摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

舞踏公演「グラジオラスは発火する」

2008-11-26 23:00:59 | 行ってきました
舞踏と呼ばれるジャンルの踊りを知っていますか?
もともとは暗黒舞踏と呼ばれていたそうですが、
60年代に日本で生まれたもので、欧米ではかなり有名です。
(詳しくは、ウィキペディアの暗黒舞踏の項を見てみてください)

金沢には、金沢舞踏館という舞踏のグループがあります。
私は夏にたまたま図書館でそこのワークショップのチラシを見て、
すぐに申込みました。
大学時代に2年ほどジャズとモダンダンスに熱中してましたが、
何か自分が求めるようなダンスが他にあるはずと感じて、
ダンスを「休む」ことにしてから、はや10ウン年。
もしかしたら、この舞踏こそ、私が求めていたものかしら??
と思って参加したのです。
私が期待したものとはちょっと違うように感じたけど、
とても刺激的な体験でした。

今夜はその金沢舞踏館の公演「グラジオラスは発火する」が、
金沢市民芸術村でありました。
7人のダンサーにはちょっと狭い会場でしたが、
間近でダンサーの踊りを見ることができました。

金沢舞踏館の考える舞踏について、HPには以下の記載がありました。
「イマジネーションの力を身体の奥深いところ、
無意識の領域でとらえることで個人的なこだわり、
押さえられていた感情などが自ずと、
動きや踊りに顕われてくることになります。
それを表現として、昇華することが私達の舞踏です」
本当にこの言葉どおりのことを感じました。

感情を見せるために体を表現手段として使う従来の舞踊と違って、
感情が生まれる根源からあふれ出てきて、
なかば反射的に体が動いてしまうというような感じを受けました。
つまり動きを頭脳で作っているのではなく、
自分の感覚に耳を澄ますことで、自然に体が動いている感じです。

私は特に、1人の男性ダンサーの踊りが気に入りました。
彼はおそらく私と一緒にワークショップを受けていて、
その後の飲み会でも一緒になった大学生だったと思います。
彼は確か美大で彫刻を専攻している人でした。
他のダンサーの体が表現手段として
先の方から動いているように見えたときがありましたが、
彼の体は中心からうねりが生まれ、広がっていくように見えました。

私自身もワークショップでそうだったのですが、
従来の舞踊をやったことのある人は
四肢の大きな動きで表現しようとしてしまうように感じました。
美大生の(?)彼がそうならないのは、
彫刻という動かないものに表現を押しこめることを
日常的に体験しているからなのかなと思いました。


そういえば、以前テレビでおもしろい実験を見ました。
現代劇の役者である樹木希林さんと、有名な能役者の
表情と感情の動きの比較でした。
表情の動きは顔の筋肉につけたセンサーで
感情の動きはよく覚えていませんが、
手の汗だったか心拍数だったか、何か生理的な指標で測っていたと思います。
その結果、希林さんは感情が高ぶるにつれて表情も大きく動いていましたが、
能役者の表情にはあまり変化がありませんでした。

舞踏でも表面的な動きは大きくなくても、
微妙な動きの中に表現者の内面の変化があふれ出てくるようです。
見る側にも、「心で見る、感じる」ことを求めている感じがします。


今夜は連れ合いと一緒に見に行く予定だったので、
息子も同伴していました。
「ぐずったら出られるように、入口のそばで…」と言われたのですが、
少しも騒がずじっと見入っていたのには感心しました。
演技が終わったら、ちゃんといいタイミングで拍手もしていたし。
さすが4歳にもなるとお兄ちゃんになってきたかな?
今夜はいい子でいてくれて、ありがとう。



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