摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

静脈をつくる

2010-01-08 23:43:42 | 気づき
金沢にいた頃の家のそばに、足軽屋敷がありました。
今の感覚では狭い家だけど
それで十分1世帯が暮らしていけたんだなぁと
昔の人の質素な暮らしぶりに思いをはせては、
感心したものでした。

そんな質素な生活は、戦後10数年は
ある程度残っていたのかもしれません。
1つの畳の部屋が、ちゃぶ台を出せば食堂になり、
ふとんを出せば寝室になる。
狭くても融通のきく家は、
省資源で本当はとてもエコだったんだと思います。

そんな日本人の暮らしぶりは急速に変わって、
今では世界でも最もモノがあふれる家になっているようです。
昔の日本は、ほとんどすべての資源をリサイクルする
循環型社会だったそうですから、
きっと何でも「もったいない」と言って
丁寧に長く使ったり、再生に回していたのでしょうね。

でも、今の日本にはそんな資源循環の仕組みや
そこで使われていた再生可能な資源の利用は
ほとんど姿を消してしまいました。
そんな今の日本では、使い捨てのモノを大量に捨てる一方で、
いろんなものを買いこみ、
「もったいない」と言って貯めこむようになりました。

そんな今、片づけに関する仕事が増えてきているようです。
去年見たテレビ番組では、「片づけ士」の名刺を持った方が
依頼者のお店や企業でピンポイントのアドバイスをしていました。
何日か前の新聞には、ライフオーガナイザーという仕事を
アメリカから日本へ導入した方の話が載っていました。
以前見たテレビでは、遺品整理で200万くらいかかったという
事例を取り上げていました。

断捨離も含めて、そういうお仕事の人が増えてきたのは
このモノ溢れの状態へ問題意識が向いてきたあらわれとして
いいことだと思います。

ただ、これから環境を守りながら
本当に社会の中でモノの流れをよくしようとしたら、
いらなくなったものを再利用するための
「静脈」の仕組みをもっと整える必要があると思います。
これは一昨年、断捨離を始めた時から、
ひしひしと感じていました。

「もったいない」と感じてしまってモノを捨てられないのは、
多分に心理的な問題があるのですが、
実際にまだ使えるものを焼却炉で焼いてしまうのは、
やっぱりもったいないと思います。
モノにもできるだけ、お役をまっとうしてもらえるよう
そのモノの用途や状態に合わせて、
次の行き先を選び、手放していくための仕組みを考えたいものです。

とりあえず、今回の断捨離セミナーの前に、
できるだけそんな行き先のリストと行き先を決めるための
フローチャートのようなものを作りたいと思ってます。
「ブランド物はオークション、質屋へ」とか
「未開封の雑貨などは、学校や施設のバザーへ」とか。
ほかに、フリーマーケットの開催スケジュールを知らせたり、
出店のコツを教えるミニ教室とかあってもいいかな。
以前、G-netでネットオークションへ
出品するためのセミナーを開催して、
好評だったらしいし。
あとは、いろんなチャリティで欲しがっているもののリストとか、
資源ゴミとして出せるもののリストとか。

こういう情報をSNSのコミュなどに載せて、
「売ります/買います」「あげます/ください」などの
情報と合わせて、見られるといいなと思ってます。


とにかく、私はもったいないことが嫌いで、
必要とするところに必要とされているものが流れるよう
お手伝いするのが、1つのお役目のように感じるので、
ぼちぼちやってみようと思います。