海神奈川吹奏楽部愛好会ブログ

海神奈川吹奏楽部愛好会=タリカスの
吹奏楽部定期演奏会鑑賞に関するブログ。
吹奏楽部定期演奏会情報お寄せください。

古墳少女佑奈4  その3

2006年09月21日 13時41分00秒 | 上月佑奈
古 墳 少 女 佑 奈4  その3

第3章 茜の偵察

 その翌日2時間目と3時間目の間の休み時間に理科室への移動のおり茜は佑奈のクラス2年2組の前を通るルートで向かった。佑奈お姉様の教室の前を通ると思うだけで茜はとんでもないことをしでかそうとしているイタズラ小僧のようにドキドキしていた。その途中で何度も「やっぱりよそうかしら」と迷っていたので2年2組に着くのが遅くなった。茜が意を決して2年2組の前にゆくと次の授業が音楽なので教室はもぬけの殻になっていて誰もいなかった。茜は「そんなぁ」と一言つぶやきその場にへたりこみそうになった。茜はがっかりするとともに佑奈との間に気まずくなるようなヘマをせずにすんで茜はホッとして理科室に向かった。

*** 茜の日記 *************

 今日は理科室に行くおりに佑奈お姉様の2年2組の前を通ったの。
2年生の先輩方に変な1年生が来たと思われなかったかしら。
ものすごくドキドキしたのに
2年2組の教室には誰もいなかったわ。

**********************

 次の日の休み時間も茜は2年2組の教室に向かった。こんどは教室の移動がないから純粋に佑奈を見にいったのだ。用もないのに1年生が2年生の教室の前を歩いていて何か言われないだろうかと茜は思いながらドキドキする胸に後押しされて階段を下りる。茜は顔を真っ赤にしてうつむきながら2年生の廊下を歩く。廊下には何人も2年生がいるが1年生の茜が来たことに特段の反応は誰も示さなかった。2年2組の教室のドアは前後ともに開いている。茜は歩くスピードを緩めて少しでも長く教室の中を見られるようゆっくりと歩いて行く。横目で2年2組の教室の中をのぞくと後ろのドアからは佑奈の姿を確認できない。しかし前のドアに茜が差し掛かると前のほうの席で佑奈が親友の泉崎礼香とおしゃべりしているのが見えた。茜は「あぁ佑奈お姉様」と思うと気が遠くなりかけた。しかしここで倒れたら佑奈お姉様に恥ずかしい姿をさらすことになるので気をしっかりと持ち茜は佑奈の姿を網膜に焼き付けてなんとか階段にたどり着いた。しかし階段を登る途中で気がゆるみ急に足元がふらついてしゃがみ込んでしまった。茜は2年生の廊下を抜け安心したので軽い貧血を起こしたのだ。茜は通り掛かった2年生女子に肩を抱くように保健室に連れてゆかれベッドに寝かされた。幸いにして保健の先生はなんで1年生の茜があんなところにいたのかについて一切質問しなかったので茜は救われる思いだった。茜は自分が階段で倒れたことを聞いて佑奈お姉様に軽蔑されるのではないかと気掛かりであったかいつの間にか眠ってしまった。
 しばらく眠った後茜は
「もうよくなりました。ありがとうございました」
と保健室を出て教室に戻った。今度は2年2組に寄らず1年3組に直行した。

*** 茜の日記 *************

 今日は佑奈お姉様の2年2組の前を通って
そのお姿を見てきたの。
佑奈お姉様は泉崎先輩と楽しそうにおしゃべりしていたわ。
わたくしもあんなふうに佑奈お姉様とおしゃべりしてみたいわ。
その帰り階段で貧血になり
2年生の先輩に保健室に連れてかれちゃったわ。
佑奈お姉様の耳に入り変な1年生と思われなかったかしら。

**********************

第4章 名探偵 茜へ 以下未完
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 古墳少女佑奈4  その2 | トップ | 古墳少女佑奈4  その4 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

上月佑奈」カテゴリの最新記事