摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

父の死

2005-12-20 10:01:10 | 家族・家のこと
12月1日0時2分に父が亡くなりました。
とは言っても、これは医師が死亡を確認した時刻で、
看取った母と妹によれば、
実際に息を引き取ったのは、11時半頃だったようです。

11月24日から27日まで帰省はしていたのですが、
まだしばらくは大丈夫そうな感じだったので、
一度私は自宅に帰ってきていました。
ところが、30日の午後イチで母から
「覚悟して。あと1、2日だって。」と電話がありました。
そのときすぐに出発すれば間に合ったはずなのに、
姉が万一のことを考えて美容院に行っておいた、
と話していたことを思いだし、
私は愚かにもヘアカットに出かけてしまいました。
「あと1,2日」というのは、
「電話の時点からあと1、2日」と
都合よく解釈してしまっていたのかもしれません。

その日の午後11時頃だったか、
息子に添い寝していたら、また母から電話があり、
翌日の午前中に着くように来てほしいとのことでした。
「どういうことだろう。
そんなに差し迫っているのか。」と
相変らず、事態をよく飲み込めないまま
ふとんの中でうつらうつらしていました。
すると、30分ほど経ってからまた電話が鳴り、
ふすまの向こうで夫が「あ、そうですか。。」と
深刻そうな声で答えて、電話を切るのが聞こえました。
「たった今、亡くなったって。」

ちょうどその日の夕方、友人から
「意識のあるうちに話をしておいた方がいいよ」と
言われていました。
でも、それもかなわなくなりました。

人の死って、あっけないなという気がしています。
死の瞬間に立ち会わなかったから、
なおさらなのかもしれません。
立ち会った母と妹に聞くと、
だんだん呼吸が途切れとぎれになって、
その途切れる時間が長くなっていき、
そのまま眠るように亡くなったようです。
そして亡くなってしばらくはまだ頭にぬくもりがあったのに、
筋肉がゆるむためか、口が開いてきてしまったのだそうです。
「人間が、生き物から物質に帰っていく、っていう感じがした」
と妹は言ってました。

そばで立ち会わなかった者にも
その瞬間の不思議さ、無常さが分かる気がしました。
ごく身近な人の死は、私にとってこれが初めてです。

父の死から3週間ほど過ぎ、
諸々の手続きもだいたいかたがつき、
またせわしない日常に戻りつつありますが、
いろんな思いが起こってきます。
これから折にふれて考え、
書ければと思ってます。