3月4日、町文化ホールで、滝川保健所が主催する講演会「もっと知りたい! 在宅医療」が行われました。
方波見医院の方波見康雄医師をコーディネーターに、在宅で最後を迎える人たちを支える在宅ホスピスを運営する医師や、音楽療法を実践する大学教授を招いて、「自分らしく生きる医療」について、考える機会となりました。
在宅ホスピスの実践を報告したのは、「緩和ケアクリニック・恵庭」を運営する、柴田岳三医師です。
柴田医師は、日本で最も多い死因となっているがんを取り上げながら、緩和ケアやホスピスの現状を紹介し、さらに、在宅で人生の最後を迎えるための「在宅ホスピス」の実践を報告しました。
柴田医師は、「医療機関なのか、住み慣れた自宅なのか、最後を家族に看取られる場所を、自ら選択できる社会にしていきたい」と訴えていました。
音楽療法の実践を紹介したのは、札幌大谷短期大学部の教授で、音楽療法を行うNPO法人を立ち上げた、中山ヒサ子教授です。
中山教授は、50代の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性に対して音楽療法を行っている実際の映像を紹介。
人工呼吸器の管が気管に入っているため声が出せない男性が、中山教授や家族の演奏を前に顔をほころばせる姿が映し出されると、講演会の会場内は静まりかえり、参加者は映像に見入っていました。
講演会のまとめでコーディネーターの方波見康雄医師は、「息をする限り、希望を抱く」というラテン語の慣用句を紹介しながら、最後まで自分らしい生き方を求めることの大切さを訴えていました。