ご無沙汰しております。
何とか生きていますよ。ライブも月に1~2本ですが足繫く通っております。
先月は6/2~3の2日間、Zepp Fukuokaで開催されたlynch.のライブに参戦してきました。
元々昨年リリースされたNEW ALBUM『ULTIMA』本来であれば去年の4月に鹿児島と福岡で参戦する予定でしたが、コロナ禍でかつ緊急事態宣言発出により中止となり、それから1年以上経って改めて『ULTIMA』のツアーが再開される事になった運びです。去年は結局lynch.もコロナ禍以降は有観客だと野音しかやっておらず、名古屋の公演や2月に行う予定だった日本武道館も全て感染拡大のあおりを受けて中止になってしまいました。僕自身は、ライブ自体が2年前の「ACT.0」のZepp Fukuoka以来なので、ここまで日にちが空いたのは初めてだなって位久しぶりとなりました。しかも、緊急事態宣言が福岡にも発出されていたのでまた延期になるんじゃないかと焼きもきしていたのですが、予定通りの開演という事で、ギリギリまで会場に入らない、消毒を徹底するなど準備を念入りにしてきました。そのおかげもあって今のところ無事に過ごしています。
会場のZepp Fukuokaは座席指定で、検温、アルコール消毒は勿論のこと、隣の席同士の間隔が1席分離され、前後で被らないように配席されるなど徹底した感染対策を講じていました。敢えて会場を大きなZeppにしたのも、何時もの会場規模では人数制限の関係で予想される人数を収容できない可能性や、空調設備なんかも関係しているんだとは思いました。あと、大きな会場では凝ったステージセットが設けられるようになっているlynchなので、そういったアルバムの世界観を視覚的にも体感して、最大限にライブを堪能できるようにしたかった想いもあるのかなと思いました。
僕自身は開演直前に入場したのでフロア全体を詳しく見ていなんですが、ぱっと見7~8割くらいは埋まっていたんじゃないかと思います。平日18時開演にも関わらず、です。
初日がG列、2日目はH列でしたが、会場が大きい分どの位置でもステージを見やすかったですね。
-6/2-
SE
1.ULTIMA
2.GALLOWS
3.XENO
4.RUDENESS
5.GROTESQUE
6.ALLERGIE
7.IDOL
8.EROS
9.ZINNIA
10.IN THIS ERA
11.ASTER
12.D.A.R.K
13.THE FATAL HOUR HAS COME
14.BARRIER
15.MACHINE
16.OBVIOUS
17.pulse_
18.EUREKA
ENCOLE
19.melt
20.JUDGEMENT
21.DON'T GIVE UP
22.LIGHTNING
-6/3-
SE
1.ULTIMA
2.I'm sick, b'coz luv u
3.XENO
4.RUDENESS
5.CREATURE
6.ALLERGIE
7.IDOL
8.EROS
9.ZINNIA
10.IN THIS ERA
11.ASTER
12.THE WHRIL
13.MIRRORS
14.BARRIER
15.MACHINE
16.INVADER
17.pulse_
18.EUREKA
ENCOLE
19.A GLEAM IN EYE
20.ALL THIS I'LL GIVE YOU
21.GALLOWS
22.ALLIVE
W-ENCOLE
23.MOON
ほぼ定刻通りに開演した2days.荘厳なSEに併せて拍手と共にメンバー1人づづの入場。衣装は全員『ULTIMA』のアー写でしたが、玲央さんのビジュアルの変貌ぶりには目が行ってしまいました。僕の中では2年前の「ACT.0」で終わってるんで...短髪でワイルドなイメージだったのに、ブロンドへアーの長髪で髪を後ろで一つに束ね、黒のロングコートを纏い、一回り瘦せたんじゃないかとさえ見える程のスタイリッシュかつスマートさ。どこぞの英国紳士ですか?みたいな佇まいで見とれてしまった....
荘厳な雰囲気のままに1曲目「ULTIMA」からじっくりと地に足をつけるようにして始まったライブ。
そのまま、セットリストは『ULTIMA』をメインに、合間に過去曲を挟みながら、攻撃的に攻め立てる従来の流れを踏襲していきました。初日の序盤は緊急事態宣言中のライブという事で、会場に緊張感みたいなものは凄く漂ってたし、バンド側もシビアなのも伝わってきて、最初は手探りな印象もあったんですが、段々進む内に文字通りライブになっていくというか、感覚を取り戻していく感じがありました。(僕だけかもしれませんが(笑))
でも2日目は初っ端から「ライブ」でしたね。空気感も戻ってました。過去曲が初日より個人的には乗りやすかったっていうのもあるんですけど、『ULTIMA』の楽曲を観客も掴んだのか、まるで溜め込んだものを爆散させていくようで、前日より観客の熱気が高かったと思います。メンバーもそれに呼応するように応えていたと思うし、2日目の「pulse_」入りでは、葉月さんが「やりませんかあー!!男の人も女の人も若い人もご高齢の方も、子供も.....ダメダメダメー!子供はダメー!!」と自分で煽っておいて自分でダメ出しする位に興奮する状況が生まれる等(笑)コロナ禍でもこんなライブ出来るんだと嬉しかったですね。
そして、ライブが進むにつれて『ULTIMA』に対する自分の解釈も変わっていきました。
