摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

どこまで人事?どこから天命?

2008-12-29 01:45:10 | 気づき
心理分析を学んでから、私が信じていた「常識」
(専門用語では「観念」と言います)で見事に覆ったものに、
「ものごとは綿密に計画を立てて進めるべき」
というものがあります。
計画を立てるということは、
自分(たち)だけの力に頼るということで、
それ以外の大きな力の及ぶ余地を残さないことだと
言われたからです。

その「常識」が覆った後、おそらく3個目の仕事が
今やっている心理分析士養成講座のパンフレットづくりです。
これまでの2つでは、メンバーは同じ市内に住み、
顔を合わせての打ち合わせができて、
パソコンメールでやり取りをし、
それぞれの得意分野を理解し、補い合って作業を進められました。
でも、今度のプロジェクトは住む場所も作業できる時間もばらばら、
IT環境もスキルもまちまち、
顔を合わせての打ち合わせも最初の1回のみなのに、
師走の約半月で原稿を揃えるという無謀さ(?)です
おまけに、私自身は体調不良が続いています。

そんな状態でだんだん神経がとがってきた時、
やはりメンバーや自分たち以外の大きな力への信頼が揺らぎ、
ついコントロールしたくなってしまいました。
自分自身でそうなっている自分に気づいてはいましたが、
泰三さんから「プロセス(自然な成り行き)を信じることが大事」
と言われても、イライラ、カリカリがおさまりませんでした。

でも、1つの部分での気づきから、またプロセスへの
信頼を取り戻すことができました。
それは、パンフレット全体のイメージについて
泰三さんとやり取りをし、
それについて振りかえっていた時のことです。
パンフレット全体のイメージというのは、
会社の理念や戦略、特にブランド戦略にのっとって、
作業の最初に本来持っておくべきものと
私は主張しました。
以前、コンサル会社でそういう仕事もしたので。
一方、泰三さんは最後に決めればいい、
プロセスを信じることが大事と言いました。

納得できないで、ふつふつと考えていた時、
「そうか」と思い当たりました。
私が以前いた世界に支社を持つような巨大な組織では、
意識的にブランド戦略など作って、
自分たちがどう見えるかを演出する必要があるかもしれないけど、
今の私たちのような小さなグループなら、
できるだけ自然体で素のメッセージを出しさえすれば
それがすなわち私たちのカラー、ブランドになるんだと。

不思議なことに、その気づきを得た後、
胸のつかえと咳き込みがなくなった感じです。
昨日はレイキの呼吸法をやっても、
胸のところでつまってゴホゴホとやっていたのに、
今日はすっと通りました。
ヘミシンクでもハートのつまりとよく言われてますが、
それが取れたのでしょうか。


「人事を尽くして、天命を待つ」という言葉があります。
このプロジェクトでは、一体どこまでが「人事」で管理すべきことで、
どこから「天命」に任せたほうがいいのか、
常に疑問に思っていました。
今思えば、信頼がなくなり、心に不安が湧いてきて
胸のつかえのような苦しさがある時には、
せめて一時でも「天命」に任せたほうがいいような気がします。

そこまで自分の腹に落ちたから、今夜はよく眠れそうです。
おやすみなさい








ヲタな話題2つ

2008-12-26 23:20:14 | 自分のこと
岐阜に帰ってから、いつもあまり見てないテレビを見ています。

今日なんとなく見ていたチャンネルで、
ファーストガンダムのブライト艦長がアムロを殴る
有名なシーンがいきなり映ったので、目が釘付け。
それは、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」という
アーケードゲームのCMでした。
へぇ~、こんなゲームがあるとは、おばさんは知らなかった。
ゲーセンなんてほとんど行ったことなかったけど、
今度家族で行っちゃおうかしら!?

