主人公の佐藤義清(西行)は
待賢門院璋子(たまこ)のことが忘れられない。
ある時、鳥羽上皇の障子の絵に歌を書くことになり義清が呼ばれる。
その席の御簾の向こうに璋子も座している。
義清が書くと決まっていたわけではないのに、
筆でいきなり、激しい想いにかられて、
歌を書き始める。
いざさらば盛りおもふも程もあらじは藐姑射(はこや)が峰の花にむつれて
山ふかく心はかねて送りてき身こそ憂き世をいでやらねども
ましてまして悟る思ひはほかならじわが嘆きをばわれ知るならば
思へ心人のあらばや世にも恥ぢんさりとてやはといさむばかりぞ
知らざりき雲井のよそに見し月の影を袂に宿すべしとは
月のみやうはの空なる形見にて思ひも出(い)でばこころ通はん
弓張りの月にはづれて見し影の優しかりしはいつか忘れん
面影の忘らるまじき別れかな名残を人の月にとどめて
怪(あや)めつつ人知るとてもいかがせん忍びはつべき袂(たもと)ならねば
恋しさや思ひ弱(よは)ると詠(ながむ)ればいとど心を砕(くだ)く月かな
「みごとじゃ…」鳥羽上皇の声がする。
義清は自分の思いをぶつけた。
そして、それから出家する。
嵯峨野の真言宗法輪寺の空仁のもとへ。
しばらくし待賢門院璋子は数奇な生涯を終える。
僧、覚鑁(かくばん)との出会い。
その弟子は文覚(もんがく)という。
文覚とは盛遠のことである。
亡くなる数日前に待賢門院璋子に逢いにいく。たくさんの蛍の風景が美しく浮かぶ。
待賢門院璋子(たまこ)のことが忘れられない。
ある時、鳥羽上皇の障子の絵に歌を書くことになり義清が呼ばれる。
その席の御簾の向こうに璋子も座している。
義清が書くと決まっていたわけではないのに、
筆でいきなり、激しい想いにかられて、
歌を書き始める。
いざさらば盛りおもふも程もあらじは藐姑射(はこや)が峰の花にむつれて
山ふかく心はかねて送りてき身こそ憂き世をいでやらねども
ましてまして悟る思ひはほかならじわが嘆きをばわれ知るならば
思へ心人のあらばや世にも恥ぢんさりとてやはといさむばかりぞ
知らざりき雲井のよそに見し月の影を袂に宿すべしとは
月のみやうはの空なる形見にて思ひも出(い)でばこころ通はん
弓張りの月にはづれて見し影の優しかりしはいつか忘れん
面影の忘らるまじき別れかな名残を人の月にとどめて
怪(あや)めつつ人知るとてもいかがせん忍びはつべき袂(たもと)ならねば
恋しさや思ひ弱(よは)ると詠(ながむ)ればいとど心を砕(くだ)く月かな
「みごとじゃ…」鳥羽上皇の声がする。
義清は自分の思いをぶつけた。
そして、それから出家する。
嵯峨野の真言宗法輪寺の空仁のもとへ。
しばらくし待賢門院璋子は数奇な生涯を終える。
僧、覚鑁(かくばん)との出会い。
その弟子は文覚(もんがく)という。
文覚とは盛遠のことである。
亡くなる数日前に待賢門院璋子に逢いにいく。たくさんの蛍の風景が美しく浮かぶ。
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