冷たい雨の朝です
ひめちゃんは、貧乏カッパでそこらまでお散歩です。
用をたして、さっさとお家に帰りました。
タバサねーちゃんも、そこらまでちい散歩です。
昨日は2人で西の方にお散歩出来ました。
でも、タバサねーちゃんの左目が変です
大急ぎで動物病院に行きました。
緑内障と言うことです
「とりあえず滴眼してみましょう。」ということで、「朝晩一滴ずつ、冷蔵庫で保管して下さい。」と不思議な目薬が出ました。
タバサねーちゃんも、14歳半、人間だと74歳くらいだとか。
小さい頃は皮膚炎に悩まされましたけど、何時の間にか収まって、病気知らずでした。
何とか治るといいね
いや、治しましょうね
ひめちゃんの同腹のきょうだい獅子丸が突然の事故で逝ってから、1年が過ぎました
やっと先日、彼の死亡届を役所に出してきました
天国の獅子くん、ママに逢えたかな?
きょうは、獅子くんへの手紙です
獅子くんへ
君が最初にこの世で逢った人間は、おかあさんです。
そして、君がこの世で逢った最後の人間も、おかあさんです。
あの頃は、小次郎パパが夜だけの室内犬になるため、みんなで夕食後そこらまでのちい散歩していたね。
すっきりとしてよく眠れるようにとの配慮でした。
でも、あの時、君はおとうさんの隙を狙って、ニカッと笑って去って行ったんだね
君は養家で、野生に目覚めたんだね。
おとうさんの隙を狙って、よく脱走してたね
あの時、おかあさんは君が戻ってくると信じて、門の所で待ってました。
案の定、君はやって来た。
でも門から入らずに、そのまま県道へ突っ走っていった
おかあさんは、リードを踏もうとしたけど、ダメだった
たとえけがをしても、体当たりすべきだったのだ
まもなく、県道のほうから、ドーンという音がした
急いで駆けつけると、君が倒れていた
抱えて帰り、動物病院に急行した。
車の中で君のうめき声を聞いたよ
「生きるんだよ、死ぬんじゃないよ」と呼びかけながら、急いだ。
病院に着くと、君は息をしていなかった
先生が蘇生措置をしてくれたけど、君は戻ってこなかった
実家に帰ってから、2年半後のことだったね。
でも、実家に帰ってからの日々は、楽しかったよね
養家での生活は、決して恵まれたものではなかったようだね
高齢のおとうさんと2人暮らしでいたうちはまだしも、東京から老人と猫がやって来てから、完全に邪魔者だったね
高齢のお父さんが足に怪我をしてお散歩が出来ないと言うことで、みんなで迎えに行ってお散歩してたね。
母屋から離れたバラックに1人置かれ、お散歩から帰って大きな声で「ただいま」といっても、返事はなかったね
「まるで、もう帰ってくるな」とでも言うように。
おかあさんは絶えきれずに、「しばらく実家で預かります。足が治ったら迎えに来て下さい」の置き手紙を残して、君を連れ帰った
そして、毎晩寝る前には抱きしめて、「ここは君のお家だよ」と言ったよね。
数日後、養家のお父さんがやって来たけど、ののこねーちゃんのサークルの前にしゃがみ込んだ
ののねーちゃんとなにやら話し込んだけど、隣にいる君の方には一瞥もなかった
君も一言も発しなかった
「ボクはこっちだよ」なんて言わなかった
君の養家での扱いが、よーく分かった出来事だった
7年も一緒に暮らした子が分からないなんて
いくら似たようなのが、いっぱいいても。
居間からその様子は見えたよ
彼は居間のガラス戸を開けて、ドッグフードを置いて行ったね。
少しして、彼は犬の移動届けを出してくれと言って来た。
君は正式に実家の犬に戻った。
でも、君の養家は、常広寺の開基・本橋院殿の末裔と言うことだった。
けれども、あまりの零落ぶりに、開基・本橋院殿は9回裏2アウトランナーなしの状態だった
おかあさんは、養家との係わりで、常広寺へ度々出かけたり、供養塔を建てたり、いろいろなことを調べたり発見したりした
本橋院殿は復活した
君がいたからだよ
もしかしたら、君は本橋院殿の生まれ変わりだったかも知れないね
手紙に添えて、思い出のアルバムを送るよ。
いっぱいいい写真があるけど、おかあさんはこの写真がお気に入りです。
過酷な環境にもめげずに、素直な子に成長してくれました
そして思い出をいっぱい残してくれました
ありがとう、獅子くん
また、逢いましょう