図書舘は静かで、新聞をめくるのも久しぶりで、思いがけない記事にハッとしたり、これもあれも特別な因縁があろうか、と思いこんだりしたが、あれから何十年もたったのだ。
仏前で手を合わせて、彼女の魂呼びをしなければ、などと思ったりしていた。鎮魂に終わりはない。
あの愛らしかった少女は時が止まったまま、そこにいる。わたしは大学を卒業して研究科に在籍していた頃だ。
そして構想は、身近にあった。
身近にありすぎた。動けよ、と背中を押されている気がした。全てが思い込みなのかもしれないのだが〜。
バス停は特別な場所であり続ける。