ちなみに、私が大学で認知科学を学んだのは、
ガンダムやエルメスのような人の感覚をそのまま反映できるような
ヒューマンインターフェースの開発をしたかったからなんです。
途中でその夢は別のものにとって代わられましたが、
以前うちの夫は私を誰かに紹介する際、
「ガンダムが作りたくて、MITに行った人」とよく言ってました


夫と言えば、今年のクリスマスプレゼントに
またヲタなものをねだっておきました。
その名も「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト
宇宙戦艦ヤマトのストーリーやゲームを楽しめる万歩計です。
14万8000光年かなたのイスカンダルを歩いて目指すという
めちゃくちゃな設定です

ウォーキングは妊婦にとって最適な運動のようなので、
ウォーキングを楽しむツールとして、遊歩計を考えたのです。
妊婦に昔の作業をさせることで有名な岡崎市の吉村医院では、
たしか毎日2,3時間歩くことを勧めていたと思います。
ウォーキングしていると、安産になると聞いたこともあります。
前回は26時間もかかった難産だったから、
今回はこの遊歩計でゲームを楽しみながら、
安産を目指したいと思ってます。

しかし、こういう母親から生まれる赤ちゃんって、
どうなるのかしらねぇ?
長男はすでに、「もえあがーれ、もえあがーれ」と
歌うようになってしまいましたが

コーチの仕事

2008-12-26 00:01:32 | エッセー
高畠導宏さんというプロ野球の元打撃コーチが
高校の先生として活躍するドラマ、
フルスイング」を見ました。
今年の1月から6回シリーズで始まったときから
見たいと思っていたけど見逃して、
10月の再放送ではデジタル放送の予約録画を失敗。
3度目の正直で、ようやく最終回まで見られました。

高畠さんが言っていたという
「夢が一番大事」とか「あきらめない」とか「気力」とか、
スポ根もので出てくるようなテーマは、
今の私はちょっと苦手になってしまったけど、
今日放送されたドラマの後のミニドキュメンタリーの話は
印象的でした。

「コーチの仕事は教えないことですよ」という言葉。
こういう逆説的な言葉、特により自然体をめざす言葉には
真理が含まれていると直感します。
この言葉を高畠さんから聞いた剣道部の監督によれば、
次のようなことも話していたそうです。

高めのボールに手を出してしまう選手に、
「高めのボールには手を出すな」と指導すれば、
かならず高めのボールに手を出してしまう。
そうではなく、うまい部分をほめれば、
自然に高めのボールに手を出さなくなる。

これって、人の心理をよく見抜いた指導法だなと思いました。
さすが、伝説の打撃コーチと呼ばれ、
高校でもみんなに慕われた人、
心理学の原則を現場で身につけていったんでしょうね。

よく、長谷川泰三さんが「絶対の魔力」ということを言います。
「絶対~するな」というと、必ず禁止されたことをしたくなるそうです。
「絶対高めのボールには手を出すな」というのは、
「高めのボールに手を出せ」と言い続けるのと
同じ効果を持ってしまうのかもしれません。

じゃ、「明日は絶対早起きしないぞ!」と言い聞かせたら、
明日早く起きられるかしら??
ま、まだ風邪が治らないから、体の欲求に任せることにします



断捨離と心理分析 実践の時?

2008-12-23 21:30:35 | 気づき
予定より早く、岐阜へ帰省することになりました。
今日から年明け3日くらいまでいることになりそうなので、
岐阜でやりたいことに関係するものを
持っていかなくてはなりません。

パソコンは言わずもがな。
あと、パソコンまわりの作業もしたいから、
周辺機器も持っていこうかなと迷ったけど、
「岐阜にいる間は、夫のお父さん、お母さんと話したり、
岐阜でしかできないことをやろう」と思いなおし、
持ってこないことにしました。

でも、本の1,2冊はいいでしょうと思って、
金沢市の玉川図書館に、借りていた本を借り替えに行きました。
「予約が入ってなければもう1回借りたいのですが」と伝えたら、
「申し訳ありません。予約が入っていました」だって。
ガーン
あきらめきれず、同じ著者のほかの著作も調べてみたら、
やはりみんな借りられているか、予約中。
冬休み中に大作を読もうという、
私と同じような考えの人がいるのね。

私が借りようとしていたのは、デービッド・アイクという人の
「大いなる秘密(上)(下)」です。
この著者のことは、ヘミシンク仲間から聞いて
興味を持っていました。
彼の本は、「大いなる秘密」の上巻が初めてだったのですが、
書かれていることはあまりにも今の常識とかけ離れていて、
信じがたいものでした。
でも、読み進むにつれて、出典もきちんと示されるようになり、
私がすでに知っていた話と符合したりして、
恐ろしいけど彼の話は本当だろうと思えるようになりました。
早く続きが読みたい!


