院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

文体は内容を規定する

2015-05-13 06:12:40 | 日本語
 約一年前からこのブログを「だ、である調」から「ですます調」に換えた。私のブログにはしばしばキツいことが書かれるから、「(未逢の)患者さんから怖い医者だと思われるよ」という助言がある人からあったからだ。そこで、内容はともかく「ですます調」にしてみたという次第。

 ところが今度は内容がヌルくなったという意見が昔からの読者から出てきた。過去の記事を見返すと、いまは確かに穏やかになっている。「毒」が少なくなったのだ。そうなったのは、じつは「タネ切れ」の要素が大きいのだが、「ですます調」に換えたのも影響があったように思う。

 そこで再び「だ、である調」に戻します。私は冗談好きでよく笑い、急な来訪者でもあると、あせってゴミ箱を蹴っ飛ばし、あわてて机の上を整理してあとでモノの場所がわからなくなるような、愛すべき人間です。けっして怖い医者ではない(と自分では思っている)ことを大声で言いたいと思います。

金持ちの象徴

2015-05-13 06:05:29 | 社会

(横浜の旧バーナード邸。ヨコハマ経済新聞より引用。)

 私が中学生のころ「どういう人を金持ちというのか」というような本を読んだ。高度成長の真最中で、「寝食分離」(寝る部屋と食事の部屋を別にしよう!)が叫ばれていたころで、ということは「寝食」が分離できている家庭は少なかったといういうことだ。

 金持ちとは持ち物で言うと、家は西洋館、車は外車、腕時計はパテック、万年筆はパーカー、お酒はジョニ黒、とその本には書いてあった。今の感覚で言うと、スイスに別荘があって自家用ジェットでそこに行くくらいの贅沢さである。(当時、洋酒はスコッチもワインもとんでもない値段だった。現在だと一本10万円くらいの感覚。)

 さらにその本には、これらを全部持った人は次に「家柄が欲しくなる」と書いてあった。家柄はすぐには持てないから、金持ちは名家の娘と結婚したがるとも。

 現在、一部だけ満たしている人はけっこういる。高級外車や高級腕時計が売れているという。でも、自家用ジェットでスイスは無理だろう。

 それでも「高級」と名の付くものを欲しがるのは、他人より少しでも優位に立ちたいということだ。こういうところから 2013-12-25 に述べた「相対所得仮説」が生まれたのだと思われる。


※今日、気にとまった短歌

  この曲は恋を知らねば弾けないよバラード一番弾く子に言えず (岡崎市)戸田陽子