物語は解錠師として犯罪に加担して刑務所に収監された、主人公マイクルの手記の形態をとっている。8歳のときひどいできごとがあり、それ以来話せなくなったマイクルがどのようにしてプロの解錠師にならざるを得なかったか、そのひどいできごととは何かということが謎。
過去の2つの時制を行き来して、最後すべての謎が解き明かされたとき、時制はぴたりと重なる。いたるところに伏線が張られて、最後に絡まった糸がするするととけるようなカタルシスを得られる。そのあたり職人の技を見せられたとうな感あり。
悲惨な状況にありながらマイクルの心の声はユーモアとウィットに富んでいる。リート伯父、ゴーストと呼ばれるプロの解錠師が深みのある人物として書かれ、若く一途な恋人アメリア、卑怯で低俗なその父親ほか脇役の人物描写も巧み。マイクルが恋人アメリアと絵で会話するシーンが秀逸。人生の深淵を覗きこんだような気になる。
過去の2つの時制を行き来して、最後すべての謎が解き明かされたとき、時制はぴたりと重なる。いたるところに伏線が張られて、最後に絡まった糸がするするととけるようなカタルシスを得られる。そのあたり職人の技を見せられたとうな感あり。
悲惨な状況にありながらマイクルの心の声はユーモアとウィットに富んでいる。リート伯父、ゴーストと呼ばれるプロの解錠師が深みのある人物として書かれ、若く一途な恋人アメリア、卑怯で低俗なその父親ほか脇役の人物描写も巧み。マイクルが恋人アメリアと絵で会話するシーンが秀逸。人生の深淵を覗きこんだような気になる。