アイクの本も読めない、パソコン周りの作業もできない、
となると、まずはやっぱり体を休めろってことなのかな。
あとは、今やってる心理分析の講座パンフ作りの作業をやったら
あと3ヶ月あまりで帰って来る岐阜の家の断捨離やら、
心理分析の講座で学んだように、
「助けを求めて、ありがとうを返す」ことを
実践する時なのかもしれません。

マイコプラズマ肺炎

2008-12-22 20:51:23 | 自分のこと
しばらくご無沙汰しました。
体調が悪くて、ブログを書く気力がありませんでした。

今日は、久しぶりに産科を受診してきました。
体調が良くないので、息子の幼稚園が今日で終わりになった後、
すぐに帰省しようと思ったからです。
風邪気味だと看護士さんに言ったら、
「マイコプラズマかもしれないから、
血液検査を受けて来てください」と言われました。

待つこと20分くらい。
内診も終わって、ドクターに会ったら、
やはりマイコプラズマに感染しているとのこと。
3日間抗生物質を飲めば、だいたい治るそうです。

「やっぱり」と思いました。
息子が夜中にひどく咳き込むようになったのが、
今週の始め頃だったかな?
その後水曜の夜、ちょうど夫が宿直の日、
あまりにひどく咳き込んで、寝床で吐いてしまいました。
その日は私も熱があり、気持ち悪かったので、
「もう、こんな時になんで吐くんだよ!!」などと
もうめちゃくちゃ感情的になって、
ゲロだらけのシーツやら、パジャマやら
息子の頭やら、ガーっと洗いました。

それから、多分2日目くらいに
今度は自分がひどく咳き込むようになり、
夜中に咳がとまらず、睡眠時間が2~3時間という日が
今日まで続いていました。

あまりに咳がひどいので、
これは普通の風邪じゃないかも、と思っていたところでした。
でも、「肺炎」と言っても
他の肺炎のように厄介ではなさそうなので、
まず帰省して、薬を飲んで、休みたいと思います

体調が悪かった間も、心理分析士養成講座の
パンフレット作りのことだけには頭が働いていました。
横になると咳が止まらなくなることもあって、
それ以外にやることもなく、
普段以上に仕事していたような気もします
相変らず、ワーカホリックなのかなぁ。
3度のメシより、仕事のほうが好きなんじゃないかと思います。
昼寝とお風呂には負けますが。。

だけど、今年も金沢でクリスマスが迎えられないのは、
ちょっと残念だなぁ。


ワークじゃないのに号泣

2008-12-15 00:21:13 | 行ってきました
約半年にわたって準備してきた
金沢国際交流財団の創立20周年記念事業
多文化共生のステージ」が行われました。
このステージは、多彩な背景を持つ金沢市民、特に外国出身の市民が
金沢で経験した様々な気持ちやできごとを四季にたとえ、
映像とオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の演奏で
表現したものです。
出会いの春、戸惑いの夏、喜びの秋、未来をのぞむ冬を表す映像として、
外国籍の市民を中心に、金沢に来た時の印象や、
びっくりしたこと、うれしかったこと、
5年後の金沢に望むことなどを聞いたインタビューを流しました。

映像の制作は、すべて素人の市民ボランティアです。
私は実行委員として、インタビューチームに参加し、
10余名の方にお話をうかがいました。
この活動を通じて、いろんな方とご縁をいただきました。

プログラムが始まってみたら、
ところどころ素人っぽい荒削りなところはあるけれど、
おもしろくて、はっとさせられる映像に引きこまれました。
また、OEKメンバーによる演奏もそれぞれの季節をイメージした名曲で、
思わず体でリズムをとってしまうほど、堪能しました。

途中、なぜかわからないけど、バイオリンのソロの音色に
感情が高ぶって涙が出てきてしまいました。
「えっ、なぜここで?」と自分でも不思議で、
「やべっ、泣いているとこ見られないようにしなくちゃ」と
思っている自分自身にも気づいて、こっけいに思いました。
だって、ワークショップだったら、もっとワンワン泣いてるもんねぇ。
「泣いたっていいじゃん。今さら感情隠す必要なんてないでしょ。
出しちゃえ、出しちゃえ!」と思いなおして、
涙が流れるままにしておきました。

