Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

暑い時には山下達郎で

2009年08月01日 | CD・DVD・カセット・レコード
 朝起きるとすでに暑い沖縄。夜寝るとき以外は絶対にクーラーを使わないわが家では、まず部屋の窓を全開し、あまり期待できないながらも「風」をウェルカム。風鈴を吊るすという私のゼミ学生が実践する方法も悪くはないが、戸を開けると100匹以上のクマゼミが狂ったように絶叫しているため、この泣き(鳴き)声と風鈴の響きはもう想像を超えたハイブリッド・サウンドを出す可能性があるために、怖さのあまり風鈴は部屋の中で身動きができぬように繋がれている。
 しかし暑いのだ。体感的な暑さをしのげぬならば、「精神的なる涼」を風鈴以外で求めなくてはならない。そうだ。音楽である。CDケースの引き出しを一つ一つひっぱり出しては中身を眺めているうちに、目に入ったCDが山下達郎のFor Youである。これはいい。なんといっても鈴木英人のジャケットデザインが「いい感じ」でアメリカの西海岸あたりを彷彿させる夏が表現され(行ったことないんだけど)、なんだかバイクやオープンカーで先が見えないくらい長く続く舗装道路をぶっとばしているあの空気を感じるぞ。
 私はこのレコードが発売された1982年、つまり大学に入学した年にFor Youを購入し、それが縁というわけではないが、翌年には250ccのオフロード・バイクを乗りまわすようになり、当時はカセットウォークマンで山下達郎を聞きながら、都内をぶっとばしていたのだった。オフロード用のヘルメットをかぶると、小型のイヤフォーンがヘルメットで圧迫されて相当に耳が痛いのであるが、そんなことにはめげなかった「ちょい悪な少年」だったのである。やっぱり山下達郎のFor Youは夏の暑さをぶっとばしてくれるんや!
 このCD、実は沖縄に赴任して最初に那覇で購入したCDで、なぜか引っ越したばかりのまだモノがほとんど置かれていない部屋で一日中よくかけていた。やっぱり沖縄の4月がもうまぶしくて山下達郎が突然聞きたくなったのか、それともあの大きなお気に入りのバイクを東京で廃車にしてきてしまった悲しさだったのか。そんなことを思って久しぶりにCDを聞いてみると、やっぱり暑さなんかすっかり忘れてしまっている自分がいる。