案したらどうでしょうか。
これは相手からするととうてい受け入れられません。
相手のWalk-away(下限価格)は10万円だからです。
相手から見れば、後で多少Aさんが歩み寄るにしてもとてもおいしい取引にはなりそうにないと思えるでしょう。
悪くすると相手は怒り出したり、まともに交渉しようという気を失うかもしれません。
では逆に、Aさんの目標価格である15万円から始めたらどうでしょうか。
これは相手からもリーズナブルに見えます。
お互いが合意できる範囲にも入っています。
しかしながら、交渉する中で互いがさらに譲歩するであろうことを考えると、相手の言い値(19万円)との間で最終的な合意価格は17万円くらいになりそうです。
それでも日本で買うより安いからOK、とも考えられますが、「交渉して大きくトクをした」ことにはならないでしょう。
本来なら相手は10万円くらいまで下げてもOKだと思っていたわけで、折角のバーゲンチャンスを実は逃していたことになりかねないからです。
自分の目標(15万円でその絨毯を買うこと)も達成できません。
では、どのように条件提示をすればいいのでしょうか。
あなたが買い手だとしたら、最初の条件提示で基本となる作戦は下のようにまとめられるでしょう。
(1) 自分の目標価格より低い価格を提示する
前にも述べたとおり、交渉では話がまとまるにはある程度妥協が必要です。
話し合いの中で値段が多少なりともつり上がることを前提に考えるべきなのです。
したがって、あらかじめそれより安い価格を提示しなければ、目標価格より確実に高い値段で買わざるを得なくなります。
今回のケースで言えば、15万円が目標なので、必ず15万円未満の価格から交渉を始めるべきです。
(2) ただし目標価格よりあまりに低すぎる価格は出さない
一方で、あまりに自分に有利すぎる条件提示はケンカを売っているのと同じことになります。
理想的には相手のResistance-pointギリギリか、それを少しだけ下回るところから話が始められれば圧倒的に有利になります。
非常に安い値段とはいえ、相手にとって、ホンネではそれに近い値段でも売れないよりは良いと思ってしまうからです。
今回のケースで言えば、10万円が相手のResistance-pointなので、最初に9万5千円とか10万円の価格を提示すると、相手としては「痛いところをついてくるな」と感じることでしょう。
もちろんこちらの言い値がそのまま通ることはありませんが、これならば10万円台前半での買い物が十分期待できるでしょう。
ここで言う「低すぎる」価格というレベルを理解するためには、情報収集が重要になります。
今回のケースなら、あらかじめ似たような絨毯の相場を把握しておけばResistance-pointの推定がしやすくなります。
だから交渉では情報は最大の武器となりうるのです。
さて、最初のオファーを出したところで、それからどんな点に気をつけて交渉すればいいのでしょうか。
次回は引き続きこの価格交渉を題材に、妥協案を探り出していく段階で気をつけなければいけないことを考えてみます。
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