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伝統と現代の課題!身体と表象、「現代演劇と批判的想像力」、演劇学会2012年大会

2012-06-16 22:20:05 | グローカルな文化現象

小菅隼人先生は研究発表会場に来てくださり、【幻の万博映画「誕生」】の冊子をくださった。Project Rebirthは、土方が万博で「誕生」のテーマで舞踏を披露したその幻の記録フィルムを追いかけ追跡し、その全体像を取り戻した貴重な記録であり、なんとDVDに収録された作品も冊子についていてびっくりした。ありがとう小菅先生!大阪まで持ってきたPCではDVDが見れないのが残念だが、これは慶応義塾大学アート・センターの企画である。非売品だが、こんな貴重な報告書などは、関心をもっている方々がアクセスできるように、販売の方法がなされたら、と思う。文部省の助成などを受けてできた報告書など、とても優れたものでも、非売品で図書館や、その報告書を発行した大学にアクセスしないと全容がつかめない場合がままあるのはなぜか、残念だと思う。図書館などはこうした報告書を全部しっかり保存し、オープンしてほしい。

小菅先生、沖縄に戻ってDVDを見て後その印象など書きたいと思う。2010年にミュンヘンの国際学会で土方巽について研究発表していたのだが、土方の身体のあの何とも言えない自然そのもの、その猥雑さ、命の渦、沼からわきたつような命の魑魅魍魎のようなもの、それらがすべてあの身体の表象にこびりついているような気がしている。去年2011年、大阪大学の国際学会でも土方の幻の舞踏を追究した様子だった。研究発表の数が多くて拝聴したくてもできなかった発表が多かったのだが、その一つだった。

「現代演劇と批判的想像力」のメインタイトルがいいね。

対談「アングラ演劇とは何だったのかー1967-1973年を中心として」扇田昭彦 (演劇評論家) 西堂行人(近畿大学)が意外と面白かった。1968年から6年間の濃密な時間が現在に与える影響、唐十郎、佐藤誠、鈴木忠志、寺山修司、の時代、その後の太田省吾やそしてつかこうへいがやってくる時代、市街劇などの従来の劇を壊していた寺山とその仲間たち、天井桟敷がいたのね。あの70年代前後の熱さはどこへいったのだろうか?音楽や伝統へと問題提起がなされていく時代の推移もある。

そしてさらに興味深いプログラムが「能と現代演劇の共同作業」岡本章 (演出家/明治学院大学)

1. 伝統と現代の課題ー日本の近代劇の移入と伝統と近代の断絶、2重構造

               近代の伝統と現代の捉え返しの試みーー武智徹二の能・狂言との前衛作業

                                          観世寿夫の宴の会結成と鈴木忠志との仕事

                                          1960年代末からアングラ小劇場における取り組み

2.岡本章の「現代能楽集」の連作の作業

3.「現代能楽」の問題意識

4.現代能楽集の具体的作業

その後のデモンストレーション「能の身体技法を現代に生かす」も女性能楽師の登場がまたインパクトがあった。鵜澤久氏のデモンストレーションはお能の身体技法を披露した。その緊迫感のある身体と声のリズム、その収斂された表出は魅力的だった。


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