でも、OEKエンジェルコーラスと公募の子どもたちが
「ビリーブ」を歌っているのを聞いたら、
また目頭がツーンとしてきて、また「やばっ」と思っていました。
「まだ、フィナーレでもないじゃん。もうちょっとがまんしろ」って。

困ったのは、最終章で実行委員のメッセージに合わせ、
Celtic Womanの"You raise me up"が流れた時です。
トリノ五輪のエキシビションで、荒川静香が使ったあの曲です。
多分、さびの部分が流れた時だと思いますが、
「ええーい、もうがまんできない!」って感じで感情があふれてきて
しゃくりあげるほど泣き出してしまいました
このプロジェクトでたくさんの素敵な人たちと会えたこと、
みんなと協力してこんなにすばらしいステージを作れたこと、
金沢という素敵な街に住めたことなど
すべてが本当に「有り難い」神様の贈り物のように思えて、
いや本当はそんなことさえよくわからなくて、
ただただ感動で涙があふれました。
心理学ワークショップでもないのに、この泣きっぷり。
まぁ、私も感情のふたが開きっぱなしだわ
それを許せるようになった自分をうれしく思いました。


実は、この後今日は、とても大きな気づきがありました。
そして、その気づきをかみしめていた時も、
急に涙があふれてきて大泣きしました。
母のもとに生まれて来られてよかったと心から思えたのです。
「産んでくれてありがとう」という言葉は、
ワークショップの中でも言えなかったけど、
今日は本当にそう思えました。
この話はまた機会があったら書きます。<=ひっぱってます

しかし、よく泣いた日だったわ。
満月の翌日、まだ月の引力が強かったのかしら?

メッセージを伝える

2008-12-14 01:58:00 | 気づき
最近いろいろ書きたいネタがあるんだけど、
つわり、副鼻腔炎、風邪の三重苦があってきついのと、
どうしても心理分析士養成講座のことで動いているので
そのネタに偏ってしまうのです。

というわけで、今日もまず心理分析士養成講座のこと。
朝から受講生仲間の家にみんなで集まって、
打ち合わせと座談会をやりました。
来年の心理分析士養成講座の広報のために、
まずリアリティのある資料を作ろうということになり、
その資料作成に修了生がみんなで取り組むことへの
意思確認をしました。

その際、メンバーの1人から、
10人前後の受講生を集めるだけなら、
わざわざパンフレットを作らなくても
口頭で説明するだけで十分じゃないのかという疑問が出されました。
それに対して、私は以下のようなことを答えました。
■ 10人の受講生を確保するためには、
  倍以上(実際は10倍以上だと思う)のパンフを配る必要があるだろうこと。
  そして、パンフを渡した相手にも、確実にクチコミを担ってほしいこと。
■ 共通の資料がなく、口頭のみで説明しようとすると
  人によって説明することにばらつきが出てしまうこと。
■ これまでのつながりの中で受講の可能性がある人は、
  多くても来年度の10人前後くらいで、
  それ以降はまったく新規の開拓が必要になるだろうこと。

多分、この説明をしている時に、私があまりに真剣だったからか
あとから「今日はすごく積極的だったから、びっくりした」
というメールをもらいました
普段から引っ込みじあんなわけでもないんですけどね <-そんなこと、わかってるか?

帰宅してそのメールを見てから、なんであんなに熱心に
パンフレットを配る意義について話してたんだろうと
考えてみました。
すると、私の二人の”恩師”を思い出しました。

1人は、私が以前働いていた某通販会社の社長。
この会社では、商品企画担当と商品のコピーを書く編集部には
商品を売りたいという熱い思い=「売りたい魂」が
求められていました。
あぁ、私にも「売りたい魂」が根づいてるのね、と
久しぶりになつかしい言葉を思い出しました。

もう1人は、岐阜にいた時に知り合って
女性の政治参加を進める市民運動を一緒にやっていた
友人の寺町みどりさん
みどりさんはもう30年ほどいろんな市民運動にかかわってきた人で、
運動、特に選挙でのメッセージを伝えることへの
並々ならぬこだわりを見せてもらいました。
チラシの紙やインクの色、マイクやスピーカーの音質といった
細部にも最適を求めるあのこだわりは、
まだ他では見たことがないような気がします。
確実にメッセージを届けること以外にも、
質のいいメッセージを作ることや
そういういいメッセージは必ず人の心に届くという信頼も
教わりました。

