フランス語圏のクレオール文学運動の騎手の作家パトリック・シャモワゾー氏の作品を読んだことがない。クレオールの語りを取り入れた小説「テキサコ」がゴンクール賞を受賞とのこと。奴隷制度の闇を体験してきたカリブ海の人々やあらゆる人間の痛みを見据えた時そこから何が出てくるのだろうか?
以前上里和美の『カフェ・ライカム』の論を書いていた時今福龍太の『クレオール主義』を興味深く読んだ。参考文献には記載しなかったがとても示唆を受けたと記憶している。ヴァナキュラな言葉の問題や母系制や母なるものの可能性、浮遊することばとアイデンティティなどなど、ポリフォニーやハイブリディティなどなど、現在を読み解く鍵になると感じた。XXクレオロイドの言葉の前でクレオール性について今一度捉え返してみたいと思う。