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第94回多言語社会研究会例会 「タイトル 右翼ポピュリズムのディスコースの恥知らずな常態化―批判的談話分析からのミクロ・ポピュリズム研究」

2023-06-04 12:26:51 | 言語
多言語研究会例会の発表タイトルが興味深いのでご紹介します。
『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】-恐怖をあおる政治を暴く』(明石書店、2023年)を読みたいですね。
最近台湾有事ということで、戦争の恐怖をあおるような現象が沖縄でも続いています。台湾の人々は意外と冷静だと、現地に行った方が話しています。
人的交流を深め、「争うより愛を」の方向性にいきたいものです!

第94回多言語社会研究会例会を以下のように開催いたします。
久しぶりの対面開催となりますので、
ふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。


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日時:2023年6月24日(土)14:00-18:00
会場:東京大学東洋文化研究所 3階大会議室
   http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
参加費:500円(資料代として)


なお、今回の研究会はオンライン(Zoom)でも参加いただけます。
オンラインでの参加を希望される方は以下のフォームからお申し込みください。
https://nihon-u-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZ0tfumorzsoEtyo0M6nVHyJT5bjHK_a3jSR

多言語社会研究会例会の研究発表の要旨を見て興味を持ちました。


<報告1前半>
タイトル 右翼ポピュリズムのディスコースの恥知らずな常態化―批判的談話分析からのミクロ・ポピュリズム研究
報告者 石部尚登(日本大学)
概要 本報告では、Ruth Wodak, The Politics of Fear: The shameless normalization of far-right discourse. 2nd ed.(SAGE Publications, 2021)、およびその邦訳書『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】-恐怖をあおる政治を暴く』(明石書店、2023年)の内容を、2015年刊行の初版との違いを含めて概説する。
現在、政治学においてポピュリズム研究は「独自の一大産業」(Rooduijn)となっている。そのもっとも有力な定義に従えば、ポピュリズムとは「社会が究極的に「汚れなき人民」対「腐敗したエリート」という敵対する二つの同質的な陣営に分かれると考え、政治とは人民の一般意志の表現であるべきだと論じる、中心の薄弱なイデオロギー」(Mudde & Kaltwasser)である。それでは、実際にはいかにして「人民」と「エリート」という二分法を作り上げるのか、いかにして人民の共有する「一般意志」を導くのか、あるいはいかにして一貫しない多様なイデオロギーを組み合わせることが可能となるのか。マクロな観点からの構造的分析では前提とされてしまうようなこうした問いに、本書はポピュリズム政治家のディスコースの批判的分析を通して答えを提示しようとする。


<報告1後半>
タイトル ルート・ヴォダック『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】』をめぐって―一南アジア研究者の立場から
報告者 名和克郎(東京大学情報学環/東洋文化研究所)
概要 石部尚登氏による本書の批判的紹介をうけて、本発表では、ルート・ヴォダック『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】』で展開されている議論について、南アジアに関するこの方面での幾つかの近年の研究をも参照しつつ、後の討論のために若干の書評的議論を提供したい。展開されている具体的な事例と、ヴォダックが分析に用いる様々な水準での枠組や概念装置(例えば「前後即因果の誤謬」、「定義のトポス」)、及び、「右翼(或いは極右)ポピュリズム」、「ポピュリズム」、「民主主義」といった大きな概念の関係を、主たる問題にする予定である。


<報告2>
タイトル 「フランコプロヴァンス語」は存在するか――フランス・イタリア・スイスの国境を越える言語の再活性化と言語意識:フランスの地域を中心に
報告者 佐野彩(日本学術振興会/上智大学)
概要 フランスの言語地図を見ると、南東部に「フランコプロヴァンス語」の境界が引かれ、国境を越えてイタリアとスイスにも広がっている。しかし、この地域の言語が「フランコプロヴァンス語」という「言語」であることは、現地でも一般的にはあまり知られていない。「フランコプロヴァンス語」は、学術的文脈で存在が指摘され、ひとつの「言語」とみなされるようになった。しかし話者には、村などの小さな地域ごとにちがいのある話しことば「パトワ」と捉えられてきたのである。本報告では、「言語学者」、「公的機関」、「民間言語文化団体・運動家」による「フランコプロヴァンス語」の受容を概観した上で、フランスに含まれる地域を中心に、歴史・社会的背景の異なる地域や異なる成り立ちの言語運動を取り上げ、言語の捉え方を検討する。「フランコプロヴァンス語」という名称と概念がどのように受容され、関係する個々人の言語意識を変容させたのか、インタビュー調査や参与観察、各種資料をもとに分析し、アクターの言語意識が多様化・重層化していることを示す。なお、本報告は2023年2月に出版した書籍に基づく報告である。
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