ミューズの声聞こゆ

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そうめんとひやむぎ

2023年08月21日 | 日記

 この時期になると決まって取り上げられる、そうめんとひやむぎの違いをもう一度おさらいしておこう。

そうめんは、南北朝時代に元から禅僧によって持ち込まれたと言われている。工程はうどん同様、小麦粉に塩と水を混ぜて練るのだが、生地をよりながら伸ばして細くするのが手延べそうめんならではだ。

 一方、ひやむぎは、一見そうめんと同じように見えものの、歴史から異なっており、室町時代にうどんを細く切った「切り麦」の流れを汲んでいるとのこと。うどんを温かくして食べる「あつむぎ」に対して生まれたものだそうだ。

 生地を細く伸ばしたものがそうめんで、細く切ったものが「ひやむぎ」ということになるが、機械切りのそうめんや手延べのひやむぎも存在することから、その製法で判断するのは難しくなった。

 そのため現在では麺の細さで判断しており、(消費者庁の基準では)乾麺の分類分け「機械製麺」として「そうめん/直径1.3mm未満」、「ひやむぎ/直径1.3mm以上、1.7mm未満」と規定されている。ちなみに1.7mm以上はうどんに分類される。

 

 「揖保乃糸」の広報担当者によれば、ひやむぎにピンクや緑の色がついた麺が混ざっている理由は、ひやむぎとそうめんが見た目では区別しにくいことから、色付きの麺が入っているのはひやむぎだと、購入者に提示するためで、「揖保乃糸」では、昔からひやむぎにピンクと緑の色麺をそれぞれ二本ずつ、パッケージの正面に見えるよう手作業で丁寧に1本1本入れているのだそう。

また、ひやむぎを盛り付けたときに白い麺からちらりと2色の色麺が見えることで、食べる者に涼しさや爽やかさを感じてもらいたいという思いもあるとのこと、こういったこまやかな気遣いは日本人だけが持っている美しさだ。

なお、色が付いている麺は天然の着色料を使用していて無味無臭のため、味の違いはほとんど感じられないそう。へええ、なんだか違うように思えていたけどな。

 今年も猛暑で、すっかり夏バテしてしまった僕は、涼しげな津軽びいどろの器でそうめんとひやむぎばかり食する毎日だ。

 

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