志情(しなさき)の海へ

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国際シンポジウム「琉球諸語と文化の未来」です!しまくとぅばでも方言表記でもないのはいいね!

2020-02-07 12:18:53 | 沖縄の過去・現在・未来

しまくとぅばではなく「琉球諸語」と文化の未来です。その文化に特別沖縄はついていませんね。基調講演の波照間永吉先生は芸大在職中の組踊の説明に「首里方言」と書かれていたのですが、コンセプトが変わられたのでしょうか?

沖縄文化と表記されていないのは女性パネラーのハワイからの参加があるゆえかもしれませんね。世界的に沖縄だけではなく、マイノリティの言語の修復や復活運動は独自のアイデンティティの獲得の闘いゆえに、必ずしも琉球諸島〈沖縄県〉に特化した言語や文化現象ではないことは確かですが~。

グローバリゼーションの波の中で日本語ですら、マイナー言語として取り扱われてくることへの危機意識で特集が組まれてきた21世紀です。まして日本の中の1%の人口規模の琉球諸島の琉球諸語の言語は、ユネスコが2009年に危機言語として指定して以来10年を超えました。さて危機言語の琉球諸語は危機的状況を超えられるのでしょうか?

パネラーがすごいですね。大城立裕さんと佐藤 優さんが登場されているのがすごいですね。大城先生の小説、沖縄芝居、そして詩劇「新作組踊」へと創作課程にも関心をもっていて、その70年以上の創作、作品について論考をまとめたいと考えているゆえに、とても興味深いです。

90歳を超えて尚、沖縄の文化(現象)と未来への提言をされるために出席される大城先生です。

佐藤優さんは海外、特にソビエト連邦時代からの潮流を直に体験されて連邦が崩壊し、個々の国家が分立する過程で起こった言語や文化動向を知悉されている方で「沖縄評論」にもその知見が開示されているのですが、この間、言語政策に関して、佐藤さんのセンスが一番いいのではないかと思っています。中央言語の設立、言語表記の問題などが提言されていたかとー。

琉球諸語を尊重する姿勢でたとえば西岡さんは首里那覇語は宮古語を植民地的に搾取し、包摂していくと以前話していたのですが、沖縄県内の諸語の動向は複雑ですが、アイデンティティの関連で~。ただ多言語研究会の研究発表を拝聴した経験からすると、たとえば台湾でも少数民族なり部族の中でも主流の言語さえ危機的な状況にあって、主流の言語を中心とした言語政策の実施が提言されていました。

宮古語は宮古独自の言語として取り組まれるべきです。一方で中央語としての首里那覇語は人頭税で先島を苦しめてきた歴史を鑑みて、否定されるべきではなく、負の遺産も含めて小さな琉球王国の文化伝統としての言語体系を維持してきた歴史を継承していく必要があると考えます。

琉球諸語の比較検証はDNAレベルで系統が研究されている現在です。科学技術がどこまで解明できるかも興味深いのですが~、母語が東京中央日本語の現在、限りなく琉球王国以来の感性が濃密に封印されてきた琉球諸語の絶滅は避けたいものです。

琉球諸語と日本語というバイリンガルBilingual、あるいはトゥリリンガルTrilingualな環境で創作してきた近世、近代、現代に続く琉球・沖縄の伝統、文化をハワイなどと比較しながらとらえ返すいい機会になりそうです。

そこに、ベトナム(少数言語が多い)や中国、またケルト文化圏のウェールズやアイルランドの事例もふくめたらもっと活気のある議論ができるのかもしれませんね。ウェールズには言語復興と文化的アイデンティティの件で興味を持っています。


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