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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ノンバーバル劇ナンタ

2016年12月27日 | 

 明洞のことを何度か書いたのだが、実は明洞に行った理由は今回のゼミ旅行の目的の一つ、明洞ナンタ劇場を訪れて国際的に有名な韓国のノンバーバル劇「ナンタ Nanta」(言語を伴わない劇)を鑑賞することだった。
 ナンタは1997年に初演され、その後世界各地で公演、今では韓国国内に複数の専用劇場がある。韓国にとどまらずバンコクにも2013年に専用劇場がつくられた。それほどまでにこの劇は韓国の人々とどまらず、世界的にも愛される劇といっても過言ではない。演劇でありながら、言語が介在しないため、セリフによる言葉の壁が最初から存在しない。それでは意味がわからないのではないか、と思うが、「ホテルの厨房」を舞台に展開するシェフたちの物語は、言葉なしでも誰もが理解できる演出になっている。しかも、韓国独特のチャンダンとよばれるリズム体系が多用され、韓国の伝統音楽の要素がその中にうまく埋め込まれている。
 実は私は二度ほどこの劇を日本公演で鑑賞したことがある。それから10年以上の月日が経過していることから、演出はだいぶ進化していたように思う。韓国の人々が楽しむだけでなく、言葉がないことから韓国を訪れる韓国客にとっても大人気のイベントである。しかも専用劇場で日に数回の公演が行われ、写真のように明洞の劇場では9チームが交互に上演しているようだ。韓国客向け、と考えてはいけない。韓国の人々のみならず、外国人にも受け入れられるほど秀逸な内容なのである。