志情(しなさき)の海へ

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『八重島』国策としての特飲街 by、池田一仁さんの75ページほどのノン・フィクションを読んだ!

2021-03-24 14:41:57 | ジュリ(遊女)の諸相:科研課題
去年、知人から『赤線本』と共にいただいたもので、読もうと思いつつリュックに入れて持ち歩いていたが、昨夜読み通した。発見があったのは良かった!

ネットで八重島を検索すると多様に情報が開示されていることが分かった。対談があったり、現況の八重島やその他の特飲街の写真と紹介が並んでいる。一度八重島の辺りを歩いてみたい。嘉間良のところは一度沖縄芝居役者と逍遥したことがあった。それは「嘉間良心中」という若い脱走米兵と還暦間近の娼婦の無理心中の物語で若い頃に演出のために出歩いた覚えがある。戦後のどさくさの中で八重島も嘉間良もそしてパークアベニューもコザ十字路も米兵と朝鮮戦争やベトナム戦争の影響で、栄えたところだ。この作品を読むと、奄美大島出身のみなさんが多く八重島で雑貨店やAサインバーを経営していたことが伺い知れる。そしてその背景もなるほどと分かってきたのは事実。戦後コザで「ジュリ馬」もやっていたよ、とは耳にしたが、それが八重島だったという事はこのノン・フィクションで知った。沖縄芝居もやっていたという。

特飲街が誕生した背景も詳しく書かれている。それは定番の説だが、その中で生活した人々の具体的な事例は多くは取り上げていない。ただインタビューの中で推測できる事柄は多いと言えるのだろう。なぜ奄美出身者が多く沖縄に戦後押しかけてきたのか、その政治の所以はなるほどで、なぜ瀬長亀次郎が乙姫劇団の前身の舞踊団をj引き連れて奄美まで行ったのかの理由も納得できた。奄美の共産党の活動が闊達だったことがわかる。

沖縄の戦後史は数多く書かれ出版されているが、これで終わりということはないだろう。多くの記憶なり詳言がこのように書き残される意義は深い。天願盛夫氏の『沖縄占領米軍犯罪事件簿』https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA36748445についてはじめて知った。ぜひ読みたい。高里鈴代さんたちがまとめている米軍人による犯罪記録の前にすでにこのようなドキュメンタリーが発行されていたのだろうか。戦後の売買春の歴史も色々記録が残されているが今取り組んでいる課題と重なるところがある。さて図書館にこもって資料の逍遥をしっかりやる必要があるようだ。裏を取る必要があるので~。それとやはり聞き取りは重要。
             

96年、冊子「沖縄・米兵による女性への性犯罪」の初版が完成した。https://www.nishinippon.co.jp/item/n/668777/

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