ななごの部屋(リウマチとともに)それから

リウマチとともに歩みアクテムラのおかげで安定してきた私。もっと溢れるように生きたい☆2013/1/1開店☆

「宿神2」を読んで

2013年05月11日 | 
主人公の佐藤義清(西行)は
待賢門院璋子(たまこ)のことが忘れられない。
ある時、鳥羽上皇の障子の絵に歌を書くことになり義清が呼ばれる。
その席の御簾の向こうに璋子も座している。
義清が書くと決まっていたわけではないのに、
筆でいきなり、激しい想いにかられて、
歌を書き始める。

いざさらば盛りおもふも程もあらじは藐姑射(はこや)が峰の花にむつれて

山ふかく心はかねて送りてき身こそ憂き世をいでやらねども

ましてまして悟る思ひはほかならじわが嘆きをばわれ知るならば

思へ心人のあらばや世にも恥ぢんさりとてやはといさむばかりぞ

知らざりき雲井のよそに見し月の影を袂に宿すべしとは

月のみやうはの空なる形見にて思ひも出(い)でばこころ通はん

弓張りの月にはづれて見し影の優しかりしはいつか忘れん

面影の忘らるまじき別れかな名残を人の月にとどめて

怪(あや)めつつ人知るとてもいかがせん忍びはつべき袂(たもと)ならねば

恋しさや思ひ弱(よは)ると詠(ながむ)ればいとど心を砕(くだ)く月かな

「みごとじゃ…」鳥羽上皇の声がする。
義清は自分の思いをぶつけた。
そして、それから出家する。
嵯峨野の真言宗法輪寺の空仁のもとへ。
しばらくし待賢門院璋子は数奇な生涯を終える。



僧、覚鑁(かくばん)との出会い。
その弟子は文覚(もんがく)という。
文覚とは盛遠のことである。

亡くなる数日前に待賢門院璋子に逢いにいく。たくさんの蛍の風景が美しく浮かぶ。







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