志情(しなさき)の海へ

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昨今紙面で読んだ「季刊 目取真 俊』がとても興味深かった!「自滅招く政府の誤った政策」の見出しより、吉本隆明批判が強烈!沖縄の文化人には隆明熱狂者が多い印象ゆえに~!

2024-08-01 12:26:24 | 日本の過去・現在・未来
     (琉球新報 7月30日)
「台湾有事」踊らされるな、や「自滅招く日本政府の誤った政策」などのテーゼは別に新しくないが、目取真さんの実体験から来る日本の凋落の20年、そして30年のこの間の動向は読ませた。確かに隆明さんの「共同幻想論」や「マスイメージ論」やそのほか『言語にとって美とは何か」など、分厚い全集版も含め、吉本隆明は現代日本の思想家、詩人として大きな影響力を持っていた昭和から平成に至る知の巨人である。沖縄での講演を拝聴したことがあるが、沖縄の文芸や文化思潮で著名な方々が勢ぞろいしている風だった。
 お話しは熱いけれど、饒舌ではない、印象を受けた。昭和の終わりころの話である。沖縄から吉本隆明批判はほとんどないに等しい。復帰に関して吉本の沖縄知識人への問題提起にしても、真正面からその投げられた問に応答した人がいたとは思えない。
 しかし、今回目取真さんのエッセイは吉本が「大衆の現在」に寄り沿っていると自認していた内実は、労働の実態に即したものではなかったと、手厳しい。メディアから得た情報を基に思索はしていただろうが、高度資本主義の消費経済に浮かれていた表からこぼれた、労働の現場で呻吟していた大衆を見据えていなかったのだと、指摘している。
21世紀現在、「新自由主義経済の下で、貧富の差の拡大と中間層の没落が進行した」事例を目取真さんは指摘している。教育投資をおろそかにしたアメリカの属国日本の凋落は、ますますひどい状態に陥りかねない。
 今思うに、アメリカの掌の上で踊ってきた日本の経済発展の癌を吉本隆明は見据えていたのだろうか。日米合同委員会など憲法の上に君臨するペンタゴン支配がどれほど追及されていたのだろうか。
 天皇制の問題など、もはや世界の金融や経済支配の構造を切開しない限り、問題の根を解放することも難しいことがうっすらと見えてきた現在である。
「取り込まれている」のである。
 制度を補完するものの正体が「共同幻想論」を根にしながらも、またそれらを超えた所にあるのらしいことは、アフリカ的段階云々も含め、問題にされざるを得なくなっている。(わたしの認識はアフリカ的段階の後は宙ぶらりん~。)

 戦後の世界システムとの関係が問われるのだろう。
 吉本隆明への幻想が幾分崩れてきた21世紀日本なのかもしれない。360度、この地球惑星を、世界を見据えなければならないここであり、かなたかな~?宇宙は壮大で、途方もないが、しかし日常の暮らしや身体とリンクしている。アリストテレスやプラトンが見た空と沖縄から見上げる空は同じなんだね。2000年以前の哲学者が身近に感じられたりする~。
 夏になるとあふれてくる大小の蟻たちも、また共生協働の仲間であるに違いない。

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