初めて聞いた時、衝撃や真新しさよりは、今まで聞いたことあるよなって感じが強かったんですね。葉月さんも話してましたが、増田勇一ライター言う所の「以前聞いたことがあるような楽曲の進化系」な感覚かなと。なので、ピンと来なかった部分が大きかったのですが、いざ体感するとそんな固定観念がぶっ壊されました。『ULTIMA』の楽曲は、近未来さをイメージしたであろうステージセットと相まって、より化けてその本性を現してました。言葉にすると難しいんですが、ダーッと駆け抜けて暴れまくるのもlynchのライブの醍醐味ですが、それとは違って1曲1曲をじっくりと堪能できる、その濃密さや説得力が過去曲より格段に凄かったんですよね。音圧、音厚、音熱。その全てがブラッシュアップしていました。
今後「1軍」になるであろうリードチューン「XENO」の攻撃性、既発曲よりもさらに一体感を生み出していた「BARRIER」の開放性、激しいのになぜかエモーショナルな気持ちに揺さぶられる「RUDENESS」の叙情性、混沌とした情景へ一気に雪崩れ込ませフロアがヘドバンの嵐を化した「ALLERGIE」「MACHINE」の凶暴性、変態的なサウンドとメロディが強烈な「EROS」の淫靡性、ポップでありながら、近未来要素が斬新な「IDOL」の異端性(この曲で悠介さんのギターソロは必見です)、、メロディアスな奥行きがよりライブに深みを与えた「ZINNIA」「IN THIS ERA」の深遠性、そして「ULTIMA」「ASTER」「EUREKA」にみられた壮大なスケール感、このスケール感が今まで感じた事がない程心地良く、ライブの中で核となる空気を放っていました。というかこの感覚こそが今回のライブを象徴していたんじゃないかと思います。今回座席指定でホール的な要素が入っていたからこそ感じた部分も大きいと思うんですけど、この空気はホールだとより響くと思いますね。色んな意味で。
あと、「EUREKA」では途中オーディエンスだけで歌うセクションがあるのですが、発声できなくてもマイクを観客に向ける葉月さん。幻聴ですけど、あの瞬間確かに歌声が響きました。
ブロックごとのMCもいつもより長めだったし、中盤には喚起タイムを設けたりと、感染対策上クールダウンせざる得なくて、汗だくになりたくてもなれないっていうもどかしさはあるんですけど、そこはメンバーの皆さんが気を遣ってくれたというか。基本葉月さんは笑顔でいつもと変わらず。やっと福岡に来れた。しかも2daysできて嬉しいみたいな事を言ってくれてたんですけど、他のメンバーも全員蔓延なく喋ってくれて。明徳さんがベースを自分で作ってるとか、悠介さんの親知らずを抜いたとか、悠介さんがアンコール煽りを2daysしたりとか。晁直さんがどの曲が演奏するのが大変か、とか(ちなみに静かな曲と回答したんですが、その後から静かな曲のブロックに入るので、そこを葉月さんに突っ込まれてました(笑))。
あと、初日のアンコールでは葉月さんのトラブルで調整しないといけない時に玲央さんがバトンタッチで話してくれたんですけど、「玲央さん、ちょっとお願いして良いですか」みたいなお願いの後に、「全然大丈夫だよ」と余裕のフォロー。そこでは、自分の両親が佐賀出身なので、挨拶に行きたかったけど、コロナ禍なので自粛して電話でのやり取りにしたとか、この状況でライブをする事の意味についても語ってました。ライブを楽しんでもらう事は勿論ですが、何より感染者を出さない事、そうやって実績を積み上げる事で少しづつでもライブというものが大丈夫だと認識してもらう努力を続ける事が大切なんだという話をしていました。来たくても来れない人には、来たいと思ってもらっただけでも感謝で、また来れるようになるまで、待っているし、そういう環境を守っていくから、的な話もされていました。
初日のアンコールは明徳さんセレクトだったのですが、メッセージ性の強い楽曲が並んでいて、感情移入させられましたね。特にライブハウス復興支援シングルとして去年発売された「DON'T GIVE UP」からのラスト「LIGHTNING」の流れには凄く希望を、光を感じたし、葉月さん自身も「なんかこの歌詞今のこの状況にハマるなー!めっちゃ歌っててジーンと来るわー!!」と叫んでました。
2日目のアンコールではさらに良い意味で砕けてて、何故か悠介さんが「We Will Rock You」のリズムを足踏みと手拍子で刻ませてました(笑)あと葉月さんが「アンコールの声っていつも早くなったりするじゃん?あれを誰かが仕切り直して途中からテンポがあったりするじゃん。あんな感じで足音と手拍子もできるの?」と実践してみたところ、全然テンポが変わらないので「変わんねーじゃねえか!」と突っ込んだりと和やか場面もありました。そして2日目のセレクトは玲央さんだったのですが、選曲がもうやばかったですね。絶対これまでだったらあり得ないだろう曲順だったので。ここからこう来るんだ!!みたいな衝撃が。「A GLEAM IN EYE」から始まり「ALLIVE」で締める展開は、もう感動しか無かったですね。
当初は武道館で初披露する予定だった「ALLIVE」。あの曲が武道館でまた響く事を願いながら、キレイな形で幕を閉じました。
...と思ったのですが、2日目のみアンコールを足踏みしていたオーディエンス(笑)するとすぐにメンバーが出てきてまさかのダブルアンコールへ。「特に喋る事ないんですけど、いや~あまりにライブが楽しかったからもう1曲だけやって帰ります!」からのラストは「MOON」!客電がつけっぱなしのまま無演出で演奏されましたが、そういった状況も含めて、眩い光の中、全員一つになって笑顔で迎えた最後、それがこの2daysのラストシーンでした。
2daysという事で本当に『ULTIMA』の世界を堪能できたし、今まで一番楽しかったと思える時間でした。
福岡公演以外は職業柄遠征を自粛しているのでホール公演は残念ながら行けませんが、絶対にまた大きくなって強くなって走り続けてくれる、それを信じてこれからも応援し続けようと思えた、そんな素敵な2日間でした。本当にありがとうございました。