Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

州立図書館でのできごと

2007年09月09日 | バリ
 金曜日、どうしても2003年の新聞記事を確認したくて、11時頃、テンク・ウマール通りにある州立図書館に行った。バリ関係の資料が保管されている部屋があり、ここの資料は持ち出し禁止である。といっても、さしてコピーサービスというのもなく、どうしてもコピーする場合は、パスポートなどの重要書類を預けてから、自分でコピー屋に持っていくシステムである。新聞記事の場合は許可をとって、デジカメで撮影させてもらう。それで十分にことたりる。
 さてこの日、この部屋に入ろうとすると鍵がかかっている。金曜日の開館は12時45分までで、どう考えても閉まるには早すぎる。受付で聞いてみると、「朝、担当者はいたから、飯でも食べにいっているんでしょう。」と言うだけである。10分待っても開かないので、別の部屋の館員に聞くと、「1階で会議があるから、そっちに出席しているんだろう。」という。とりあえず、1階の事務室に行って受付のきれいなお姉さんに聞いてみるが、そんな会議はないという。
 どちらの理由にしても、図書館の開館時間に勝手に鍵をしめていなくなるのは、元図書館員の私としては許しがたい。どないなっとるんや!と怒っても仕方がない。そうしても開かないのである。受付のお姉さんに「今日は絶対に開くよね。」と念を押すと、「だいじょうぶよ。」なんて微笑みかけられてしまう。その笑顔に敗北する。
 さて1時間待ったが、鍵は開かなかった。つまり私の調査はこの日進まなかったのである。館員はかわるがわる「きっと今日は儀礼で忙しいんだよ。」というのである。なぜ?どうして?ここは公共図書館じゃない?
 翌日、私は朝8時半に図書館に行った。鍵はもう開いていて、館員が一人、新聞を読んでいる。
「もしかして、昨日、待ってた日本人?昨日は忙しくて、帰っちゃったんだよ。」と笑って言う。
「あやまんねえのか、おりゃ!」なんて言えるはずはないので、「いいですよ。」と簡単に許してしまう。私も人がいい。ちなみに私はその日、この部屋に2時間ばかりいたのだが、図書館員の彼は、新聞を読み終わったあと、楽しそうに大きな音でテレビを見ていたのだった。何度もいうが、ここは貴重書のおいてある「はず」の図書館の一室である。