時期も分野もまったく違うお二人から学んだことが
今こんなところでも役に立っていることに、
やはり無駄なことはないんだなぁと感じ入っているところです。


メッセージを伝えることについて考えていたら、
ちょうど興味深い記事をmixiのニュースで見つけました。
「宮崎勤、宅間守らが残した"難題"」というタイトルのその記事は、
死刑囚の取材を通じて今の司法制度やマスコミの報道のあり方に
疑問を投げかけている、雑誌『創』の編集長、篠田博之氏に取材しています。
今見たら、この記事について日記を書いた人が1000人近くもいるほど、
大反響を呼んでいます。
その日記のタイトルや冒頭部分のリストを見ると、
死刑賛成か反対かの立場にかかわらず、
思わず読んでしまったとか、久しぶりにいい記事だったとか
記事をほめる内容が多く見られました。
しかも、この記事を配信したのが「日刊サイゾー」ですからね。

裁判員制度の開始が間近になったり、
凶悪な犯罪が頻発したりという背景の中で、
たしかに話題性のある記事ではありますが、
それにしてもこういうお堅い記事を日刊サイゾーが配信して
それにコメントするmixiユーザーが1,000人とは。
私は篠田さんよりも、この記事自体をサイゾーで書いた
逸見信介さんの筆力に感心しました。
立場を越えて、人々の心に強く問いかける、
訴えかけるメッセージ。
そういうものがあるということを
実感させるできごとでした。

本音の制度設計: 心理分析の使い道

2008-12-11 21:29:27 | 社会活動
介護の現場で働く友人から、
これまでに見た様々な人間模様から、
やはり家族が大切、そして家族をベースにした
税制度が必要だと書かれたメールをもらいました。
それを見て、私はすぐに「ん?なんか違うぞ」と思いました。
以下は、私が彼に書いた返信をちょっと手直ししたものです。


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私は介護にかかわったことがまだありませんが、
私が他の人から話を聞いたり、メディアや書籍で知る限り、
家族介護がいいとはとても思えないし、
現状からいっても非現実的だと思うのです。
家族が面倒をみた方がより心のこもったケアができると
考えるとしたら、
それは残念ながら少数の恵まれた条件のもとのみ
可能なことだと私は考えます。
これを私は、介護というより、子育ての体験をもとに
痛感しているからです。

子どもはかわいくても、日々の子育ての雑務や
精神的なプレッシャーがあると、
家庭という密室の中では、弱い存在である子どもが
ついそのストレスのはけ口になってしまうのです。
私自身も、子どもに手をあげてしまったり、
暴言を浴びせたりしてきました。
高齢者に対しても、同じようなことが起きているそうです。
高齢者が家族に虐待されていることを聞かれたことはありませんか?
ちょうど今日も愛知県西尾市で無職の男性が生活苦のため、
85歳の母にインスリンを大量注射して殺したそうです。
昨今の厳しい社会情勢のもとでは、
外でのストレスがますます激しくなり、
いきおいその矛先はやはり家庭内の弱者に向けられているのです。

地域医療の第一人者、鎌田實医師が
「介護は他人に任せて(負担を減らして)も、
家族は愛を与えてほしい」というようなことを言っています。
他人に愛を与えるには、まず自分に心の余裕がある=
自分を愛している状態がなければいけません。
自己犠牲の上にある愛は、まがいものです。
(これは心理学でよく出てくるテーマなのですが)
家族の面倒は私が見なければという思いこみと
それに伴なうストレスから、
ケアや愛ではなく、虐待に走っていたら
それこそ本末転倒ではないでしょうか。

それに子育てにしても介護にしても、
やはりプロはプロなりの知識と経験を持っていると思います。
だから、私はまず自分に余裕を与えるため、
子どもをかわいがれる自分であるために
保育サービスを利用してきました。


家族はすばらしいものですが、
人間は生まれてくるときも、死ぬときも一人です。
また、残念ながら家族を持てない人たちも増えています。
家族自体の形も多様になってきています。
いつでも変わらないのは、人間1人1人に
等しく生きる権利があるということだけです。


