摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

エコビレッジは現実的な夢

2010-02-07 22:45:14 | 行ってきました
さて、木の花ファミリー訪問記の最後は、
私が一番興味のあった部分、
木の花ファミリーはどうやって回っているか、
についてです。

実は、ファミリーを訪問する直前に
アマゾンのマーケットプレイスで
『心を耕す家族の行く手
木の花ファミリーのゆたかな夢』という本を
手に入れていました。
本に書かれている以上のことを
見聞きしたかったからです。

お金の分配の仕方は、この本に載っていました。
収入も支出も、すべて頭数で均等割りだそうです。
私をファミリーの施設へ案内してくれた方によれば、
最近は年間1人あたり70万円くらいの収入になったそうです。
そして、本に載っていた支出の額は年間30万円で、
各人がその一定額を拠出し、
そこから税金や保険、教育費なども含めた
生活費のすべてをまかなっているそうです。
となると、年間一人あたり約40万円の黒字ですね。

農業を始めようとすると、
まず土地を確保しなければなりませんが、
木の花ファミリーは農地を無料で借りているそうです。
最近は、周りの農家が自分たちで手に負えなくなった農地を
「お金を払うから、使ってくれ」とまで言うそうです。
そもそも、ファミリーが最初に
愛知県から富士宮市へ引っ越してきた時は
何人かが何ヶ所かに分かれて貸家に住んでいたそうですが、
農地を探していた時に
無料で貸してくださる方があったようです。
ファミリーの話を聞いていると、
不思議なほどそんな風にその時々に必要なものが
どこかから手に入ることが多いようです。

大きな資産を買う時は、「長者番付」を発表して、
上の方の人が分担して負担するそうです。
私がお風呂で一緒になった方は元学校の先生で、
退職金の2,3千万円(?)を
ファミリーの施設購入のために拠出されたそうです。
私が、意味のあるお金の使い方をしたい
というような話をした際に、
その方も賛同されて、実は退職金は
そんな使い方をしたという話をうかがいました。
他にも、以前会社を経営されていた方が
同様の額を出していたり、
老後のための資金をファミリーの中の
シニア向け施設建設に出された方もいます。

そんな話を聞いていたら、
年末くらいに思いついたことを
思い出しました。
私たちが自分の将来の不安のために蓄えているお金を
こういった世の中を変えていく事業に注ぎ込んだら、
本当に意味がある投資になる。
私たちがなにげなく銀行に預けているお金は、
私たちが思っている以上に、
うまく使えば社会を変える力になれる。
そして、私たちはそういった素敵な事業の
エンジェル(ベンチャー投資家)になれるということ。


20人で始まった木の花ファミリーは今、
ケアや長期滞在の方も含めると
60人を超えるようになっています。
あまりに人数が多くなると、
ファミリーの根幹であるミーティングでの意思疎通が
難しくなってしまうでしょうから、
そろそろ次の段階に
さしかかろうとしているのかもしれません。

一方で、ファミリーの周りには、
ファミリーのメンバーになるほど
ストイックにはなれないけど、
協力し合いたいという人が集まってきているそうです。

そして、ファミリーの集う本宅の食堂には、
今後の姿として日本全国に広がる
エコビレッジのネットワークの図がありました。


私はこのブログの自己紹介欄に書いているように、
エコビレッジをたくさん作るのが夢です。
でも、これまでその夢は、
いつか叶えられたらいいなぁ、くらいに思っていた
漠然としたものでした。
それが、今回の木の花ファミリー訪問で、
いよいよ私も木の花ファミリーからはじまる
エコビレッジネットワークの一部を
作っていくという感覚を持つようになりました。

それは私にとっては、
先日ご縁を感じた根尾に根を下ろして
1つのエコビレッジを作るというよりは、
その時々に関りたいところへ行くというイメージです。
私はあまり長く1つの場所にいるタイプでないし、
安定期に入ったものをしっかり維持するより、
リスクはあるけど立ち上げ期のワクワク感が好きなので。

木の花ファミリーで見たのは、
本当に私が頭で想像していたとおりの
無理がない自然な暮らしでした。
そんな生活に自分も早く入れるように、
まずは今までの生活の後片付けを
断捨離で急ぎたいと思います。

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2 コメント

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経済面 (カペル)
2010-02-09 12:04:50
なるほど~。
最近 Twitter で自然農を実践中の方たちと相互フォローしてるんですが、少なくともお2人は自然農で農"業" は無理ではないかというご意見。
自分たちが食べる分はできるけど、と。

大規模にして流通販売経路をしっかりすれば無理ではないと思いますが、そもそも自然農を選択する人たちにはブランド化してプレミアム価格をつけるのとは気質に合わないという方が多いかも、と思いました。

わたしも同じく移動が多い生活が好きだし、加えて小さなコミュニティで濃ゆい人間関係というのはちょっと苦手なので、いますぐに始めるのはエノコロ的な半農が合うのかな?と思いました。それを経験したら追求したい形は変わってくるかもしれないけれど、とりあえずの入り口ということで。
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いろいろな形 (かおる)
2010-02-19 22:48:40
カペルさん

私を案内してくれた木の花ファミリーの方も、
「「なりわい」として自然農をやるのは
厳しいのでは?」と言ってました。
本当のところはどうなのか知るために、
私も「有機」ではなく、自然農を
自分で試してみたいと思ってます。

農的な暮らしもいろいろな形があるでしょうね。
街中でも、郊外でも、田舎でも
いろんな場所でいろんな人が
それぞれのやり方でできるようになると
いいですね。
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