現地でいただいたリーフレット
岩手の事業所での仕事が早く片づいた昼、思い立って高館(平泉町)まで足を伸ばした。
源義経公が藤原秀衡公から与えられた館のあった丘陵で、秀衡公亡き後、その嫡子泰衡から攻められて自刃した地。
車を飛ばして40分ほどなのだが、中尊寺には時々来るものの、高館まで登ったのはひょっとすると小学生の頃、スケッチだったか歴史探訪かで一人電車とバスを乗り継いで訪れて以来かもしれない。
あいまいな記憶では中尊寺から結構遠かったような気がしていたのが、実際には観光客が徒歩で参拝に向かう距離だった。
とはいえ、坂の途中に駐車場があり、そこからまた坂道を歩いて拝観料を支払い、さらに石階段を二本登っての行程は、田舎特有の車依存の生活で足が萎えてしまっている僕には、これが二度目にして最後かな、と思えた。
登った先には仙台藩主伊達綱村公が建立したという小さな義経(ぎけい)堂がぽつんとあるだけだが、眼下には北上川と衣川の合流点の雄大な景色が広がる。
義経堂の建立から6年後にはまさにここを芭蕉が訪れ、かの名句「夏草や兵どもが夢の跡」を読んだのだった。
大河ドラマ「草燃える」より、高舘にて。源頼朝(石坂浩二)、義経(国広富之)。佐藤忠信が平泉に居る設定は違うと思うが。