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モーリタニア、査証手数料大幅引き下げ〜観光客誘致は叶うか?

2016-12-04 07:30:11 | 渡航・生活情報
モーリタニア・イスラム共和国のアブデル・アジズ大統領は、同国の建国記念日にあたる11月28日、査証手数料を現在の120ユーロから40ユーロに引き下げる、と発表した。

実に70%近い割引、ビッ●カメラ風にいえば「6割7割は当たり前〜!」といったところか。いや、120ユーロって、元々相当高かったということなのだが、、、。

狙いはもちろん、観光客の再誘致である。



モーリタニアには地平線の向こうまでつづく砂漠、またダイナミックな自然の造形が展開する大スペクタクルが見られる。13世紀以降砂漠の交易で栄えたシンゲッティ、ラムサール条約で保護される海岸のバンダルガン国定公園などは最も人気のある観光地。いずれも世界遺産に登録されている。以前にはパリ・ダカールラリーもここを通過していった。2000年には約15,000人の観光客が訪れたが、しかし今、すっかり観光客の姿は影を潜めた。

その理由は、もちろん治安である。フランス外務省の渡航情報にはこのような地図が掲示されている。



東半分はレッドゾーン(退避勧告)、残りも渡航延期に分類される。このページでは、イスラム武装勢力による襲撃と人質・誘拐テロが特に強調されている。仏人の滞在も首都ヌアクショット、しかも北部の限られたエリアに限定するなど、治安対策を強化している。

アメリカ大使館は、在留米人がテロの標的になりうるとして、注意を呼びかけている。

これに対してモーリタニア政府は「友好的な措置ではない」と批判、フランスだって凶悪犯罪が繰り広げられているではないか、当国ばかりを危ないというのはいかがなものか、と切り返す。特に2011年以降、具体的なテロの動きは観察されておらず、退避勧告のような「過剰な」措置を取り続ける必要性を否定している。

この手の当事国と、関係国の治安認識の差はしばしば外交問題ともなってきた。そしてテロリスクの不透明感が漂うモーリタニアにおいて、今回の手数料の引き下げが果たして観光客誘致につながる有効な策なのだろうか?やはり疑問が残る。

(おわり)

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