日本の税制度は、私が知る限り、
今でもかなり家族(世帯)ベースで設計されています。
これが生む危険性として、たとえば子どもを虐待する親であっても
条件に合えば児童扶養手当を受けて、
それを育児以外の目的に使えることがあります。
もし子ども個人に子ども手当てが支給されるならば、
親が何らかの理由で保育できなくても、
それに代わるサービスを買うことができます。

家族の崩壊は悲しい現実で、多くの方面に影響を与えていますが、
その根本原因は厳しい競争社会の中で
人々が自分を否定し、大事にできないことだと私は考えています。
先にも書いたように、自分を愛せない人は
家族であろうが、他人を本当に愛することはできませんから。


今必要なのは、家族は崩壊しているという現実を受け入れ、
それをもとにした制度設計だと思います。
制度をつくる人は、高い理想を抱えながらも、
あくまで冷徹に現実を見つめ、
制度設計すべきだと私は考えています。
世代間の人口にアンバランスが生まれ、
社会環境も変化してきた現実を無視した年金制度は
明らかに破綻していると思いませんか?
-------------------------------------------------------------

現実を見すえ、本音で制度をつくるために、
心理分析が役立つだろうと私は考えてます。
人が顕在意識でどんな建前を持っていようと、
潜在意識、無意識の本音はこんな風に感じている、
だから人はそれに従って、こんな風に行動する。
だから、制度はこうあるべきっていう感じで。


そうそう、ちょうど今日泰三さんから聞いたことですが、
カウンセラーと心理分析士の違いは、
心理分析士はいろんな場で心理分析の知識を
応用できることだそうです。
そうなら、なおさら心理分析士を養成するのは急務だな。
来年4月からまた金沢で開かれる初級心理分析士養成講座、
志ある方の応募をお待ちしています。

心理分析士養成講座: A Few Good Men and Women with Problems

2008-12-10 00:44:15 | イベント案内
この前の週末は、2日間とも終日心理分析の講座と
ワークショップに参加していました。
健康な時でもかなり疲れるのに、つわり中に参加するのは
相当しんどいだろうと予想していました。
受講していた2日間は不思議なくらい、
眠さも気持ち悪さもなかったのに、
昨日になったら眠くて眠くて、日中の半分くらいは寝てました。
今日はさらにひどくて、日中の3分の2くらい寝てました
でも、おかげでようやくブログを書く気力・体力も
戻ってきたようです。


さて、先週末で9月から始まった中級の心理分析士養成講座
終わりました。
初級が終わった時より、さらに感慨深いものがあります。
なぜなら、中級修了時にはそれぞれの受講者なりの変化が
表面化してきた(というか言語化できるレベルになった)からです。
中には念願の仕事と彼女をゲットしたという超ラッキーな人もいますが、
仕事を辞める決意をしたり、長年の夢を手放したりと
世によく言う「成功」とは違う結果が出た人もいます。

でも、確かに言えると思うのは、それぞれの人が
本来持っている可能性を咲かせ始めたということです。
泰三さんは、この講座でやっていることを「才能開発だ」と語っていました。
成長する過程で傷つくたびに押し殺してきた感情を
もう一度取り戻すことで、
持って生まれた感性、才能が息を吹き返すのです。

「心理分析士養成講座なのに、やってるのは才能開発?
カウンセラーとしての就職や起業のための勉強じゃないの?」
と思われるかもしれません。
もちろん、そういう仕事に結びついていくこともあるでしょうが、
それだけを目的としているわけではないようです。
では、何を目的としているのかというと、私が考えるに、
才能開発であり、「自らを助ける」ことではないかと思います。
それらが実現していてこその、カウンセラーの仕事だと思うのです。

だから、この講座には他にはあまり見られないような特長が
いろいろあります。
たとえば、
■ 26歳以上であることが条件。
  (それまでは実際の人生経験を積むことが大事だからのようです)
  20歳そこそこで大学や大学院で勉強できる講座と、一線を画しています。
■ 徹底的に臨床で使えることだけを凝縮した内容。
  泰三さんも、泰三さんの師匠もずっと臨床畑を歩いてきた方です。
  泰三さんのもとには、カウンセリングを教わったことのない
  精神科医などが必死で学びに来るそうです。
■ プロのカウンセリングを見て、解説を聞ける。
  カウンセリングの現場を見学するチャンスは、ほとんどないのでは?
  講座やワークショップでは、泰三さんが参加者に
  カウンセリングをする場面を間近で見て、
  終了後にその解説を聞くこともできます。  
■ プログラムはあってないようなもの(!?)
  基礎講座では一応大きなテーマが決まっていますが、
  ワークショップではその場でやることが決まっていきます。
  「もし起こることすべてに意味があったら」という考え方で、
  プロセスを重視します。
■ 誰も”安全な場所”にいられない。
  講師の泰三さんも含めて、誰も自分の抱える問題や感情と向き合うことから
  逃げられません。時々、一番泣いているのが泰三さんだったりします
■ 頭でなく、心で覚える。
  カウンセリングに必要な心理学の理論を、
  自分自身の感情で体験させられるので、
  いやでも自然に身についていきます。

