ミューズの声聞こゆ

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「キャデラック」

2021年11月29日 | ブルース

 YouTubeを流し見していたら、日本の若いバンドがボ・ディドリーの「キャデラック」をカバーしていた。

それで思い出したことがある。

まだ大学生のころ、バイト先を退勤すると外で若い男が待っていた。

ライブ友達の彼氏で、明大の軽音部でバンドをやっているとのことだった。

今度、「キャデラック」を演奏したいのだけれど、歌詞がなくて。

彼女に相談したら、井浦くんなら持ってると思うよ、と言われてきたという。

ああ、あるよ。(カバーを収録した)ザ・キンクスのファ―スト・アルバムが日本で復刻されていて、それに歌詞カードがついてたっけ。

ネットも携帯電話もない時代のことである。歌詞なんて調べようがない。また、人間関係も、こんな会い方が普通だったし、じゃあね、と別れてそのまま音信不通のひともいた。

 翌日、同じところで待ち合わせてレコードを渡すと、ライブのチケットを二枚押し付けられた。そのあがりに、レコードは借りパクされて手元にない。

とはいえ、どっちみち、お金に困って売ってしまったろうし、今ではこうやって気軽に聞くことができる。

その学生は無名のまま終わったが、彼のバンドのドラマーは有名バンドにオーディションを経て加入し、名前を残した。採用の条件は、モヒカン刈りにすることだったと本人がこぼしていた。

 

 買ったはいいが、ポンコツ過ぎてこんなキャデラック、早く売り払ってしまいたい、という内容の歌詞。まさか自分が将来そんな思いをするとは、このエピソード当時は想像だにしていなかった、、。

 

1960年発表

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