講座が終わってまわりを見まわすと、そこにいるのは
今までの「カウンセラー」のイメージとは
ちょっと違うタイプの人たちのように感じました。
少なくとも私は「カウンセラー」と聞くと、
穏やかそうで、包容力がありそうで、物知りというような
イメージを持っていました。 
でも、講座を修了した仲間は、ちょっと頼りなげだったり、
一見とっつきにくそうだったり。 > みんな、怒らんといて~
だけど、そのフツーさ、同じように悩みを抱える人間臭さが
親近感や説得力につながるように思います。

「問題の裏に才能あり」とは、泰三さんが講座の中で
よく言っていた言葉で、最近私の座右の銘になりました
だから、今真剣に解決したい悩みを抱えている人、
大きな問題を抱えている人に、受けてほしい講座です。
そういう人こそ、本当に人を助けられる人になりますから。


アメリカの海兵隊の隊員募集の広告では、
映画のタイトルで有名な"(The Marines are looking for)
A Few Good Men" (海兵隊は、ほんの一握りの適格者を求めてます)
というフレーズが使われています。
泰三さんの心理分析士講座では、
a few good men and women with a few problems
(ほんの一握りのちょっと問題を抱えた人)
を求めてますよ。

市場徹底使いきり塾終わる

2008-12-07 00:05:13 | 社会活動
今年度、金沢エコライフ・ワーキングネットで
担当してきた「市場徹底使いきり塾」の3回目が
昨日無事終わりました。
私自身は責任者だったのですが、体調がすぐれず
結局1日中家で寝ていました。

「市場徹底使いきり塾」は、市場で旬の地物食材を買い、
食に関るエネルギーの節約をはかる目的で企画しました。
1回目の企画のスタートは実施の約1ヶ月半前という
なんとも遅いものになってしまいました。
講師をお願いした近江町市場商店街振興組合の小林すみ子さんはじめ、
みなさんに大きなお力添えをいただいて、
無事開催できました。

2回目は、1回目が終わった直後の6月上旬に
最初の企画会議を行ったにもかかわらず、
私が最初に大風呂敷を広げていたので、どう実現可能な形に落としこむか、
ひとりで悶々と1ヶ月以上悩んでしまいました。
でも、アイディアの提供をお願いした1回目の参加者の方から
いただいたアドバイスに従って、
県の水産課に相談してみたところ、
すぐに石川県漁協の方を紹介していただきました。
そして、JFいしかわ女性部の平野世紀子さん、小川栄子さんに
講師を引き受けていただき、
大野のヤマト醤油味噌のすてきなキッチンスタジオで
地魚料理を教えていただきました。

3回目は、お正月料理をテーマにやることが決まっていたので、
早くから企画に参加することに興味をしめしてくださった方がいて、
こちらからお声かけした方も含め、有力なスタッフが集まりました。
前回の反省から、できるだけ仕事を分担して
各々の負担を軽くすると同時に、
来年度以降も同じように料理教室ができる体制を
つくることを目指しました。
はからずも、私自身は参加できなくなってしまいましたが、
それでも問題なく教室は開催され、
石野典子先生からおいしいお正月料理を習えたそうです。

1,2回目はスタートが遅かったり、仕事を抱え込んでしまったりと
以前別のグループで手がけた事業の反省点を繰り返してしまいましたが、
3回目は他のスタッフと力を合わせて、1つ上の段階に行けた気がします。
苦労も満足も仲間と分け合うパートナーシップの醍醐味です。
「市場徹底使いきり塾」でお世話になったすべての皆さん、
特にスタッフのみなさんに心から感謝します。
どうもありがとうございました。